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未来に残したい 静岡グルメ遺産

[毎週土曜日]朝7:30~11:00 ※コーナーは10:00〜

パーソナリティ 洋輔・影島亜美

洋輔
未来に残したい静岡グルメ遺産 SATURDAY View→N
2024.12.28(土)放送 神村製菓舗(浜松市中央区富塚町)

親子三世代でつなぐ、家族愛あふれる和菓子店。
普段から付き合いのある金融機関が承継をサポート。【親族内承継】

番組はこちらからお聴き頂けます。

「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は県内の金融機関や商工会議所の協力で後継者を募集しているお店、親族内や第三者に経営を引き継いだお店、そしてこれから引き継ぐ予定のお店などを取材していきます。

13回目は、浜松市中央区富塚町にある「神村製菓舗」さんに取材に行ってきました。「神村製菓舗」さんは店内に入るとすぐに和菓子が並んでいるカウンターがあって、気になる和菓子がすぐに見つかるように並んでいました。
まずはお店について、代表の神村佳孝さんに伺いました。

<神村製菓舗>

神村製菓舗
佐鳴湖の近く、昭和39年創業の神村製菓舗
神村製菓舗
神村製菓舗
左から(代表の)次男の神村鳳真さん、代表の神村佳孝さん、長男の神村興輝さん、洋輔
神村佳孝さん:「神村製菓舗」は昭和38年6月に開業いたしました。ですので61年になります。

洋輔:地元の人とかがやっぱり、たくさん買いにいらっしゃいますか。

佳孝さん:やっぱり地元の方を中心にですね、中には遠方から来てくれる方もいますしね。主には(浜松)市内全域から来ていただいています。

洋輔:どんな商品があるんですか。

佳孝さん:うちはですね、いわゆる朝生スタイルということで、その日に作った商品をその日に売るという風な売り方をしてます。

<スタジオ>

洋輔:本当に地元に愛されている和菓子屋さんで、お店には大福、饅頭、きんつば、草餅など定番の和菓子はもちろん、ちょっと変り種なメニューで、あんドーナツがあったんですけど、あんドーナツ、影島ちゃんに買って帰ってきたのを覚えてます。

影島アナ:はい、いただきました。美味しかったです!

洋輔:美味しかったよね、あんドーナツ。白あんと黒あんがあって、影島ちゃんどっち食べた?

影島アナ:黒あん(ドーナツ)、食べたんですけど、ぎっしりドーナツの中にあんが詰まっていて、お砂糖がまぶしてあったんですけど、もう食べたらジュワ〜て広がるあの感じがたまらなかったです。ちょっと懐かしい感じ。

洋輔:砂糖がまぶされてるんだけど、あんことお砂糖があるのにも関わらず、甘さがすっきりなんですよ。あんドーナツの概念がちょっと変わったかもって思うぐらい、僕は結構感動した。

影島アナ:いっきに二つ三つ食べられちゃいそうな、美味しかったです。すごく。

洋輔:「神村製菓舗」さんと検索するとインスタグラムも出てくるんですけど、こちらは長男の興輝さんが自分たちが楽しんで作っている風景を見てもらいたいっていう思いで今更新してるそうで、和菓子の制作風景が見られてこちらもね、面白いのでぜひ皆さんに覗いてほしいなと思うんですが。
あと、インスタグラムのプロフィールのところにね、「美空ひばりさん、宇野重吉さんが認めた味が自慢」というふうに書かれているんですけど、これは美空ひばりさんの付き人さんが買いに来られたのが始まりで、これ裏話で僕ちょっと聞いたんですが美空ひばりさん、本当にあの白い大福が大好きで、結構な量を、本番前に食べていたそうですよ。

