
[毎週土曜日]朝7:30~11:00 ※コーナーは10:00〜
パーソナリティ 洋輔・影島亜美

番組はこちらからお聴き頂けます。
「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年も県内の金融機関や商工団体などからの協力で、後継者を募集しているお店、親族内や第三者に経営を引き継いだお店、そしてこれから引き継ぐ予定の店などを取材していきます。
洋輔:5回目の今日は沼津市大岡、沼津市立沼津高校中等部のすぐそばにあります、地元で人気のハンバーグ&ステーキのお店「ほどほど満足 住吉 沼津本店」さんに行ってきました。
お話を伺ったのは2代目で代表の加藤順嗣さんなんですが、「ほどほど満足」ってちょっと気になりません?
影島アナ:不思議な、たとえ?
洋輔:なんだろうと思って、早速お店のこととその名前について伺いました。
加藤順嗣さん:先代のオーナーが名前をつけたので、詳しくはわからないので、おおよそと言ってはなんですけど、「絶対的に美味しいものはない、ほどほどでいいんじゃないか」っていう考え方でつけたようです。
洋輔:なるほど、このお店の名前自体はもうずっと昔からある?
加藤さん:そうですね。もう約半世紀近くですね。
洋輔:歴史のあるお店なんですね。
加藤さん:沼津の中でも多分、上から数えた方が早いぐらいに古いかもしれないです。
洋輔:絶対に美味しいものはないから、ほどほどにっていう、ちょっと謙虚さが表れたのがこの「ほどほど満足 住吉」っていう名前になったんだよね。
お店に入って暖簾をくぐったら、もうね、沼津にあるお店ということでサッカーチーム、アスルクラロ沼津のサインとかユニフォームとかいっぱい飾ってあって、サッカー選手の写真とかもいっぱいあったんでやっぱりお好きなんだなっていうふうに思ったのと、あとねメニューをこうやっていろいろお店の中で見ていたら、壁とか柱に貼ってあったんだけど、ステーキとハンバーグがメインのお店ということなんですが、まずどんなメニューがあってまたおすすめのメニューも教えてもらいました。
洋輔:早速こちらのお店、ステーキとハンバーグのお店って聞いたんですけど、メニューってどんなものがあるんですか。
加藤さん:ガーリックステーキはもちろんそうですが、あとサーロインとかハンバーグとか。揚げ物もありますし。
洋輔:揚げ物でいうと。
加藤さん:牛のカツですね。あとトンカツもあるし、海老もあるしイカもあるし、一般的な食堂にあるような感じのメニューかな。
洋輔:僕、今メニューも見せていただいてるんですけど一品メニューも結構豊富で。豆腐ステーキとかレバーステーキとか。なんか、つまみになりそうなものもいっぱいありますね。
その中で一番のおすすめのメニューってなんですか。
加藤さん:ガーリックステーキの大きめですかね。
洋輔:大きめ。
加藤さん:はい。ハラミの肉のステーキになります。200gですね。
洋輔:大きめってことは小さめもあるんですか。
加藤さん:小さめは150gで普通って言ってます。
洋輔:普通か、大きめか、もっと大きいのもあるんですか。
加藤さん:そうですね、150gが2枚のったのが、普通のWと言います。300gですね。大きめの200gを2枚焼いたのが400gになるんですけど。
洋輔:すごい、すごい細かく選べるんですね。だから、まず普通があって、大きめがあって、普通W、大きめWという順番で変わってくる。
加藤さん:そうですねそうですね。
洋輔:僕今日は大きめのガーリックをいただいてもいいですか。
加藤さん:はい。はい。少々お待ちください。
<スタジオ>
洋輔:メニューに様々な料理がのっかってるんですけど、実はこれ以外にも裏メニューがあるよって言って、お客さんがねこういうの作れるのって聞かれたら、作れるよって作って、裏メニューがどんどん増えちゃうんだって。
影島アナ:すごいサービス精神があるんですね。
洋輔:大体、順嗣さんがレシピを把握してて、食材があれば何でも作っちゃいますよっていう感じだったんだけど、その中で一番のおすすめはガーリックステーキの大きめということなんですが、影島ちゃんサイズのラインナップ、何となく覚えてる?
