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未来に残したい 静岡グルメ遺産

[毎週土曜日]朝7:30~11:00 ※コーナーは10:00〜

パーソナリティ 洋輔・影島亜美

洋輔
未来に残したい静岡グルメ遺産 SATURDAY View→N
2024.12.7(土)放送 献上菓舗 大竹屋(菊川市半済)

親と子、それぞれを尊重し、認め合うことが大切。
百年続く和菓子店が店舗改装を機に承継をスタート。【親族内承継】

番組はこちらからお聴き頂けます。

「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は県内の金融機関や商工会議所の協力で後継者を募集しているお店、親族内や第三者に経営を引き継いだお店、そしてこれから引き継ぐ予定のお店などを取材していきます。

10回目は菊川市、東名菊川インターから車で北に5分ほどのところにあります「献上菓舗 大竹屋」に取材に行ってきました。
車を走らせながら見えてきたのが「大竹屋」って書かれた大きな看板。最近リニューアルしたそうで、綺麗な店内のガラスケースに和菓子がずらっと並んでいてね。もうなんかわくわくするようなお店だったんですよ。
今回は大竹屋3代目の大竹 秀一郎さん、そして息子さんで4代目の諒さんにお話を伺いました。まずはお店について教えていただきました。



<大竹屋>

大竹屋
左から、4代目の大竹諒 さん、洋輔、 3代目の大竹秀一郎 さん
洋輔:まずどのようなお店でいつからスタートしたんですか。

大竹 秀一郎さん:1912年に初代がここに和菓子屋を建てまして、それから半世紀以上。

洋輔:1912年だから100年以上続く、老舗の和菓子屋さん!「献上菓舗 」、これはどういったものなんですか。

秀一郎さん:これはですね、明治神宮に毎年(菓子を)献上してまして、それで与えられた名目です。(明治神宮に)献上してるお菓子屋さんですよ、という感じの名前をいただきました。

大竹屋
洋輔:すごいスタイリッシュなおしゃれな和菓子屋さんだなっていうイメージだったんですけど、こちら最近リニューアルされたんですか。

諒さん:そうですね。ちょうど先月10月末に、リニューアルオープンさせてもらって。30年ぶりのリニューアルだったんで、そこでちょっと僕の色を出すというか、そういう感じでちょっと変わりますよ的な、合図でもあるっていう意味合いも込めて。

洋輔:息子さんの諒さんに継ぐタイミングでリニューアルをしたんですね。

諒さん:ちょうどお店も古くなってきたっていうのもあったんで、タイミング的にもちょうどいいかなっていうところで、やろうかっていう感じで。

大竹屋
左から洋輔、息子の大竹諒 さん、現店主の 大竹秀一郎 さん
<スタジオ>

洋輔:お店の中なんですけど、先代が使っていた打ち菓子の木型が素敵なインテリアとして飾ってあって、大きい鯛の形をした木型とか蓮の形の木型もあったりとか、すごいね、なんか見てるだけでわくわくするような、これで和菓子を作っているんだっていう、わくわくするような感じのお店で「大竹屋」さんの歴史や進化が感じられるとっても素敵な内装だったんですよ。
大竹屋
続いて「大竹屋」のおすすめの商品「かりんとう饅頭」をいただいたんです。 こちらは黒糖饅頭を油で揚げたお菓子で、できたきっかけがまたちょっと面白くて。 かたくなってしまったお饅頭をどうしようかと悩んでいた時に、秀一郎さんが「ちょっと揚げてみよう」って思いたってできた商品なんですって。皆さんぜひこのかりんとう饅頭の音に注目してください。

<大竹屋>

大竹屋
看板商品の「かりんとう饅頭」
洋輔:かりんとう饅頭をご用意いただきました。お皿の上にお饅頭がのっているけどコロンと丸くてとってもかわいいです。(コツコツとかりんとう饅頭をお皿にぶつける音)ちょっとこれわかるかな聞こえます。すごい固そう。思いきってかぶりついてみたいと思います。いただきます。美味しい!なんですかこのまわりのサクサク感。すっごい美味しい!

