• Twitter
  • Facebook
  • LINE

未来に残したい 静岡グルメ遺産

[毎週土曜日]朝7:30~11:00 ※コーナーは10:00〜

パーソナリティ 洋輔・影島亜美

洋輔
未来に残したい静岡グルメ遺産 SATURDAY View→N
2024.11.23(土)放送 繁乃家(沼津市旭町)

サポートしてくれるプロが近くにいるから不安はない。
事業承継は時間がかかる。早めに専門機関に相談を。【後継者募集中】

番組はこちらからお聴き頂けます。

「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は県内の金融機関や商工会議所の協力で後継者を募集しているお店、親族内や第三者に経営を引き継いだお店、そしてこれから引き継ぐ予定のお店などを取材していきます。

8回目は私、影島が取材に行ってきましたのでその様子をお届けします。
うかがったのは、沼津市旭町にあります「繁乃家」さんです。お話は店主の勝亦邦治さんと晶子さんにうかがいました。
「繁乃家」さんは、沼津の中心街から千本浜の方に向かった先にある鰻屋さんなんですけど、店に入るとすぐに鰻のタレのいい香りがして、鰻を焼いている香ばしい匂いに包まれまして、とっても食欲が増進されました。まずはお店についてお話をお聞きしました。

繁乃家
左から「繁乃家」店主の勝亦邦治さん、影島アナウンサー、勝亦晶子さん
<繁乃家>

影島アナ:早速にお話を伺っていきたいんですけれども、こちらのお店って、創業何年ぐらいになるんですか。

勝亦邦治さん:記録によると、昭和5年ってなってるんだけども、その当時は個人営業で、法人になったのが昭和28年。去年、商工会議所から70周年の記念の表彰を受けたり、法人になって70年。昭和28年だから昭和5年というとそれに23年プラスして、(創業)93年ということらしいです。

繁乃家
左から勝亦晶子さん、勝亦邦治さん、影島アナウンサー
勝亦晶子さん:主人で3代目です。

影島アナ:先代からどんなことを受け継ぎながらこれまでやってきたんですか。

邦治さん:技術的なことはあんまり教えてもらえなかったな。(先代の仕事を)見てみて(覚える)昔のやり方ですよね。見て覚えたことを変えないように、が一番のあれかな。

影島アナ:本当に職人さんですね。

晶子さん:一応、タレはもう伝授されてきてますので。

邦治さん:タレの作り方もね。こういう銘柄の醤油を使って云々っていうのは、教わってきたんだけど、例えば火の入れ方だとか、煮詰め方だとかっていうのは自分で見て覚えて。教えてくれた部分もあるんだけど、先々代が明治の人だから、なかなかそういう仕事に関しては、厳しいところがありましたよね。

<スタジオ>

影島アナ:調理を担当している邦治さんは、まさに職人さんで、鰻は一匹一匹にしっかり個性があるので、焼き具合だったり、蒸す時間とかもその都度その瞬間で判断をしていらっしゃるっていう話をしてくれました。そして奥様の晶子さんは調理場でお手伝いをしながら接客もされているんですけど、お客さんとコミュニケーションをとるように意識してらっしゃって、お客さんからいただいた感想を、邦治さんにしっかり共有するようにしていると言っていました。

洋輔:本当に二人で手を繋ぎ合ってやってきたお店で、70周年って言ってたもんね。お店。すごいよね。

影島アナ:本当にお二人、仲が良くて。微笑ましくてなんか癒される気持ちになりました。
鰻をより美味しく、お客様一人一人に提供するために、家族一丸となって店舗の運営をしているっていうのが伝わってきましたよ。最近だとInstagramにお店の様子を投稿してくれる方もいらっしゃって。それが伝わって新しくお客さんが来るっていうのもあるそうです。