影島アナ:普通、大きめ、Wっていう言葉が聞こえました。
洋輔:そうそう。普通、大きめ、普通が150g、大きめが200g、普通Wが300gで、大きめWが400g、これ選べるけどどれにしましょうか?
影島アナ:大きめW。食べたーい。
洋輔:さすが肉食女子。いいですねー。その中で一番お客さんから注文を受けているというガーリックステーキの大きめをいただきました。
<ほどほど満足 住吉 沼津本店>
加藤さん:元気でますよ。
洋輔:あと、周りにキャベツとか、スパゲッティもありますし、人参も美味しそうですね。
早速いいですか、いただいても。いただきます。お肉が厚め、早速ちょっと自分で切って。
洋輔:わかります。ちょっと待ってこの断面、程よくほんのり赤くて、美味しそう。香りがすごい、いいですね。やっぱガーリックの香りが。
洋輔:厚さがありますもんね。(お皿の上に)鉄の石があるんでちょっとここにのっけて、いただきます。んー美味しい。タレもさっぱりしてて、もう肉の食感が最高ですね。
洋輔:そうなんですよ。本当に赤みが強めの感じで食べごたえもありますし、ガーリックとの相性が抜群!このソースは何か特製のソースですか。
加藤さん:主にベースが醤油ですね。あとガーリックですね。ガーリックのスライスとガーリックパウダーの水溶きですね。それだけでやってます。ソースがないんですよ。
洋輔:シンプルにザ・お肉+ガーリックで勝負してるっていうことですね。いや、すごい、めちゃくちゃ食べやすくて。ステーキって聞いてたんでちょっと覚悟してきていてガッツリかなと思ったらさっぱりしてます。
加藤さん:だからWの300gでも400gでも、女性でも結構食べる方いらっしゃるので。あとキャベツとスパゲッティをつけていますけど、これあえてスパゲッティの味付けをしてないし、キャベツもドレッシングをかけてないでしょう。ステーキソースだけで食べて欲しいっていう感じなんで。
洋輔:お肉の味を邪魔しないようにしてあるってことですね。うん。キャベツも美味しい。幸せ!
<スタジオ>
洋輔:そうなんすよ。主役はお肉で、まわりにあるものはもうみんなシンプルな味になっててね。お肉自体も赤身がたっぷりで、結構ヘルシーな感じで。びっくりするくらいペロッと食べちゃって僕も。
影島アナ:400gでも全然いけそうですね。女性でも食べられそう。
洋輔:そのまま力になるっていう感じのステーキだったかな。タレとかも、お肉の味を邪魔しないようにシンプルにニンニクと手で切ったニンニクだけだから、本当ゴロゴロニンニクって感じのガーリックステーキだったんで。またねスパゲッティとかもそれを混ぜて食べるとすごく美味しくて、とっても相性の良いプレートをいただいたって感じです。
あと、冒頭で順嗣さんを2代目って紹介したんですけど、先代からこのお店を引き継ぐことになったきっかけや継ぐにあたって不安に思ったことなんかも聞いてみました。
<ほどほど満足 住吉 沼津本店>
洋輔:加藤さんはこのお店を継いでからどのぐらいになるんですか。
加藤さん:今年の7月で11年目になりました。
洋輔:11年目。前のオーナーさんから、どういう流れで継ぐことになったんですか。
加藤さん:前のオーナーはお子さんはいらっしゃるんですけど、私達は後を継がないよってことで、この店をどうしても後世に残したいっていうことで、僕はたまたまその時にいたんですけど、ぜひともやってくれないかっていうことでお願いをされまして。
洋輔:その時、加藤さんはどのポジションにいたんですか。
加藤さん:僕はポジションというか、コック長とは言わないけど調理をやってて、調理場ですね。
洋輔:なるほど。従業員さんとして。それを言われた時どう思いました。
加藤さん:いやあ、やってもいいけどお金ないしって感じ。
洋輔:やりたいっていう、その加藤さん自身の意思はずっとあったんですか。
加藤さん:うん、ここに限らず、どっか自分で独立をして、自分のお店をやりたいなと思ってたんですけどもね。まさか自分が「住吉」っていうお店を継ぐとは思わなかったですね。
洋輔:なるほど。オーナーさん、喜んでました?
