今年も去年に引き続き始まりました「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は県内の金融機関や商工会議所の協力で後継者を募集しているお店、親族内や第三者に経営を引き継いだお店、そしてこれから引き継ぐ予定のお店などを取材していきます。
2回目の今日は、千頭駅のすぐ近くにある「cafeうえまる」に行ってきました。
まずはお店について、山本敦子さんにお話を伺ったのでこちらをお聞きください。
<cafeうえまる>
川根本町、千頭駅の近くにある「cafeうえまる」
左から山本敦子さん、洋輔
洋輔:早速、詳しいお話を山本敦子さんに伺っていきたいと思います。
山本さんよろしくお願いします。
山本敦子さん:よろしくお願いします。
洋輔:「cafeうえまる」さんの名前はどこからきているんですか。
敦子さん:「cafeうえまる」の「うえ」は向上心や、いつも上向きに前向きにということと、あと「まる」っていうのはお客様や地元の方々との和を大切にしようという思いを込めて、この「cafeうえまる」という店の名前にしました。
洋輔:どなたかの名前からではなく、イメージから「うえまる」っていうふうにつけたんですね。どんなメニューがあって、どういうもので有名なのか教えてください。
敦子さん:皆様が召し上がってくださる「ダムカレー」があります。
洋輔:ダムカレーはどういったものですか。
敦子さん:この大井川筋にはいくつもダムがあるんですが、その中の長島ダムと大井川ダムと塩郷ダムをイメージしたカレーを提供させていただいています。
<スタジオ>
洋輔:「cafeうえまる」さんはカフェ以外にも農業と菓子製造業をやっているんですけど、農業は主に、川根茶とかブルーベリー、あとは四季折々の野菜を育てているそうで、あんまりイメージがなかったんですけど、川根茶とブルーベリーは寒暖差や標高が似た栽培環境を好むそうで、川根本町で育てるにはいいんですって。川根茶はね、すごい有名だし。実はわれわれ今、「cafeうえまる」さんからいただいた川根茶をいただきながら、この放送にのぞんでおります。美味しいよね。
影島アナ:川根茶、美味しい。わあ、ほっこり。
洋輔:やっぱ地元で作ったものを美味しく食べてもらいたいっていう敦子さんのすごい強い思いがあって、このブルーベリー、自分のところで作ったブルーベリーのジャムとか、あとチーズケーキ、焼き菓子なんかも作っていて、お土産にもおすすめなんですって。ちなみに僕もハチミツとブルーベリージャムを買って、朝ちょっと(お湯で)溶かして飲んでます。
影島アナ:最高じゃないですか。
洋輔:そうそう、溶かして飲みながら毎日過ごしております。
さっき、ちょっと出てましたけどダムカレーっていうのもあるのでそのあたりのことを詳しく。おすすめメニューをいただきました。
<cafeうえまる>
敦子さん:お待たせしました。
店の看板メニュー「長島ダムカレー」
洋輔:すごい、こちらが長島ダムカレーでいいですよね。
敦子さん:はいそうです。長島ダムカレーになります。
洋輔:ダムになってますよ、これすごい。真ん中にご飯が敷き詰められていて、ちょうどそこがわかれるようになってて、僕から見て右側にカレーとベーコン、そして卵がのってる状態。そして左側には地元の野菜とエビフライがのっかってますけど、これ改めて山本さんの方からちょっと説明していただいてもいいですか。
敦子さん:はい。ゆで卵が湖上駅、ベーコンがアプト式鉄道、ご飯がダムの堤体、エビフライがしぶき橋、この福神漬がしぶきになっております。
トッピングされている野菜は川根本町の豊かな自然を表現しているんですが今日は地元のきゅうりと空芯菜。あとイモガラ、ジャガイモなどを使用しています。
洋輔:これ崩すのもったいない。
敦子さん:ぜひご飯をかき分けて放流しながら召し上がっていただきたいです。
洋輔:なるほど、ご飯をかき分けて放流しながら、ちょっとだけ放流しますね。ちょうど真ん中あたりで放流しながら、うわーすごい。ルーの味をいただきたいなと思います。
美味しい。辛すぎず、甘すぎず、後からすごいピリッとくるわ。
具材もたくさん入ってるから、いろんな具材と混ぜながら食べるのがまず楽しいし、
