
[毎週土曜日]朝7:30~11:00 ※コーナーは10:00〜
パーソナリティ 洋輔・影島亜美

番組はこちらからお聴き頂けます。
「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年も県内の金融機関や商工団体などからの協力で、後継者を募集しているお店、親族内や第三者に経営を引き継いだお店、そしてこれから引き継ぐ予定の店などを取材していきます。
洋輔:2回目の今日は熱海市銀座町にある老舗洋食店の「レストラン宝亭」に影島ちゃんが行ってきたんだよね。
影島アナ:そうなんですよ。熱海市の熱海銀座商店街にあるお店ですね。まず初めに、2代目の長島一俊さん、3代目で息子さんの遼さんに、「宝亭」はどんなお店なのかを伺いました。
<レストラン宝亭>
長島 一俊さん:昭和22年、先代が戦争から帰ってまいりまして、やはり熱海も疲弊して、元気がないということで、食で元気をということで、食べ物商売、カレーで創業したっていうところです。
影島アナ:まずはカレーからのスタートだったんですね。今2代目の一俊さんから3代目の遼さんも一緒に働いてらっしゃると。どうですか親子で働いてみて、いかがですか。
長島 遼さん:私達、親子の仲がとにかく良いので。
影島アナ:確かに、和気あいあいとしてますもんね。
遼さん:優しいしね。お互いにね。優しいというかあんまりぶつかることはないので、まあ、楽しくうまくやっていると思います。
<スタジオ>
洋輔:(熱海を)「食で元気を」というのをテーマに洋食店を始めたと。
影島アナ:そうなんです。本当に親子2人の仲が良くて、和気あいあいとしてました。
洋輔:そうおっしゃってたぐらいだから、すごい仲いいんだろうなって今思って楽しみ。
影島アナ:そうなんですよ。昔懐かしい雰囲気の商店街にあるんですけどアーケードに「カツカレー宝亭」と書いた看板があったので、お店の場所はすぐにわかりました。
店内に入ると、天井が本当に高いんですよ。壁紙も昭和チックでBGMもシティポップが流れていました。
洋輔:昭和レトロっぽい感じがあったと。
影島アナ:すごくウキウキしましたよ。熱海富士の応援タオルとか手形もあったりして、何となく新しいものと古いものがいい感じにマッチされた、エモくて素敵な店内だと思いました。
この日は午後3時前に訪れたんですが、この時間でもお客さんが遅めのランチを食べていたり、クリームソーダを飲んでいたりしましたよ。
洋輔:クリームソーダもいいね。
影島アナ:創業は昭和22年で78年の歴史の中で、やはりコロナ禍を乗り切るのには苦労されたそうです。
<レストラン宝亭>
一俊さん:特にコロナの時にはですね、やっぱり営業ができない、テイクアウトだけっていうとこで、2人で一生懸命、販売してきたんですが、店が再開になりましたけども、どうしても客数を少なくするために、椅子テーブルを少なくしてくださいという行政指導がありました。
そこで、どうしたらいいのかということで、以前はかなりのメニューを作ってたんですが、
やはり滞在時間を短くしてほしいということなので、メニューを絞りまして、それでカツカレー、ハヤシ、カツサンド、あとカツ丼っていうふうなメニューをギュッと絞り込んで、それでコロナを乗り切りました。
影島アナ:コロナ期間にお客さんから声をかけられて元気をもらった言葉ってあるんですか。
一俊さん:(店の前を)通りがかったお客さんが、「やってるんだね、頑張ってるんだね」なんて言われるとやっぱり嬉しかったですね。(コロナ禍を)乗り越えられたのもお客様のおかげだと思ってます。
影島アナ:お店の中に入った瞬間、とってもいい香りで、私、お腹がペコペコになってしまったんですけど、おすすめのメニューって何でしょう。
一俊さん:そうですね、一番目はカツカレー。これが一番人気で、その次がハヤシライス、そしてカツサンドという順で、やっぱりカツカレーが一番注文が多いですね。
影島アナ:我慢の限界です、私。いいですか。おすすめのカツカレーとハヤシライス、カツサンドをいただいてもいいでしょうか。
一俊さん:お召し上がりください。今お持ちしますのでしばらくお待ちください。
影島アナ:ありがとうございます!お願いします!
