[毎週土曜日]朝7:30~11:00 ※コーナーは10:00〜
パーソナリティ 洋輔・影島亜美
番組はこちらからお聴き頂けます。
「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は県内の金融機関や商工会議所の協力で後継者を募集しているお店、親族内や第三者に経営を引き継いだお店、そしてこれから引き継ぐ予定のお店などを取材していきます。
11回目は、河津町梨本にあります「七滝茶屋」へ取材に行ってきた様子をお届けしていきます。河津七滝ループ橋ってあるじゃないすか、あの下を通ってすぐのところですよね。
少し進んでいくと見えるのが、「わさび丼の聖地 河津七滝温泉」の垂れ幕があって、そこから少し進むとすぐに「七滝茶屋」の大きな看板が見えて。和のテイストで広がる店内にテーブル席とあと座敷もあって、一人で行ってもいいし、複数人でも大人数で行っても大丈夫なぐらいの場所で。ガラスのものが置いてあったりとかね、いろいろ入口の所にガラスの置物もあって、とっても素敵な場所だったんですよ。こちらの「七滝茶屋」ですが、ご家族で迎えてくださいました。
今回お話を聞いたのが、代表の福司康介さん、そして奥様の美希さん、先代の康介さんのお父様の康人さん、そしてその奥様、(康介さんの)お母さん、つや子さんにお話を伺いました。
<七滝茶屋>
康介さん:お店はですね、昭和37年の2月に開業しているので、今年で63年目に入っているかと思いますね。
洋輔:63年。どんなメニューがあるんですか。
康介さん:基本はですね、食事メニューで生わさび付きの蕎麦とか、あと猪鍋っていうのは、昔からうちのお店でやらせていただいてるので、あと父の代からはじまったイチゴのデザートを長年にわたって続けてきておりますので、そちらの方も主力として提供させていただいております。
洋輔:なるほど。お母様にもちょっとお話を伺っていきたいなと思うんですけど、お母さんはもうお店のお手伝いというか、どういうことをされてるんですか。
洋輔:もう腕をブンブン回してるってことですね。笑。
つや子さん:(七滝茶屋は)実家ではあるんですけども、子供が12歳の時から店をやってますので、その成り立ちはね、いろいろなんですけど。
イチゴ作り(農家)に嫁いで、こんなに美味しいイチゴをね、何とかみんなに食べてもらいたいという気持ちで。一番大きなのはクラッシュドストロベリーという、メニューを考え出して。
洋輔:あれ(クラッシュドストロベリー)のメニューを考えたのはお母様。
つや子さん:そうですね。はい。
洋輔:お母さんはお父さんのイチゴ農家に嫁いだっていう形になるんですね。お父さんはイチゴ農家をずっとされてたってこと。
康人さん:農業高校を卒業してから家に入りまして。元々は果樹農家でしたけれども、農協の方でイチゴをやってみないかっていうような話がありまして、その仲間に入れていただいてイチゴ作りを始めました。
康介さん:猪鍋がおすすめです。
洋輔:ぜひちょっと作ってください。よろしくお願いします。
<スタジオ>
洋輔:もともとお母様の実家が「七滝茶屋」でお父様はイチゴ農家で、そういうところからメニューも生まれていったりとか。今ね、お客さんやっぱ海外の観光客の方とか、あと家族やカップル、幅広い年齢層の方が来店されるそうで、七滝を歩いて巡った後に「七滝茶屋」でご飯(を食べる)。もうこれはね、最高だろうなって思って。至福の時ですよ。
個人的に気になったのが「七滝茶屋」の隣に、ガラス工房があるんですけど、そこでは吹きガラス体験ができたりとか。あとね、実は康介さん、地元河津に戻ってくる前にガラスの勉強をされていて、地元に帰ってガラス工房をやりたいっていう強い思いがあって、その「七滝茶屋」の隣にガラス工房が出来上がったと。そこではね、器とかトンボ玉のアクセサリーなんか展示販売もしているので、こちらも気になる方はぜひ。
<七滝茶屋>
康介さん:どうぞ。ちょっとね、歯ごたえがありますよ。やっぱり猪なので。
洋輔:まずはね、猪のお肉をそのままいただきたいと思います。いただきます。
