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未来に残したい 静岡グルメ遺産

[毎週土曜日]朝7:30~11:00 ※コーナーは10:00〜

パーソナリティ 洋輔・影島亜美

洋輔
未来に残したい静岡グルメ遺産 SATURDAY View→N
2024.11.9(土)放送 開花亭(静岡市清水区由比町屋原)

不安な時はすぐに相談することが大事。
老舗の桜えび料理店に聞く、親族内承継成功の秘訣

番組はこちらからお聴き頂けます。

「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は県内の金融機関や商工会議所の協力で後継者を募集しているお店、親族内や第三者に経営を引き継いだお店、そしてこれから引き継ぐ予定のお店などを取材していきます。

影島アナ:6回目は、私、影島が取材に行ってきた様子をお届けします。
うかがったのは静岡市清水区由比町屋原にある桜えび料理の「開花亭」です。
まずは代表の望月裕之さんに、お店の歴史などを伺いました。

開花亭
左から「開花亭」代表の望月裕之さん、影島アナ
望月裕之さん:昭和5年からの営業で、昔は温泉で地元のお客様がゆったりと過ごすような場だったんですけれど、新幹線ができて鉱泉がつながらなくなったもんですから、それから旅館という形で営業をやり直して、23年前に建物を改装する機に食事処もできるような形で桜えび料理の「開花亭」という名をつけて営業を始めたっていう形になっております。

影島アナ:先ほど温泉があったっていうお話もありましたけれども、食事処だけじゃないんですね。

望月さん:そうですね。旅館も併設しながら昔から「割烹旅館 西山」ということで営業させてもらっております。

影島アナ:「割烹旅館 西山」は、どんな宿泊プランがあるんですか。

望月さん:一般的に観光のお客様にもご利用いただいていて、東海道を歩くお客様とか、観光で来られるお客様用に桜えび、海産物も用意してのコースと、あと時期によってサッカー大会の合宿所としてもご利用いただいています。

影島アナ:(合宿所とは)贅沢ですよ。

望月さん:二兎を追うことになってしまうんですけれど、いろんなお客様にご利用いただいているということで営業しております。

影島アナ:桜えびを満喫できて、綺麗な駿河湾もここから見られて、お客さん皆さん喜ぶんじゃないですか。

望月さん:そうですね。ちょっと高台だもんですから、そういうところは方言ですけど「せいせい」海が眺められる、なんていうお客様もいらっしゃいますので、喜んでいただいております。

影島アナ:本当にゆったりした贅沢な時間が過ごせますよね。

開花亭
駿河湾を一望するロケーションも魅力
<スタジオ>

洋輔:なるほどね、「開花亭」さんは泊まることもできるんだ。元々温泉があって、東海道を通る方のために桜えびとかを準備していた場所だったってことなんだね。

影島アナ:今ではスポーツ少年団の子たちが泊まりにきたりして、すごく賑やかな雰囲気なんだそうです。「開花亭」は、少し高台にあるんですけど、お店に入ったら大きな窓があるんですよね。そこから駿河湾を一望できて、見晴らしが良くて最高でした。桜えびとかシラスっていうノボリがあって由比のいい雰囲気だなって思って。
1階にお食事スペースがあって、そして2階には60人から80人ほどで大きく使えたり、仕切りをつけて個室にもなるすごく広いスペースがありました。

開花亭
店内
洋輔:すごいね。イベントとかもできそうだね。

影島アナ:そうなんですよ。この「開花亭」は桜えび料理が幅広くいただける食事処で、もう本当にいろんなメニューがあったんですけど、望月さんおすすめのメニューが「桜えびづくし御膳」ということで、とことん桜えびを味わえる贅沢なメニューをもらいました。
その中で、かき揚げと「沖あがり」という料理をいただきました。

開花亭
<開花亭>

開花亭
望月さんおすすめの「桜えびづくし御膳」
影島アナ:じゃあ、かき揚げから。美味しそう。いただきます。 うわーいいですね。お箸で持った瞬間、もうサクっと音がして。いただきます。

望月さん:かき揚げは桜えびだけで(作っている)。風味が一番よろしいかと思います。

影島アナ:桜えびの香ばしい香りも本当に最高ですし、もう甘いですね。 サックサク、塩 美味しい。桜えびの素材の味というか、甘さがまた塩をかけることで引き立ちますよね。

望月さん:そうですね。一番素材が感じられるような。

影島アナ:(箸が)とまらないんですよ。

望月さん:ありがとうございます。そろそろお鍋の方もできておりますね。

影島アナ:すごいですね。卵がふわふわですね。桜えびもしっかりたくさん入っていて。

望月さん:これが「沖あがり」という鍋になっております。

開花亭
由比の郷土料理「沖あがり」
影島アナ:美味しそう。いい香り。お豆腐も中に入ってるんですね。 この「沖あがり」もいただきます。念願です。初めてこの郷土料理の「沖あがり」を食べるので、どんな味がするのか気になります。いただきます。感動的です!美味しい!食べた瞬間、この桜えびにつゆがすごく染みていて、じゅわーって(旨味が)飛び出してきて。

望月さん:これ漁師さんがね、(「沖あがり」を食べて)体を温めているっていうのは本当によくわかるかと思います。

影島アナ:わかります。私、桜えび、ほとんどかき揚げで今まで食べていたんですけど、こういうのもいいですね。

望月さん:そうですね。煮た感じのお味がよろしいかと。

影島アナ:ぷりぷり感が最高です。桜えびの。

<スタジオ>

洋輔:いやー美味しそうね。

影島アナ:かき揚げと桜えびの「沖あがり」をいただいたんですけど、かき揚げは桜えびがサクサクで「沖あがり」はまた全然食感が違ったんですよ。じゅわーってつゆが染みていて。

洋輔:「沖あがり」って聞いたことがなかったんだけど、どういう料理だったの?