具材を邪魔しないカレーの味になってますね。
<スタジオ>
洋輔:この長島ダムカレーをいただいたんですけども、キャンプをテーマにした漫画「ゆるキャン」の中にも登場したことがきっかけでファンの方がすごい大注目のカレー。
具材が本当にたくさんあって、カレーのルーの味もすごいマイルドで美味しくて。ちょっと奥にピリッと辛さがあって、混ぜれば混ぜるほどいろんな味が楽しめる。
漫画「ゆるキャン」にも登場した「ダムカレー」
影島アナ:(長島ダムカレーの)写真を拝見しているんですけど、すごいですね。盛りだくさんで、ご飯があってカレーがあってベーコンがあってエビフライがのって卵焼きがのって盛りだくさん。夢のようなカレーですよね。
洋輔:野菜も本当にこだわってて、野菜一つ一つも全部美味しかった。トマトもあるし。「ゆるキャン」に登場したからファンの方が聖地巡礼で巡ってくる方が多いんだって。それで他のダムもイメージしたダムカレーとかもあるから。確か大井川ダムだったかな、カレーの中に、ジビエの鹿肉を使った唐揚げっていうのがあって。僕ね正直、ちょっと鹿肉の唐揚げって食べたことがなかったからちょっとドキドキしながら食べたんですけど、美味しかったの。ちょっと竜田揚風で、ちゃんと下味もついてるから、歯ごたえがすごいんだよね、鹿肉だから。しっかりともう肉って感じの歯ごたえだけど、味もほんのり甘さもあるからすごい美味しくて。鹿肉の唐揚げだけ食べに行きたいって思うぐらい。それだけでもすごい満足感がある。
ジビエを使った鹿肉の唐揚げ
影島アナ:いいですね。地のものをたくさんいただけるのって嬉しいですよね。
洋輔:本当に川根本町の地のものをたくさんいただいて、川根本町への愛がすごい詰まってるカフェだなと思いました。
そして次は「cafeうえまる」さんの事業承継についても伺ってきたんですけども、現在山本さんのお母様が代表を務められていて、ゆくゆくは親族内承継をしていく予定なんですが、今のところは役場や商工会の方に親族内承継について相談してはいないそうなんですね。ただ、いろんな事業をしていて、両親の協力も大きいということなので、これからも今と同じように事業を続けていけるのかなと漠然とした不安を抱えているそうです。そんな中、正直に今思ってることを話していただきました。
<cafeうえまる>
洋輔:事業承継とかで悩んでる方って、リスナーさんとかでもたくさんいらっしゃると思うんですけど、何かそんな人に一言声をかけるとしたらどんなことを言いたいですか。
「地元の方々との繋がりを大切にしたい」と話す敦子さん
敦子さん:そこなんですよね。そこについて考えていたんですけど‥。
洋輔:素直な気持ちで全然いいと思います。
敦子さん:そんなアドバイスするとかね、そういったものは特にはないんですけれども、母も私も好きなことを仕事にできているなっていうのは感じているんですね。例えばここの川根本町には豊かな自然が生み出す食材がたくさんあってそれを形にしていくことが楽しくて、それらはダムカレーになったり、お菓子になったり、ジャムになったりするんですけれども、そういったものをたくさんの方に召し上がってもらったりとか、接客をしている中でいろいろな方との繋がりが面白かったりとか、そういったお客様とか地元の方々との繋がりをこれからも大事にしていけたらいいなと思っています。
<スタジオ>
洋輔:敦子さん、本当に地元愛が強くてね、いろんな食材とかも知ってる人から、周りの方々からも取り寄せてというか、買って使っているみたいな感じだったんで、この後、代表を務めていらっしゃるお母さんのまり子さんにもお話を伺うことができたので、そちらもお聞きください。
<cafeうえまる>
事業承継について考えを巡らせているという、代表のまり子さん
まり子さん:まだね、仕事はできるって思うんですよね。だけど体力的にね、どこまで自分ができるのかなっていうことをちょっと思うんですね。なので、それは自然に私の体が、「もう敦子さんに渡してやってやった方がいいよ」っていう形になってるのかな、なんて思ってるんです。
洋輔:そこに関して、「敦子さんとちょっと頼むよ」とかそういう話みたいなのってしたことあるんですか。