洋輔:それも嬉しいね。

影島アナ:本当にふっくら大きな「鰻重」、最高でした。続いて「繁乃家」と言ったらこれでしょっていう、定番メニューの「鰻重」をいただいてきました。

<繁乃家>

影島アナ:「鰻重」をお持ちいただきました。もう、はー、幸せの香りがします。タレの香りもすごく良くて、最高ですね。いいですか、早速いただいても。
鰻がやわらかくて、脂がのってて美味しい! タレもちょっと味が濃い目なんですね。

繁乃家
定番メニューの「鰻重」
邦治さん:そうですね。

影島アナ:美味しいです。ふわっふわです。香ばしくて香りがすごく良くて。

繁乃家
邦治さん:炭の香りします?よかった。

影島アナ:炭の香りします。最高です!こちらの「鰻重」のこだわりってどんなところにあるんですか。

邦治さん:やっぱりね。炭で焼くところですね。どうしてもね、鰻っていうのは小骨が多くて、小さい骨が残るんです。ただそれが炭で焼くと骨が切れるって言って。切れちゃうわけじゃないんだけど、小さい細い骨がね、やわらかくなっちゃうのね。炭の遠赤外線の火力で。

繁乃家
<スタジオ>

洋輔:職人さんだね。いやなんか面白いね。ずっと聞いてたかったけど。

影島アナ:そうなんですよ。(鰻の)身が本当にふわっふわで。鰻って結構小骨が気になるかもしれないんですけど、全く気にならなくて、もう本当にとけました。鰻に溺れました。

洋輔:いや、美味しそうだったね、本当に。

影島アナ:そうなんですね。タレにも本当にこだわりがありまして、先々代から繋いできた甘口のタレ、これが鰻とよく絡んで、ご飯とも絡んで、とっても美味しかったです。

洋輔:ずっと継ぎ足されてきたそういうタレっていうのいいね。

影島アナ:そうなんですよね。タレ多めだったりとか、少なめだったりとか、お客さんの細かいオーダーにも応えてくれるということでしたよ。

洋輔:それも嬉しいですね。

影島アナ:あとは、お米の硬さもタレとの絡み具合にかかわってくるので、すごく大事だと言ってました。

洋輔:お米はご主人が炊いているの?

影島アナ:ご飯の担当は奥様の晶子さん。

洋輔:なるほど。またここも協力してて素敵なお店だね。

影島アナ:晶子さんが「お米どうですか」ってたくさん私にも聞いてきてくれて、嬉しかったです。
ここからは「繁乃家」の事業承継についてもお話を伺いました。最近、事業承継を考え始めたということで、そのきっかけを伺いました。

<繁乃家>

邦治さん:子供が三人いるんだけど女の子で。もう嫁に出ちゃってる子もいる状況で、後を継いでくるのかな‥。でもなかなかね後を継ぐっていうのは、難しいんですよ。 女の子だけっていうので「婿さんとって跡継ぎ作ったら」ってお客さんの方から出てきたりして。そういうのを考えないことはなかったんだけど、でもなかなか、結婚の話になってくると、親がそう思ってるから子供にそのままおしつけるなんていうのは、ちょっとねっていう部分。本当にね、「この先どうするの」とか、そういうことをお客さんから聞く機会が、ちょこちょこあったりして。私が病気をしたりして、私も若くないからな。 昔はあんまりこの事業承継なんていうのはそんなにはなかったことですよね。そういうお話を銀行さんの方から聞いたりしてて。年をとったのと病気をしてちょっと不安になって。不死身じゃないぞという部分ですかね。そんなことでちょっとお話を伺ってみようかなというのがはじまりですね。

繁乃家
事業承継について考え始めたという店主の勝亦邦治さん
影島アナ:本当に精力的に、調理場にたっていらっしゃいますけれども、本当にいろんなポイントがあって、考え始めたんですね。

<スタジオ>

影島アナ:不安なことはありますかって私が伺うと、「何もわからないから逆に不安はない。その都度その都度、沼津信用金庫だったりとか、事業承継引き継ぎ支援センターの担当の方にアドバイスをもらいながら進めていて、信頼している方だから心配もないよ」とおっしゃっていました。それだけ信頼できるパートナーが近くにいるっていうのは心強いですよ。