大竹屋
秀一郎さん:このカリカリ感が売りなんです。

洋輔:このかりんとう饅頭を作る時のこだわりみたいのはあるんですか。

秀一郎さん:やっぱりあんこ。本当にうちは昔から自家製あんでやってて。それも一番いい砂糖、鬼ザラ糖っていうお砂糖で練り上げてますので。あとは皮の黒糖も沖縄産の黒糖を使って、米油で揚げてます。(米油で揚げると)酸化しづらいって言われてるもんですからね。

洋輔:素材にこだわって、中のあんこ、こしあんが滑らか。カリカリと滑らかなあんとのコントラストがすごくて、ちょっとたくさん食べられそう。

<スタジオ>

洋輔:本当にね、美味しくて。あんこも滑らかで、もったり感もあるから、少し口の中に甘さが残る感じで、また口に入れるとサクってまた違う食感がくるから。

高田アナ:すごい良い音でしたよね。饅頭とは思えないほどでした。

洋輔:びっくりするぐらいサクサクで美味しかった。もう本当におすすめです。
「大竹屋」さんなんですけど、現時点では秀一郎さんが代表ではあるんですが、今後、具体的な手続きなどもして、諒さんに親族内承継をしていくところなんですよ。
親族内承継、そしてお店を改装するきっかけも聞いてみました。

<大竹屋>

洋輔:息子さんにつないでいくっていうのを意識しはじめたきっかけって何かあるんですか。

秀一郎さん:そうですね、やっぱり(自分がはじめて)30年経って、ちょっとなかなか古ぼけてきたし、息子の考えと私の考えっていうのがまた全然違うもんですから。その中でやっぱり息子もこうやりたいっていうものがあっただろうけど、なかなか前の店だと、私の色が出てるから、なかなかできないだろうと。で、話をしてみたんですよ。「改装しないか」ってね。
全部お前にまかせるから。お金の面も、この中(店)の面も、銀行と話をしてみなと。
(諒さんが)わかんないけど、どうするこうするって(銀行に)聞いてきた。いいよ、全部お前やってみろって、もう全部お前が好きなようにやればね、お前の店だから。自分がやりたいようにやればやっぱやる気も出るだろうし、それが一番、お店の方にもいい影響を与えるからっていうことでやってみなっていって。

洋輔:諒さん、いかがですか。全部やってみなって言われた時って、プレッシャーには感じなかったですか。

諒さん:プレッシャーはもちろんありました。改装したからといって利益が上がる保証もないじゃないですか。なんか悪くなっちゃう可能性もなくもないっていうところの不安とかプレッシャーとかも結構あって。ただデザイナーさんを紹介してもらってこういうのが今流行りだよとか、そういうのも教えてもらってディスプレイとかもいろいろアドバイスをもらって、自分でやれるところはやってみようっていう感じでスタートしたって感じですね。

大竹屋
<スタジオ>

洋輔:諒さんなんですけど、大学の時からもう「大竹屋」さんを継ごうっていう思いはあって、実家のお手伝いをしながら、小田原の和菓子屋さんで修業してたんですって。和菓子業界しか知らないままで「大竹屋」さんに戻るのはちょっと抵抗があるっていうことで、東京で3年間、法人営業の経験を経て「大竹屋」さんに帰ってきたっていうことなんです。
秀一郎さんも作るだけでなく売ること、何かを売っていくことも学んでくれてすごい嬉しいし、すごい大事なことだっていうふうにおっしゃってて。 諒さんが外で経験してきたことはとってもよかったっていうふうに話してたのが、印象的だったんだよね。
今後は秀一郎さんが元気なうちに承継していって、日頃からお付き合いのある島田掛川信用金庫さんに手続きの相談をしていく予定なんですって。
今回、改装も含めて、日々の相談役として「大竹屋」さんに通われている島田掛川信用金庫の鈴木日々和さんにも、お話をちょっと伺いました。

<大竹屋>

鈴木日々和さん:営業にでて2年目なんですけども、まだまだわからないことばかりだったので、ちょっと不手際がたくさんあったと思うんですけども、こういう相談をいただいたからには、ちょっといろんな方面から本部の方からの助言をいただきまして、お話を聞けたかなとは思ってます。

鈴木日々和さん
島田掛川信用金庫の鈴木日々和さん
洋輔:一番初めに「改装します」というか「リニューアルします」ってなった時に諒さんが相談しに行ったって形ですか、それとも元々つながりがあってとか。