<スタジオ>
洋輔:またすごい頼んだね。
影島アナ:そうなんですよ。おすすめを聞いちゃいました。カツカレーが自慢だそうです。
洋輔:飲食はコロナですごく大変だったじゃないですか。それを乗り越えられてこられたってことだもんね。
影島アナ:そうなんですよ。あの県内有数の観光地の熱海市もやっぱりコロナ禍で大きなダメージを受けたそうなんですね。「宝亭」さんも同じく大変だったみたいで、それでも地元の皆さんに応援をしてもらいながら、一俊さんと息子の遼さんが知恵を出し合って乗り切ることができたというエピソードがとても印象的でした。
洋輔:やっぱ仲良し仲良し親子だからね。
影島アナ:お店の中にカツカレーの香りがすごく漂っていて、皆さん、わかったかと思うんですけど限界でした、私。「我慢の限界です」って言っちゃうくらいお腹が空いてしまって。
洋輔:確かに洋食屋さんのあの(店内に)入った時の香りって、もう本当に食欲をそそるから。わかる、その気持ち、めっちゃわかる。
影島アナ:おすすめメニューのカツカレーとハヤシライス、カツサンドをいただきました。その中で一番人気のカツカレーを食べた様子をお聞きください。
一俊さん:お待たせしました、どうぞカツカレーです。
一俊さん:お肉は静岡県の国産牛を使っております。
影島アナ:いいですか、早速。待ちきれません。いただきます。では、カレーのルーとご飯から一緒にいただきますね。いただきます。すごい。お肉が大きくてあふれてきますね。
ではまずご飯とルーをいただきます。んー美味しい。最高です。結構甘めの昔ながらのカレーなのかなって思ったんですけど割とスパイスが効いてますね。ちょっと野菜のコクも、感じられるんですけど。
一俊さん:一応基本は、玉ねぎを蒸して、さらにそれを炒めて、甘みをとってます。
影島アナ:玉ねぎがたっぷり入っているんですね。
一俊さん:そうですね。玉ねぎを入れると味により深みがでて、より口の中で滑らかにいただけます。
影島アナ:(食が)進みますね。とっても美味しい。カツもいただいていいですか。カツも大きくカットされてますね。美味しそう。いただきます。一口で失礼します。おー最高です。
もうパリッとさらっとカツがあがっているんですけどお肉の食べごたえがあります。嚙めば噛むほど、(肉が)甘いですね。
一俊さん:国産牛の脂身が非常に甘くて、コクがあって大変美味しいと思います。
影島アナ:美味しいです。ちょっとスパイスの効いたカレーと合いますよね。ベストマッチ。人気No.1のカツカレーということで。
一俊さん:当店で一番売れてる商品です。
影島アナ:わかります。これ、人気が出るのはわかります。理由が。ちなみに昔から味は変えてらっしゃるんですか。ずっと一緒ですか。
一俊さん:元々基本のレシピはあるんですけども。やっぱり時代とともに少しずつ変化して、現在の食に合うような形で作っております。
影島アナ:お客さんの反応はいかがですか。
一俊さん:そうですね、比較的良好っていうか、皆さんに喜ばれています。
影島アナ:本当に軽くペロッと食べられちゃいます。これ、美味しい。ありがとうございます!
<スタジオ>
洋輔:美味しそう!