うん、美味しい!猪の肉って。確かに歯ごたえがあって、ちょっと筋肉質な感じがすごくするんですよね。塩味もしっかりあって僕もこのぐらい味がしっかりしてるのが好きですね。
なんかお酒飲みたくなる。野菜もすごい味がしっかり付いてるんで、もう味噌の味がしっかりしてて、これご飯に合いそう。僕、猪のお肉、好きかも。いや、すっごい美味しいわ。
つや子さん:康介にね、(小さい頃)おやつに食べさせるのに、夏はほら、イチゴがなくなるでしょ。(イチゴを)冷凍庫に入れておいて、牛乳とお砂糖でクチュクチュして食べさせたのが最初。
洋輔:このイチゴソースが酸味もあるんですけど甘みもすごく強くて、バニラアイスと、この生クリームにからめるとすごく美味しいですね。
洋輔:猪のお肉って美味しいんだね。本当に美味しかった。(猪鍋は)温まるし。結構濃い目の味付けなんですよ。元々その猟師さんの方が考え出したレシピだから、ちょっと味付け濃い目になってるんだけど。これね、ちょっと薄くしてくださいというリクエストもできるそうです。
あとクラッシュドストロベリーなんですけど、これはお母様が康介さんに何か食べさせてあげたいっていう思いから生まれた素敵なエピソードもあるメニューだから、すごいもうなんか美味しかった。
影島アナ:もう大満喫ですね。筋肉質な猪の肉を食べて、イチゴも食べて。もう、うらやましいです。
洋輔:ここからは、事業承継について康介さんにお話を伺ってきたんですけども、康介さん、お父さんの康人さんから、70歳を区切りに、事業承継をしたいという思いを聞いていたそうでその時に、コロナ禍になっちゃって、補助金申請などの関係ですぐには承継できなかったんですって。数年後の今年1月1日に無事、承継することができたと。
細かい手続きとかは河津町商工会に勤めていらっしゃる康介さんの中学の時の同級生の杉井さんに相談しながら進めていったそうです。
その杉井さんにもちょっとお話を伺いました。
<七滝茶屋>
洋輔:康介さんからどのような質問があったとか覚えてますか。
杉井さん:もう本当にシンプルでして、事業承継をしたいんだよということでしたので、ちょっとそういうところからお話としては入らせていただきました。
杉井さん:正直なところ、言い方は悪いですけど、お父さんが亡くなってからの方が手続きも簡略で、なんていう話は正直したんですが、少しでもお父さんを楽にさせてあげたいよと、お父さんの意向とご自身の前向きな気持ちをなるべく混ぜてお互いが望む方向にですね、導いてあげようと、そういうふうに私は考えて、いろいろ多方面からアドバイスさせていただいたようなそんな感じになります。
洋輔:つなぎたいって考えている人に、何かアドバイスみたいなのがあれば一言いただければなと思うんですけど。
杉井さん:そうですね、商工会という組織は、事業者さんのいろいろな悩みに応えるようなところだと思うので、事業承継に関わらずさまざまなちょっとしたことでも構わないので思ってることをお話していただけるようなそういう組織でありたいなと思ってますので。
今回はたまたま同級生だったっていうのもありますけれども、これが別に同級生じゃなくても先輩であれ、おじいちゃん、おばあちゃんであれ、そこは同じように私は対応しようと常日頃思ってますので、ぜひ使っていただけたら幸いでございます。
洋輔:本当にね、承継のタイミングによって手続きの仕方もちょっと変わってくるっていうのを僕も改めて知って。杉井さんはね、本当にその時その時で、相談者の方のニーズに応えられるように引き出しをたくさん持つように心がけてるっていうのはね、すごく印象的だったんですけど。ちなみに康介さんと杉井さん、同じテニス部ですごい仲良しだから、何かそういうね、友達の関係もありながら、いろいろ相談できるっていうのって何かいいじゃない。安心できるというかね。
最後になるんですけど、代表の康介さんに事業承継してよかったこと、そしてこれから事業承継を考えている方の背中を押してくれるメッセージをいただきました。
<七滝茶屋>