洋輔:本当に心強いし、店主の邦治さんの話を聞いた時に、家族とかいろんな環境がある中で、病気をして自分が不死身じゃないということに気がついたっていうのは本当にそういったタイミングで。尚且つ、こういう(事業承継)支援が元々はそんなになかったけど事業承継引き継ぎ支援センターみたいのができたっていうのをわかったから聞きに行ってみたっていう。ご本人は不安なことはないって言ってるから、なんかすごいいい形になってほしいなって、僕すごい思っちゃった。

影島アナ:最後にどんな方に「繁乃家」を継いでもらいたいか、そしてラジオを聞いてくれている皆さんへのメッセージをいただきました。

<繁乃家>

邦治さん:まず一番は、味を守ってもらいたいっていうこと。それもある程度の期間で。もうその先はねわかんないことだから最初のうちはね。それが第一だと思うんだけども。あと、どういう人にって言ったら、やっぱり真面目に仕事に取り組んでもらえる方であればいいと思うんですよね。多くは望みませんけど。

影島アナ:調理の経験がある人の方がいいなとか。

邦治さん:そうだね。例えば私がある一定期間、指導をするにしても、話が早いよね。とは思いますけどね。一つ希望はね、あんまり商売がかった仕事をしてもらいたくないなっていうのはあります。本当に利益を追い求めちゃって少しでも安い材料を仕入れれば、利益はその分出ますよね。だけど、こういう飲食店なんていうのは安いものを仕入れると質が落ちるってことだからね。簡単に言うとね。それこそ利益優先の仕事を目指さないでもらいたいっていう。

繁乃家
影島アナ:邦治さんと晶子さんが守ってきたその信念をずっと繋いでくれる方がいいですよね。守ってきたものをちゃんと繋いでくれる。
では最後になるんですけれども、ラジオを聞いている皆さんにメッセージをお願いします。

邦治さん:比較的、常連さんが多いんですけども、最近ネットの反響が多くてですね。 かなり遠方の方もみえられるんですけどね、常連さんを大事にしていくのはもちろんですけども、新規でやって来てくれるお客さんも。やっぱりお客様を大事にするっていうことが一番必要なことじゃないかなと思います。そういう気持ちで元気なうちは続けていきたいと思います。頑張ります。

影島アナ:ありがとうございます。これからも応援してます。

<スタジオ>

影島アナ:事業承継を考えている人に伝えたいこととして、それなりに時間がかかることだなと、いろいろ話を聞いてわかってきたので、少しでも早めに準備をし始めた方がいいと思う。沼津信用金庫や事業承継引き継ぎ支援センターのようにサポートをしてくれる方もいるので、そういう存在がいるんだよっていうことを、どんどん広がってほしいと話をされていました。

洋輔:そうですよね。でも本当に邦治さんも言ってましたけど味を守ってほしいと、それはねもう先々代からずっと繋がってきた味を守ってほしいし、何か地域をすごく大事にされてる方なのかなっていう印象を受けて、常連さんとかお客さんとかを大事にして、その味とか、やってきたことをそのまま繋いでいきたいよっていう気持ち、そういう気持ちを吸い取ってくれるような人が見つかってほしいなっていうね。一緒に働いていろいろ教えてもらうこともできるんでしょ。ぜひ、興味ある方が集まってほしいね。

影島アナ:継ぎ足し継ぎ足しで作ってきた甘いタレが本当に美味しくて美味しくて。これからもずっと残っていってほしいなって思いました。美味しかったです鰻。

洋輔:本当に未来に残したいです。

影島アナ:未来に残したい静岡グルメ遺産、今年8回目は、沼津市旭町にあります「繁乃家」さんをご紹介しました。

<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881

DATA

■繁乃家

住所:静岡県沼津市旭町52
TEL:055-962-0906

繁乃家 instagram