影島アナ:美味しかったです。自慢のカツカレー。本当にお肉がやわらかかったんですけど、牛カツなんですよ。口の中でとろけました。カツカレーのカレーも野菜がゴロゴロ入っているっていうより、ルーに溶け込んでいる感じがして。
洋輔:食べやすいやつよ。僕の好みのやつ。
影島アナ:美味しかったです。
洋輔:さっきそれこそ、一俊さんもおっしゃってましたけど、玉ねぎを蒸して、その甘みでっていうのが、もうすごい好み(のカレー)、と思いながら聞いてて。いいね。洋食屋さんのカレー。お腹空くね。牛カツも美味しそうだし。
影島アナ:カツ、おっきいですよね。スプーンからもはみ出ちゃう。美味しかったです。ハヤシライスと、カツサンドも食べたんですよ。ハヤシライスは黒毛和牛の旨味と深み、トマトの酸味が絶妙でしたね。玉ねぎがたっぷり入ってました。
洋輔:トマトの酸味がポイントだからね、ハヤシライスは。
この味を未来に繋いでいってほしいなって私も強く感じましたので、続いては事業承継についてのエピソードを先代の一俊さんから伺いました。
<レストラン宝亭>
影島アナ:一俊さん、このお店は一俊さんのお父様が創業されて、その後息子さんの一俊さんが引き継がれたということなんですよね。どんな経緯で、引き継いだんですか。
一俊さん:もう昔から「この店はお前にまかせるぞ」とずっと言われてきたんです。私も大学を出て、栄養士の養成学校に2年間通いまして。その間、父が亡くなってしまったんですよ。でも卒業して、父との約束を果たして、帰ってきて、今の営業をもう50年、経ちました。
影島アナ:そして今、息子さんの遼さんが一俊さんの後を引き継いでこの味を守っているということなんですよね。遼さんはこれまで、飲食の経験ってあったんですか。
遼さん:いえ、特にないですね。あーもうこんな店、継ぎたくぎないや、とまで思ってました。
やはり私の時代はですね、非常に熱海は不景気で、どうしても寂れたイメージがありました。そこで、熱海から早く抜けて、何か東京で会社勤めしたいな、そんなことを思ってました。
影島アナ:でもどういう経緯で遼さん、お店に戻ってくることに決めたんですか。
遼さん:そうですね。それはまずこの「宝亭」がなくなってしまうというお話をいただきまして。
影島アナ:お店がなくなっちゃうっていうのは何かあったんですか。
遼さん:もうスタッフが高齢で継ぐ人もいないという話をいただいたので。父からそういう相談をいただいて、お前もちょっと戻ったらどうかという言葉をいただいて戻ってきたんですけれども。
洋輔:そっか、本当にお店がなくなっちゃうの嫌だったんだよね。遼さんは。
影島アナ:もったいない精神がね、きっかけとなって、3代目の遼さんが勤めていたお仕事を辞めて、お店をお父さんから引き継ぐことになったんです。
洋輔:あれだね、なんか一度、反抗期じゃないけど、やっぱり僕はお店に関わらないって出たけど、でもなくなるってなったら、本当に大事なものだから守りたいっていう感じになったのかな。
影島アナ:そうなんですよ。飲食業は実は未経験だったそうなんですけど、それでいろんなことでね、不安を抱えていたんですって。それを解決に導いてくれたのが静岡中央銀行の皆さんだったんです。実際に「宝亭」の事業承継のサポートを担当した静岡中央銀行の熱海支店の篠原健希さんと澤村 尚さんに当時の様子を聞きました。
静岡中央銀行熱海支店 篠原健希さん:「宝亭」さんにおかれましては熱海支店から徒歩1分の場所に位置しておりまして、長年にわたりお付き合いをしていただいております。先ほどお話にも出ましたが社長交代についてお話が出た際には、代表者交代に伴う銀行としてのお手続きの概要を私の方から説明させていただきました。
影島アナ:そんな中で篠原さんはもっと深く寄り添ったサポートをされたんですよね。
篠原さん:いつ交代するのがいいのか、その他に準備していく事項はないのかなど、課題を一旦整理しておくために、当行が事業承継で連携している静岡県事業承継引き継ぎ支援センターや業務提携先の専門家をご紹介させていただきました。
影島アナ:本当に感謝していると一俊さんもね、おっしゃってました。
続いて澤村さんにお伺いしたいんですが、静岡中央銀行さんとして、事業承継についてどのような支援をされているんでしょう。
静岡中央銀行熱海支店 澤村 尚さん:「宝亭」さんの場合は、息子さんが事業を引き継ぐという親族内承継になりますが、後継者はいなくて、引き継ぎ先を探して欲しいという話であったり、逆に事業拡大のためにM&Aを活用したいというお話の場合もありますので、当行としましては様々な案件に対応できるよう、引き継ぎ支援センターをはじめとする外部の機関ともうまく連携しながら、事業承継支援に積極的に取り組んでおります。
影島アナ:一俊さんや遼さんとどのようなお話をされたんですか。では篠原さんお願いします。