影島アナ:本番前でもパクパク食べられちゃうような、美味しさなんですね。

神村製菓舗
「神村製菓舗」の隣にある「お好み焼き かみむら」で収録
洋輔:そんな裏話なんかも聞きながら。今回お話を伺ったのが、「神村製菓舗」の隣にある「お好み焼き かみむら」というところだったんですけど、ここは佳孝さんのお母様が元々やっていたお店だそうで、今はですね、次男の鳳真さんがこちらのお店を改めてスタート、つないでいて、お二人の声もね、後ほどお届けしたいと思うんですが、続いてはですね、「神村製菓舗」さん、おすすめのきんつばと、そして草餅をいただきました。

<神村製菓舗(お好み焼き かみむら)>

神村製菓舗
左から洋輔、2代目の神村佳孝さん。おすすめのきんつばと草餅
洋輔:もう、こういう時、本当に悩んじゃうんですよ。どっちから食べるのが正解なのかなと。

佳孝さん:いや、食べたいと思った方から。

洋輔:きんつばからいっていいですか。結構大きいですね。

佳孝さん:大きいと言われますね。

洋輔:きんつばはキューブ状になっていて、3センチかける3センチかける5センチみたいな立方体になっています。

佳孝さん:そうですね。

洋輔:はい、あってます?

佳孝さん:ちょっと違います。ニアピンだなって思って。

洋輔:うれしい、そういう細かい世界で生きてますから。いただきます。もうかぶりついていきます。美味しい!あんこぎっしり!粒あんで、皮の食感がもうたまらないですね。甘さもすごい控えめで、すごく美味しいです。この小豆の存在感がすごい。(小豆を)つぶさないで作るの大変なんじゃないすか、こういうのって。

佳孝さん:大変ですね。(小豆をつぶさずに)煮るのはね。

洋輔:めちゃめちゃ美味しいです。ペロッと食べられちゃう。

佳孝さん:ありがとうございます。

洋輔:草餅も、せっかくなのでちょっといただきたいと思います。緑色のキレイな色をしていて、これ粉がまぶされてるのかと、この触った感じが僕は大好きなんです。やわらかい!モチモチしてる。いただきます。
こちらは、お餅の存在感がすごいですね。モッチモチ。美味しい。歯ごたえがしっかりしてるっていう。お餅の存在感がずっとして、あんこの甘さがほどよいから、ずっと口の中に残しておきたくなるような。またお茶に合いますよね、これ絶対ね。美味しい、これは守ってきた味ですね、本当にね。

佳孝さん:そうですね。

神村製菓舗
収録の様子
<スタジオ>

洋輔:もう和菓子好きの僕からしたら、天国のような。きんつばもすごく美味しかったし、あんこがね、つぶあんでその粒がね、キレイに残っているんですよ。だから、なんかもう、小豆この食感もすごい楽しめたし、また草餅の方のお餅が本当にやっぱり和菓子屋さんの作るお餅ってなんでこんなに美味しいんだろうって思う。モッチモチだし、でもそれでいてちゃんとこの存在感があるっていう。すごい堪能させていただきました。

ここからなんですけども事業承継についてお話を伺ってきました。佳孝さんは来年90歳を迎える先代のお父様と40年以上一緒に和菓子作りをしてきたんですって。お父様は今も仕事場に出られるほど元気なんですが、ここ数年やはりちょっと年齢のことも心配になってきて、お店もね、佳孝さんを中心に進めていきたいという話になったそうで、佳孝さんの長男の興輝さんも、お店に入ってくれたことなどが重なって、今年の1月、先代のお父様から佳孝さんへの親族内承継が完了したと。いろいろとスムーズに承継できたようなんですが、ここで「神村製菓舗」担当の浜松いわた信用金庫の髙橋さんにもお話を伺ったので聞いてください。