加藤さん:喜んでくれましたよ。
洋輔:加藤さん側がそのお店を継ぐにあたって、ちょっと心配というか不安だったことって何ですか。
加藤さん:継ぐっていったって0円ではないので。お金が絶対一緒になりますよね。その時にやりたいけどお金がない、じゃあ、どうしようかってことでやっぱお金の面では一番困りましたよね。
洋輔:どうしたんですか。その時。
加藤さん:沼津信用金庫さんに協力をしていただいて身内という形なんですけど、頑張ってもらって、今現在に至ってるって感じです。
洋輔:その手続きとかもいろいろあると思うんですけど従業員に継承するっていう時に、そういうのも全部サポートしてもらいましたか。
加藤さん:そうですね。100%。いやそれ以上に、もしかしたらやってもらったかもしれないです。
洋輔:150%ぐらいやってもらった?
加藤さん:1000%くらい?
洋輔:すごい。10倍ぐらいになっちゃってますね。そんな中で、何か先代からのアドバイスみたいなのはありました?
加藤さん:いや、今まで通りやれば大丈夫だよっていうことで、ずっとその前に僕は通算この店で今現在24年から25年ぐらい、いるんですけど、その前の経験値があるので。それを崩さなければ、お客さんも来てくれるかなっていう感じで。
洋輔:11年前に先代から従業員内承継でお店を継ぐことになったんですって。加藤さん自体も自分でお店をやってみたいなって思いはあったんですけど、その時、調理場で働いていたのを、「店を継ぐ?」「やります」ってなってすごく嬉しかったそうなんですけど、同時に金銭的な問題がすごい不安だったって。今もさっきもおっしゃってたんですけど、そこだけが心配だったっていうのをね、すごい印象的に残ってます。でもそんな不安も沼津信用金庫さんのサポートで乗り越えることができて今に至るっていうことで、本当にね、地元に地域密着でサポートしてくれる金融機関さんとか商工団体さんの存在って大きいんだなって改めてね、話を聞いて思ったんですけど、この日お邪魔したのは沼津市大岡にある沼津本店なんですが、4年前にもう1店舗、お店を出されたということでその辺のお話も聞いてきました。
<ほどほど満足 住吉 沼津本店>
洋輔:僕がいるのは今、沼津の本店ですけど、あと他にもお店が(あるそうですね)。
加藤さん:自分が4年前ですね。片浜の方に2号店を作りました。その時は、コロナ禍の真っ最中で、周りからはこんな時期に何やんのって、自分のまわりにいる人たちは全員反対でした。十何人いて、もちろん銀行も反対だったし。
洋輔:加藤さんはその反対を押し切ってオープンしたってことですよね。それはなぜ。
加藤さん:それは自分の生まれ育った場所が片浜っていうんですけど、この地域を見回した時に、たまたま(土地が)空いちゃってたんですよ。それがうちの真ん前で。築40年ぐらいたった古い物件なんだけど、どうしてもやりたいということで、地元でやりたいということで押し切って。
洋輔:それってこちらの「ほどほど満足住吉」さん沼津店の方で頑張ってきて、いろいろつちかってきたからこそ自分がやりたいなって思うことをつかみ取ったってことですよね。
加藤さん:もう大体、やること、やるべきことっていうのはもうわかってたので。あとは、人ですよね、人をどうやって動かすかですよね。お客さんをどうやって動かすか。
味は息子がやってるんですけど、ここで修業してますので、味自体は変わらないよと。
洋輔:息子さんも一緒に働かれてるんですか。
加藤さん:片浜のお店で。親孝行の息子だと思いますよ。
洋輔:いいじゃないですか。
洋輔:いや素敵だよね。お父さんが親孝行の息子だと思いますよって、素直に言えるってのは本当に素敵だなって思って。あとやっぱ加藤さんも地元愛がすごい強いなという印象をね、僕もすごく受けて。なんかそんな感じだったんですけど、最後に加藤さんがお店をやっててよかったなと思ったことと、これから事業承継をしようと考えている方に向けたアドバイスも聞いてみました。