洋輔:事業承継してよかったなって思ったこと、何か実感したことありますか。
康介さん:先ほど杉井さんもおっしゃった通りに、先代が亡くなられたタイミングで贈与って形で承継していくことの方が手続きとしては簡単だろうけど、今承継することによってまだ父親が元気な時点でいろいろ相談できる。僕がやります、全部を受け継ぎます、困った時に相談する人がいますっていうのが一番、承継の中で一番メリットだと思いますね。
手続きが増える分、その後の営業にはやっぱそばに先代がいるっていうのは助けになりますのでね。同じように働いてもらってますけれども、一番いいことだと思いますね。
洋輔:本当おっしゃる通りだし、やっぱ何よりも安心させてあげることができますよね。
康介さん:先代は次ができたという安心と、私は先代に聞くことができる。お互い頼れる間柄になれるんじゃないかと思いますね。
洋輔:親族内承継でもまだまだ悩んでる方はたくさんいらっしゃると思うんですけど何か一言アドバイスをするとしたら康介さん何かありますか。
康介さん:やっぱりね、親が食堂やってるからしょうがない継ぐっていうのではなくて、やっぱりそれを継ぐとどっかで決意した時に、その店をどういうふうにしていくかっていう自分なりのプランとかビジョンを持たなきゃ駄目だと思うんですよ。
私の場合だったら、母と父が作り上げたクラッシュドストロベリーっていうのがとても尊いものだと思うんですね。何もないとこから新しいメニューを作って、それがね、そんな私が4歳の時からですから、もう43年も売れ続けてるっていうのを守りたいなっていう気持ちができたところで、ちょうどその父のね、承継してもらいたいっていうとこが重なったので、受けることができたっていうのがありますから。やっぱどうしていきたいっていうのを持たないと。ただ親がやってたからやるっていうんじゃなくて、そういう決意を持って何かビジョンを作っていけたら、その承継に意味が出てくるんじゃないかと思いますね。
洋輔:その後、ちゃんと行動して、引き継いでっていうところですよね。
最後になりますけども、ラジオをお聴きの皆さんに「七滝茶屋」からメッセージをお願いいたします。
康介さん:両親がつないできたこのお店を色あせさせることなく、私達新しい夫婦の色も加えつつ、いろんなお客様にね、お応えできるようなサービスをしていきたいと思いますので、ぜひね、七滝の自然を見ながら、うちでスイーツなり、お食事などをしていただければと思います。
<スタジオ>
洋輔:いや本当にね、素敵な場所でね。
影島アナ:すごく、あたたかかったですね。皆さん。
洋輔:康介さんもいろんな経験をして、それを持ち帰ってきて、つなげていくっていう思いがね、すごい素敵だなと思って。僕もね、感動しながらお話を聞いたんですけど。
お母さんのつや子さんも、いろいろアドバイスをくれていて、それぞれの時代も背負いながらだけど、自分が思うようにやるといいよっていう話をされてて。自分たちも思うようにやってこういうクラッシュドストロベリーが生まれたからっていう話をしてたのが結構印象的で。
承継の形って、親子だけではなくって本当にさまざまな思いなんかもたくさんあるんだなと。どんな形であれ、継ぐと決意した時に自分なりのビジョン、未来と、ここまでの時間をつないできたお店にしっかりリスペクトを持つことが大事だっていうのを改めて感じたんですよ。
そしてなんか七滝ってちょっと夏というイメージが僕はあったんですけど、猪鍋を食べてから冬にぐるっと七滝をまわって、冷え切った体であの猪鍋を食べたいと。そこで温まった後にクラッシュドストロベリーで冷ます。で、整うと。
影島アナ:いい、いい。いいコースですね!サウナみたい。
洋輔:冬の七滝も行きたいなと思いましたけども。思いをつなげていってほしいです。我々も応援していきましょうね。
未来に残したい静岡グルメ遺産、今年11回目は、河津町梨本にあります「七滝茶屋」さんをご紹介しました。
<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881