諒さん:毎週来てくれてるんで、その中で改装するんだよっていう話になって。そしたら、こういう方がいいよみたいなアドバイスとかもくれたりとかして本当に助かってます。

洋輔:これからも何か心配事とかあったら鈴木さんにいろいろ相談するっていう形になるんですかね。

諒さん:そうですね。結構親身になって相談にのってくれたりするので、なんかわかんないことがあったら聞きたいなと思っていますね。

<スタジオ>

洋輔:鈴木さん、とにかく「大竹屋」さんの和菓子が大好きで、インタビューを鈴木さんにする前に、かりんとう饅頭を普通に食べてたんですよ。多分、鈴木さん自体が一番の(大竹屋さんの)ファンだから。あとね、鈴木さんも「大竹屋」さんもファミリーの一員として受け入れてるような感じで、なんかすごくいいなって、こういった方が近くにいてくれるのは本当に心強いし、これから事業承継とかを考えてる方も、金融機関に行けばこうやって鈴木さんみたいに支えてくれる人がいるので、まず相談に行った方がいいなって改めて僕も傍で見てて思いました。
最後なんですけど、これから事業承継を考えている人に伝えたいこと、そして今後の目標、そしてSBSラジオにもメッセージをいただきました。

<大竹屋>

秀一郎さん:親子は難しいですよ。同じ商売やってればもう難しいですよ。本当にそれはもう感じますよね。私も親父とよくケンカばっかりになっちゃったんで、私の場合はね、自分が親父とケンカした経験があるけど、息子からいろんなことがくると、親父ってこういう気持ちだったんだろうなっていうのがわかる。気を使うし、難しいなっていうのは感じますよね。

洋輔:諒さん、いかがですか。

諒さん:やっぱり親子は難しい。親子だから甘えちゃう部分もあるし、コミュニケーションが足りない部分とかがうちの場合は結構あったりするんで、僕が一方的に父のことを否定するのも、違うなと思うし。もう和菓子作りに関してはもうピカイチなんで、そこも尊重して、こういうのを作りたいっていうんだったら、僕もじゃあやろっかっていう感じで、お互い何か認め合ってやっていくとうまくいくんじゃないのかなっていうふうには感じてますね。

洋輔:これから継いでいくにあたって、何か将来的な夢、展望みたいのはありますか。

諒さん:今まで100年以上、この地でやってきて、父もヒット商品、かりんとう饅頭であったり、僕もなんかそういうのを作りたいなっていうのもありますし、もっとみんなに知ってもらいたい。やっぱ美味しいお菓子をみんなに食べてもらいたいし、何かそれで笑顔になってもらえたらいいなっていうのはすごい思いますね。

洋輔:一番最後になっちゃうけど秀一郎さんはラジオをずっと聞いてくださっているそうなんですけど、何かラジオパーソナリティーにメッセージがあれば。

秀一郎さん:30年以上もSBSラジオを聞いてまして。今一番好きなのが、てっちゃん(「WASABI」パーソナリティー鉄崎幹人)が大好きで。

洋輔:だそうですよ、鉄崎さん!

秀一郎さん:てっちゃんが大好きで、洋輔さんの「30過ぎても」も、全てのラジオ、「IPPO」から、朝から晩まで聞いてますので、もっと楽しく、みんなを元気にさせる番組をもっといっぱいいっぱいSBSで作ってもらいたいと思いますのでお願いします。

洋輔:はい、ありがとうございます。そしてぜひ皆さん本当、菊川にきたらこちらの「大竹屋」さんに足を運んでください。
ということで、今日は菊川市半済にあります「献上菓舗 大竹屋」の大竹秀一郎さん、そして諒さんにお話を伺いました。お二人ともありがとうございました。

秀一郎さん・諒さん:ありがとうございました。

大竹屋
左から島田掛川信用金庫の鈴木日々和さん、「大竹屋」大竹諒 さん、洋輔、 大竹秀一郎 さん
<スタジオ>

洋輔:もう本当に素敵なお二人で、最後はSBSラジオがんばってねっていう、応援もいただいたし。やっぱり親子だからこその難しさみたいなのをすごく感じたけど、でも芯の部分で親子だからこそつながってる部分もあるなっていうのをインタビューでうけたの。だから今後、「大竹屋」さんがどうなっていくのか、すごい僕自身が楽しみ。
あとひっきりなしでお客さんが入ってくるんだよ。高校生の子たちとかも入ってきたりとか、本当に地元に愛されてて。ちなみに僕、みたらし団子いただきました。みたらし団子もすごい有名なの。美味しくいただきましたんで。
ぜひ皆さん菊川に行ったら「大竹屋」さんに。もう外装とかもすごい綺麗だから、内装も見に行ったりとかして楽しんでいただければなと思います。
未来に残したい静岡グルメ遺産、今年10回目の今日は、菊川市にあります「献上菓舗 大竹屋」さんをご紹介しました。

<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881

DATA

■献上菓舗 大竹屋

住所:静岡県菊川市半済3135
TEL:0537-35-2339

大竹屋HP