まり子さん:あんまりしたことないですね。仕事自体はね、とても面白いのでお客様相手の商売ってずっと生まれたときからそういう仕事だし、商売の中で生きてきたので、そういう意味ではまだできるかなと思うんですけども、やはり自分の時間を大切にしたいっていう気持ちはすごくあります。
洋輔:本当にまり子さんも敦子さんも2人ともこの川根本町への愛がすごく強いっていうのを感じるので、それを繋いで守っていってほしいなって僕も思ってるんですけど、手続き的なこととかって出てきちゃうじゃないですか。そういうのはどうお考えですか。
まり子さん:手続き的なことはね、実を言うと私70になったんですね。
洋輔:全然(70に)見えないけど。
まり子さん:70になって以前はそう(引き継ぎは)そのくらいなのかななんて思ってたんですけども、まだ「cafeうえまる」自体は投資をすることがすごく多いんですよ。
「cafeうえまる」自体も購入しましたし、こういった食券機を購入し、購入というか、リースで借りたり投資がすごく多いのでね、もう少し私が手伝っていかないとっていう‥。
左から山本敦子さん、まり子さん、洋輔
洋輔:そういうのわかります。事業承継する側の方って、渡すと負担になっちゃうというか、心配みたいなのが、借金、はっきり言っちゃうと借金とかの心配をそのまま承継する方に渡すわけじゃないですか、その辺の心配もすごいあるということですね。
まり子さん:そうですね。どういう形が一番いいのかっていうことはずっと考えてきたんですけど自然の形でね。例えばそういったのはある程度落ち着いてきた時がそういう時なのかななんて思ったりもしてたんです。絶対限りがあると思います。楽しみながら今もね、楽しみながらやってるんです。いろんなお客様がいらっしゃるので、世界から日本からいろんな話聞けるので、そういう部分では楽しいですね。
洋輔:素晴らしいと思います。この番組でも「cafeうえまる」さんを応援してますんで、お二人とも力を合わせて頑張ってくださいね。
まり子さん:はい。今後ともよろしくお願いいたします。
敦子さん:よろしくお願いします。
洋輔:ありがとうございました。
左から洋輔、まり子さん、敦子さん
<スタジオ>
洋輔:今回は承継される側、これから繋いでいきたいよねっていうので、手続き的なことは全然まだまだやってないんだけども、もう意識はあるけど、その話をちゃんとしたことがないお2人にいろいろお話を聞いて、僕自身もすごい勉強になった部分があって。
影島アナ:本音を話す機会に今回なったかもしれないですね。
洋輔:これをきっかけにいろいろお話を広げてってもらったりとか、この時、役場の人たちもみんな一緒にいたんですけど、どんどんお手伝いしていってほしいなっていうのが僕の理想で。
影島アナ:本当に愛を繋いでほしいです、川根愛。
洋輔:そうなんすよ、(地元への)愛情がすごく深いから、これを繋げるためにどうやって、どういう決断を今後敦子さんもまり子さんもしていくのかっていうのは僕自身も楽しみですし、思いだけじゃどうにもならない部分っていうのが事業承継には絶対にあるので、いろんな方々に助けてもらいながら、相談しながら解決していかなきゃいけないんだなっていうのを改めて、「cafeうえまる」さんにお話を聞いた時に僕自身も感じたことなんですよね。「ゆるキャン」の聖地巡礼のスポットにもなってるんで今後もきっと盛り上がっていくんじゃないかなと思って。
影島アナ:「cafeうえまる」遊びに行きたいです。川根本町観光したい。
洋輔:長島ダムカレー、ぜひ食べてください。でも大井川ダムカレーもね、捨てがたい、本当に。
影島アナ:食べ比べしてみたい。夢が広がります。
洋輔:食べ比べしてみてください。
ということで、未来に残したい静岡グルメ遺産、今年2回目の今日は、川根本町千頭にある「cafeうえまる」さんをご紹介しました。
<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881
DATA
■cafeうえまる
住所: 静岡県川根本町千頭1215-12
TEL:080-1620-0358
cafeうえまるHP