<神村製菓舗(お好み焼き かみむら)>

洋輔:こんな手続きもあった、これをやらなきゃみたいなのってありました。

佳孝さん:ありました。父親の廃業届を出すとともに、自分も開業届を出して。

洋輔:そこって、そのまま続けてちゃいけなくって、廃業届と開業届が必要なんだ。

佳孝さん:そうなんですよ。父親が廃業するってことで新しく私になるということで、同時にやる作業がありましたね。

洋輔:お金関係とか、金融機関とかそういうやり取りとかは全然全く問題なく(できました?)。

佳孝さん:問題ないね。今までも大概は私と浜信(浜松いわた信用金庫)さんで(やってきた)。

洋輔:髙橋さん改めて紹介しましょうか?せっかくなので。今日お店にもいらっしゃっている浜松いわた信用金庫の髙橋香月さんにもお話を伺いたいと思います。よろしく願います。

神村製菓舗
「神村製菓舗」の親族内承継をサポートした浜松いわた信用金庫の髙橋香月さん
浜松いわた信用金庫 髙橋香月さん:よろしくお願いします。

洋輔:全く心配ないって佳孝さんの方が言ってて、不安も全然感じないって言ってますけど、どうですか、何か手続きとかでちょっと大変だったこととかは?全くなくスムーズでした?

髙橋さん:金融機関の手続き的にはやっぱりちょっと時間がかかるところもあったりして、神村さんにご迷惑をかけてしまったところはあるかもしれないんですけども、本当に事業自体は本当にしっかり、ずっとやられてきた方なのでそういったところは本当に全く問題なく、心配はいらないかなと思ってました。

洋輔:でも手続きで時間がかかることっていうのは少しあるんですね。

髙橋さん:そうですね。やっぱりちょっと保証会社の関係でしたりとか、やり取りも本部だったりしてちょっと時間もどうしても私がかかってしまったところはあるかなと思います。

洋輔:佳孝さんの不安を全部髙橋さんが一気に(受け止めて)。

佳孝さん:忘れてましたね。1月の話ですよね。時間かかりましたね。そういえばね。手続きにね。

洋輔:頼もしいですよね。ちょっと心強いですよね、こういう方がいらっしゃってくれると。

佳孝さん:そうなんですよ。もう、すぐ困った時にはすぐ電話してとんで来てくれるんで。

洋輔:佳孝さんのこと、これからも守っていってください。 一緒に。ありがとうございます。

佳孝さん:よろしくお願いします。

<スタジオ>

洋輔:佳孝さんもね、自分が代表になった時にお金の借り入れができなくなるんじゃないかとか、融資も大丈夫かな、とかいう不安もやっぱあったそうなんですけど、髙橋さんのようにお店を信頼してくれる心強いサポーターがいてくれたおかげで、安心できますもんね。
この温かい関係がみえてきたところで、最後に佳孝さん、そして長男の興輝さん、そして次男の鳳真さんにラジオをお聴きの皆さんにメッセージもいただきました。

<神村製菓舗(お好み焼き かみむら)>

佳孝さん:今までもね、皆様には本当にかわいがっていただいて、何とか62年続いてきました。私の代でも、同じようにかわいがっていただけるように、同じ味を引き継げるように、頑張っていきたいと思います。また後継者もできたもんですから自分もそれなりに張り合いはできましたしね。今後ともぜひ「神村製菓舗」をよろしくお願いしたいと思います。

神村製菓舗
「神村製菓舗」二代目、代表の神村佳孝さん
洋輔:では続いて、鳳真さんの方からいきますね。

神村製菓舗
「お好み焼き かみむら」を継いだ次男の神村鳳真さん
鳳真さん:僕はやっぱりこうやって働いてみて、家族の大切さだったり、あと来てくれるお客様がうちを愛してくれてるなっていうのをすごく感じて。自分もそういう愛される店っていうのを作りたいなと思って、必死に楽しんで(働いて)、お客様を楽しませれるようなお店を作っていきたいと思うので、ぜひ来てもらって、楽しんで帰ってもらえるように。お子様からおじいちゃんおばあちゃんまで、みんなで仲良くなれるお店を目指していくので、これからも引き続き来てくれるとありがたいです。