<ほどほど満足 住吉 沼津本店>
洋輔:実際にこのお店をずっとやっていて、加藤さんがお店やっててよかったなって思った瞬間って何かありますか。
加藤さん:まずは地元って言いましたよね。自分が出た学校もこの近くなんですよ。
だからそうなってくると、今一番いいことはもう自分が60を超えたんですが、最近、小中高の同級生が自分がやってるってことをわかってくれてるんで食べに来てくれるんですよね。なんだかんだ集まってきてくれて。
洋輔:でもそれは本当に加藤さんの地元愛が周りに伝わって、なおかつ同級生っていうと同い年の同級生ですよね。いいじゃないですか。もうその地元愛が多分伝わっているんですね。きっと。
加藤さん:やっぱね地元沼津っていうのはやっぱ食べ物が美味しいじゃないですか。だからこうやってこのお店も僕らの高校時代から有名なお店だったし、そういう意味では、縁があるのかなとは思いましたね。
洋輔:今ね、リスナーさんの中には、例えば従業員をしていてお店の人からやってみないかって言われてる人も、もしかしたらいるかもしれないですし、あとは本当親族の中でもこうやって承継する人もいるかもしれない、お店を継ごうとしている人もいるかもしれないんですが、そういう人に加藤さんからアドバイスって何かありますか。
加藤さん:そうですね、家族同士でやる。自分が従業員で働いてて、その時のオーナーさん、社長さんがやってみなさいと言います。お金も要ります。そこをまずどうやって乗り切るかだと思いますね。
洋輔:もうあれですね信用金庫さんに相談ですね、そしたら。
加藤さん:うん。そうですね。信用金庫を使ってください。
洋輔:どうですか今後の事業承継としては息子さんに継がれる形ですか。
加藤さん:もうそれは息子にも言ってありますし。だから、僕が継いだ時点で、もう次お前なっつって、もう前もって言ってあって。その次の下の代も、もう決めたんで。要は自分からすると孫ですよ。(孫に)お前やれって。
洋輔:いや、やっぱりね、従業員承継した後の人は強いですよ。もうさすが乗り越えてきてるから加藤さんやっぱすごい。次の次まで決めてるんですね。3代目まで。
加藤さん:2代目はやるっつってんだけど3代目はまだ今年中学生になったので。しかも女の子なんで、やるかどうかは本人次第なんだけど。
洋輔:でももう線路を少しずつ作り始めてる感じなんですね。
加藤さん:そうですね。もう生まれて4歳くらいの時に言ってあって。
洋輔:刷り込み刷り込みが大事ですね。いやでも本当に長い歴史を持っているお店なんでこのあとも頑張って美味しいものをどんどん提供してください。
加藤さん:わかりました。頑張ります。
洋輔:今日はありがとうございました。
洋輔:加藤さんすごいでしょ。もう息子さんも継いでくれるけどその次のお孫さんにまで「やってもらおうと思ってるから」って言い切っているから。パワーがすごいなっていう感じでしたし、何かその地元愛とかもすごかったし。
実は僕、後で気がついてびっくりしたんだけど僕の小学校がこの裏側にあったのね。加藤学園暁秀初等学校出身なんですけど、そこの裏です。なんか本当、その辺りの地域の、もう地元の人たちがみんな知ってるようなお店なんでね。ぜひぜひもう本当に地元愛に包まれた場所になっているので、もしね、沼津の大岡の辺りに行く場合はぜひ寄ってみてはいかがでしょうか。ということで、未来に残したい静岡グルメ遺産5回目の今日は沼津市大岡にある「ほどほど満足 住吉 沼津本店」さんにお伺いしました。
<事業承継に関するご相談>
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