篠原さん:一俊さんの方から息子さんが戻られるっていうふうなお話をいただいた中で、お店を継いで残していくっていうところの課題っていうのが一つクリアできたのかなと。その後、事業、またお店を残していくためにどのようにお店を残していけたらいいのか、そういったご相談をいただきながら銀行として対応できるところですね、日々、一俊さんと息子さんの遼さんも含めてお話をさせていただいてます。
澤村 さん:そうですね、普段ですとお昼の時とかですね、歴代の営業であったりとか支店長含めてですね、「宝亭」さんのところでカツカレーをいつも美味しくいただきながら、こちらも引き継ぎながらという形でですね、美味しく、いただいておりました。
影島アナ:お気に入りのメニューは澤村さんありますか。
澤村 さん:カツカレーですね。
影島アナ:篠原さんはお気に入りのメニューありますか。
篠原さん:私も今までカツカレーいただいてて最近、上カツカレーっていうプレミアムのメニューが出たということで早速食べさせていただいて、普段のカツカレーも美味しいんですけれどもそれ以上に、より特別なカレーだったと思います。
影島アナ:お仕事でもそうですし、プライベートでもやっぱり深く関わってらっしゃるんですね。もうすごくお店を愛してらっしゃるのがわかりました。お二人の話を聞いて。
篠原さん・澤村さん:ありがとうございます。
一俊さん:やっぱりコロナの時にはね、どうも、当然皆さんもそうですけど初めての経験なんじゃないですか。その経験をやっぱりどうしたらいいのかなと思いながらやってて、やっぱり親切に静中(静岡中央銀行)さんが寄り添ってくれた。サポートしてくれて、本当にありがたいなと思いましたですね。
<スタジオ>
洋輔:本当にある意味、親から子供に繋いでいくっていう、事業承継をする時に、スっとできるかなと思いきや、やることってたくさんある中で、何からしたらいいかわかんないっていう時に、こういうサポートの静岡中央銀行さんみたいな方々が入ってくれるとスムーズにいくんだよね。
影島アナ:事業承継する時もコロナ禍の時も本当にたくさん不安を抱えてらっしゃったそうなんですけど、そんな不安に対しても周りの皆さんが親切に寄り添ってくれて、愛情あふれるサポートをしてもらいながら、お店と味を後世に繋いでいくことができているということが、一俊さんの言葉からもすごく伝わりましたよね。
洋輔:本当、静岡中央銀行のお二人が、お店を大好きなんだなっていうのも伝わってきました。
影島アナ:本当にもう食堂のように通ってますと、おっしゃっていました。
洋輔:上カツカレーがあるらしいよ。
影島アナ:食べてみたいですよね。
続いて事業承継をするのにあたって、一俊さんから遼さんにどんなことを伝えたのか。また最後に今後の目標も伺いました。
<レストラン宝亭>
一俊さん:とにかく基本を大事にしようということで、スープはしっかりとって、炒めるものはしっかり炒めて、煮るものも、ちゃんと煮てっていうことで、とにかくベースを大事にしようということを息子には伝えております。
影島アナ:遼さん、教えてもらってどうですか実際に。
一俊さん:いや、父の真面目さを、非常に仕事を通じて感じますね。
影島アナ:では最後に、一俊さん遼さん、二人に今後の目標についても伺いたいんですが、一俊さんからいいですか。
一俊さん:今年で78年ということでよく頑張ってきたなと。姉妹(と一緒に)やってきたんですが、今は息子とやってるんです。そういう意味で、あと80年、90年っていうふうに末永く料理を提供して、お客さんに喜んでもらいたいな、ただそれだけですね。もう先はもうそのことだけで、もう自分は十分だと思ってます。
影島アナ:遼さんいかがでしょう。
遼さん:親子三代で通ってくれているお客様がいらっしゃいます。
おじいちゃんが「孫に同じものを食べさせたい」「カツカレーを食べさせたいから今日来たんだ」そういったお客様のお声をいただくとですね、次世代に残したいな、しっかりと残していく、この味を残していく。これが私の目標でございます。
<スタジオ>
洋輔:いや素晴らしいね。本当に残していきたい未来に繋げていきたいお店だね。
影島アナ:はい。本当に一俊さんと遼さん、フレンドリーで、仲良くしてくれて、「宝亭」と書かれたエプロンを私にくれました。お揃いの。使ってねって言ってくれて。
影島アナ:一人でもね、足を運びやすいお店だと思います。
洋輔:「サタデービューン」でも応援していきましょう。
洋輔:はい。ということで未来に残したい静岡グルメ遺産、2回目の今日は熱海市銀座町にある老舗洋食店「レストラン宝亭」さんを影島ちゃんが紹介してくれました。
<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881