洋輔:鳳真さんは「お好み焼き かみむら」をやっていくということですよね。

鳳真さん:そうですね。(「お好み焼き かみむら」を営んでいた)おばあちゃんがつい最近死んじゃったんですよ。だから、より一層、僕は気持ちを強く持って引き継いでいくっていうか、後世に残していきたいなっていうのは思ってます。

洋輔:そうですね。この場所を本当に守っていく、家族みんなで守っていくと。
最後、興輝さん、いきましょうか。

神村製菓舗
「神村製菓舗」3代目の神村興輝さん
興輝さん:よくなんか、インスタグラムとかでも「3代目(予定)」とかって、「笑」マークみたいなのをつけて言ってますけども、祖父から父から自分って、なれるように、3代目の後ろについてる(予定)が取れるように日々勉強していきたいと思いますし、期待以上っていうのをやっぱりお客様にお届けできるように頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします。

洋輔:はい、ぜひ皆さんインスタグラムで応援してあげてください。そしてもちろん来て食べてもらって和菓子を買っていただいて、さらにお好み焼きも食べて。お好み焼き屋さんは金曜日と土曜日(の営業)です。金・土で来てください。ぜひ。
今日は皆さん、本当にありがとうございました。

佳孝さん、興輝さん、鳳真さん:どうもありがとうございました。

神村製菓舗
左から浜松いわた信用金庫の髙橋香月さん、次男の神村鳳真さん、代表の神村佳孝さん、長男の神村興輝さん、洋輔
<スタジオ>

洋輔:いや、本当に素敵なファミリーで、家族みんなで事業を守っているって感じがして。長男の興輝さんなんですけど取材中にお店のいいところは未来につなぎつつ、その他はその時代のニーズに合わせたものもやっていって、100年以上を目指していきたいって、話していたのが結構印象的で。すごい力強い言葉ですし、多分佳孝さんも隣で聞いてて安心したと同時に(後継ぎができたことで)張り合いもあったということなんで、これからね、「神村製菓舗」がもう楽しみだし、もちろん隣の「お好み焼き かみむら」も一緒に応援していきたいなと思いましたね。

未来に残したい静岡グルメ遺産、今年13回目は、浜松市中央区富塚町にある「神村製菓舗」さんをご紹介しました。

<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881

DATA

■神村製菓舗

住所:静岡県浜松市中央区富塚町1880
TEL:053-471-3057

神村製菓舗Instagram

洋輔:10月から3ケ月間お送りしてきたこちらのコーナーは今日で最終回ということで、取材をしてね、今年で3年目になるんですけども、今年も本当にさまざまなお店に行かせていただいて、まず一つ、すっごい新しい発見というか、いろんなところに、いいお店っていっぱいあるんだなっていうことを僕は実感したのと、影島ちゃんも(取材に)行ったけど、どうだった?

影島アナ:そうなんです。私も2店舗(取材に)行かせてもらったんですけど、お店の方と担当の金融機関の方とか商工会議所の方がすごく仲が良くて、お店を未来につないでいくために、同じ方向を向いて頑張ってらっしゃるのがすごく素敵だなって、びっくりしました。

洋輔:家族でやっているお店もたくさんあったんですけど、金融機関の方とか商工会議所の方も合わせてファミリーになって、みんなで一つのものを作ろうっていうのと、僕がやっぱり印象的だったのが皆さん未来をみて、こういうふうにしたい、こういうふうにしたいんだっていう思いがすごく強かったから。なんかね僕本当に取材をしててどんどん応援していきたいなっていうのが本当に僕の感想。

影島アナ:「困ったらまずは相談」って言ってる方も多かったですね。

洋輔:そうそうそう。でもなんか目がキラキラしてたのがとっても印象的だった。今まで取材したお店については、実際に食べに行ったりとか買いに行くことが一番の応援になると思うんで、ぜひ応援してあげてください。
以上、未来に残したい静岡グルメ遺産のコーナーでした。