影島アナ:「沖あがり」は元々漁師の皆さんが、漁に出て帰ってきて体を温めるために食べていた由比の郷土料理なんですって。

洋輔:「沖あがり」の「沖」って沖合の「沖」だから沖からあがってきた時に食べるっていうこと。なるほど。

影島アナ:本当に鍋料理なので、すごく温かくて体がポカポカになりましたし、スキヤキ風の味つけだったんですよね。ちょっと甘めで卵でとじられていて、すごく美味しかったです。

洋輔:美味しそうだね。「沖あがり」。

影島アナ:そしてあの桜えびのかき揚げは、桜えびの髭と岩塩を混ぜたものをふりかけて、食べたんですけど、桜えびだけで揚げていたので、もう素材をダイレクトに味わえるんです。 美味しかったー。その他にも、お刺身だったりとか茹でた桜えび、あとは桜えびの佃煮など本当に桜えびづくしで、豪華なメニューでした。

洋輔:「桜えびづくし御膳」。

影島アナ:そうなんです。その後、事業承継についてお話を伺ったんですけれども。「開花亭」さん、去年、先代のお母様から望月さんに親族内承継をされたということなんです。 そのきっかけだったりとか、不安だったことについてもお話を聞きました。

<開花亭>

開花亭
左から望月裕之さん、影島アナ
影島アナ:事業承継を考えはじめたきっかけってどんなところだったんですか。

望月さん:23年ほど前に建物を建て直して改装して営業を始めたんですけれど、その間に(市町村)合併があったりとか、由比の方も過疎化っていうんですかね、人口も減ってきているところがありましたもんですから、借入金なんかもあったりとか、営業をこの先どうしていったらいいのかなっていうことで、ちょっと悩んでいたところがありまして、商工会さんにちょっと相談を持ちかけたっていうことが事業承継の話になりますけど。

影島アナ:この親族内承継をするにあたって、これが不安だったとか、あとは困ったこととか何かあったんですか。

望月さん:借入金の話もそうですし、自分がそれを承継して、このまま店を守っていけるのかとか、そういうこともまだ若い、若いって言ってももう50ですけれど、どうなのかなっていうと、ちょっと疑問に思ったもんですら、相談させてもらいました。
がむしゃらに自分は店を建て直したもんですから、がむしゃらに走ってきたところはあるんですけれど、ちょっと一歩、ゆっくり考えてみたいかなと思ったもんですから、そういうところでちょうど商工会に従兄弟がいるもんですから、そんな話をしてみたら、一回先生と相談してみたらどうっていうことですすめられて、そういう相談をさせてもらいました。

開花亭
<スタジオ>

洋輔:なるほど。本当そういう借入金とかがあったから、ちょっと不安な部分はあったけど相談できる方がいたってことなんだよね。

影島アナ:そうなんです。不安なことをすぐ相談したということでした。

洋輔:なんかちょっと安心というか、なんかやっぱりどうしても一人で考えたりとかさ、もう結論づけられないことってたくさんあるから、わからないこともきっとたくさんあったでしょうし、望月さんも。そんな中で相談できる方がいるのっていいよね。

影島アナ:ありがたいですね。そして最後に親族内承継を検討している方、そしてラジオを聞いている皆さんへのメッセージをもらいました。

<開花亭>

望月さん:私ども23年前に建て直しをするにあたって、個人経営だとちょっと承継していくにも、相続のこととか問題があったもんですから、最初に建物を建てるにも法人化して融資してもらってっていう相談もしてから、改革とか建物のやり直しとかでもできると思うもんですから、法人になっていた方が自分的には安心してできたっていうのもありますので、とりあえず法人にした方がよろしいかとは思いました。

影島アナ:では最後にラジオを聞いている皆さんにメッセージをお願いします。

望月さん:皆さんも何かのきっかけで桜えびと思ったら由比に来ていただきたいと思います。地元の人は一生懸命、地場産品を活性化させていくことを目指してやっておりますので、皆さんも田舎にたまに来てもらって桜えびを食べていただけたらなと思います。

影島アナ:本当に特産品の美味しい桜えびを使った料理が幅広くいただけて、すごく楽しかったです、私も。ありがとうございます。

望月さん:ありがとうございます。

<スタジオ>

洋輔:なるほどね。「法人にするのがいいと思います」と望月さんも言ってましたけど、いろんなシステムとかが変わってきたりとか、更新されていくから、そういうとこにアンテナを広げるためには、まず相談することと、あと何が一番最適かというアドバイスをいろんな人からもらうのも大事なんだよね。本当にね。

影島アナ:そうですね。望月さん、お店への思いが思いがすごくあって、「由比といったら桜エビ、桜エビと言ったら開花亭」っていうのを、何度もおっしゃってまして。
本当に地場産品を広めようって頑張ってらっしゃるなっていうのを感じました。

洋輔:さっきもおっしゃってましたけど望月さんはもうがむしゃらにやってきたから、このままこうやって桜えびを通して由比を広めて、もちろん桜えびも一緒に広めてっていうのをやりたいってことだから、我々番組でも応援していきましょうね。

影島アナ:本当に応援していきたいです。すごく美味しかったです。

未来に残したい静岡グルメ遺産、今年6回目の今日は静岡市清水区由比町屋原にあります、桜えび料理の「開花亭」をご紹介しました。

<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881

DATA

■開花亭

住所:静岡県静岡市清水区由比町屋原608
TEL:054-375-3055

開花亭 HP