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未来に残したい 静岡グルメ遺産

[毎週土曜日]朝7:30~11:00 ※コーナーは10:00〜

パーソナリティ 洋輔・影島亜美

洋輔
未来に残したい静岡グルメ遺産 SATURDAY View→N
2024.10.5(土)放送 川根本町役場産業振興課・梅野屋(川根本町)

事業承継支援に力を入れている川根本町の取り組みとは?
創業130年の老舗が親族内承継成功の秘訣を伝授【事業承継の成功例】

番組はこちらからお聴き頂けます。

今年も去年に引き続き始まりました「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は県内の金融機関や商工会議所の協力で後継者を募集しているお店、親族内や第三者に経営を引き継いだお店、そしてこれから引き継ぐ予定のお店などを取材していきます。

一回目の今日は川根本町に取材に行ってきた様子をお送りします。

 川根本町役場産業振興課
左から洋輔、川根本町役場産業振興課商工業室の井林さん

川根本町は事業承継支援にかなり力を入れてるそうなんですね。
まずは上長尾にある川根本町役場で事業承継支援の取り組みについてお話を伺ってきました。

洋輔:川根本町役場産業振興課商工業室の井林三怜さんにお話を伺いたいと思います。
井林さんよろしくお願いします。

井林さん:よろしくお願いします。

洋輔:川根本町と川根本町商工会で、町内の事業所の事業承継支援を優先度の高い事業として取り組まれていると聞いたんですが、これは何かきっかけがあってそのようになってるんですか。

井林さん:はい。役場と川根本町商工会でよく町の商工業について情報交換とか情報共有とかよくしてるんですけど、その中で川根本町商工会から事業承継の相談会をやってるんだけど、来る人が少ないよっていう話を聞いて。
でももっと多くの事業所さんが悩んでいるはずだから一緒に事業承継の支援にちょっと本腰を入れようという話になって、それがきっかけです。

洋輔:実際にどのように事業承継に取り組まれていったんですか。

井林さん:静岡県事業承継引き継ぎ支援センターとも相談して町内の全事業所さんに事業承継診断をして、支援に繋げていこうっていうふうに考えました。まずは診断結果をもとにして多くの事業所さんに相談会へ来てもらうのがいいんじゃないかっていう話になりました。

洋輔:どんな感じで診断したんですか。

井林さん:事業所の方が回答しやすいようにアンケート形式の診断シートにしました。継いでくれそうな人はいるか、とか相談したいこと等などを尋ねる内容のアンケートにしました。

洋輔:今そのアンケートが手元にあるんですけども。「はい・いいえ、で答えてください。」とても答えやすいというか、これすごい大事だなと思う質問も僕の中に入っていて、
「継いでくれそうな方に後を継いで欲しい気持ちをしっかりと伝えていますか」改めて聞かれないと多分みんな何となくわかってるでしょ、みたいな人がたくさんいらっしゃる気がするんすけど、そういう方多かったですか。

井林さん:そうですね。特に親族内承継の親子での承継だと、息子さんや娘さんが継ぐのが当たり前となっていてしっかりと気持ちを伝えてないっていう方も多くいらっしゃいました。

<スタジオ>
本当に伝えられているようで伝えられてないことがたくさんある中でアンケートという形でしっかり考えるきっかけを作ったこの川根本町役場の取り組みなんですけど、そこから広がっていってその後どうなったのかも聞いてきました。

 川根本町役場産業振興課
左から洋輔、川根本町役場産業振興課商工業室の井林さん
洋輔:全事業所に事業承継診断を実施したということなんですけども何社ぐらいあるんですか。

井林さん:400弱あるので、その全ての事業所にアンケートを送付しました。

洋輔:アンケートを送付したら、全部回収ってできたんですか。

井林さん:アンケートの回収はほとんどが町の職員と商工会の職員が一緒になって、1軒1軒お店を回って、「アンケート答えてください」って言って訪ねていったものがほとんどで、足で稼いだ感じです。

洋輔:顔を見合わせて話し合ったってことなんですね。

井林さん:その通りです。お話を聞きながら、アンケートを回収していきました。

洋輔:川根本町って役場の方々と町の方々が結構近い感じがしますね。

井林さん:そうですね。役場の職員もそうですし、商工会の職員ともすごく近い関係であると思います。

洋輔:素敵ですね。最終的にどのくらいのアンケートが回収できたんですか。

井林さん:7割回収できました。

洋輔:7割でも結構ですよ。アンケートをお願いしますってみんな答えてくれたってことですもんね。

井林さん:そうですね。お店にまわったら事業者さんたちが心よくアンケートに答えてくださいました。

洋輔:いやすごい、なんていうか町全体で盛り上げていこうねっていう感じもしますし、人同士が近い感じもして、すごい素敵な町ですね。この後、井林さんイチオシの食堂「梅野屋」さんに行って取材をしていきたいと思うんですが、この「梅野屋」さんはどんなお店なんですか。

井林さん:川根本町役場の職員も大好きな定食屋さんです。「梅野屋」さんは息子さんへの事業承継が完了しております。

洋輔:息子さんに(事業を)引き継いだ後なんですね。ちなみに何がおすすめですか。

井林さん:「梅野屋」で好きなメニューは焼肉定食。

洋輔:結構ガッツリ食べるんですね。

井林さん:焼肉美味しいですよ。

洋輔:焼肉定食か。他にもいろんな定食があったりとかするんですよね。

井林さん:そうですね。役場の職員もいつも唐揚げだとか、キーマカレーとか本当にいろんな種類があるので。

洋輔:結構飛びましたね。唐揚げからキーマカレーまで幅広いですけど。

井林さん:本当に幅広いメニューがあるので、みんな好きな定食屋さんです。

洋輔:ちょっと楽しみになってきました。ちょっと「梅野屋」さんに行っていろいろお話を伺っていきたいと思います。井林さん、ありがとうございます。

井林さん:ありがとうございました。

<スタジオ>
川根本町の全事業者に事業承継診断アンケートを渡して、戻ってきたっていう取り組みが本当に有意義なものになったんじゃないかなっていう感じがしたんですけど。
あと「事業承継の準備をしている」という質問に、まだしてないですよって答えた方が多くいて、今後はそういう方向けにセミナーとかをどんどん実施していくんですって。

本当に川根本町がすごく(事業承継支援に)力を入れてて、川根本町自体もワーケーション(バケーションと仕事が一緒になったもの)の場所としてもすごい注目されていて、ITの授業とかもどんどん発展してるんですって。これから癒されながら仕事ができる場所として注目されてるし、そうやって事業を承継していくのも応援してるよっていう場所なんだということがわかったんだよね。

続いて井林さんにおすすめしてもらった梅野屋さんに行ってきました。

<梅野屋>
 梅野屋
洋輔と梅野屋のみなさん。洋輔の右側が渥美真吾さん
 梅野屋
左から洋輔、渥美真吾さん
洋輔:こちら食堂「梅野屋」代表の渥美真吾さんにお話を伺っていきたいと思います。渥美さんよろしくお願いします。

渥美さん:よろしくお願いします。

洋輔:旅館みたいな入口で、今、店内に入ってちょっとテーブルに座っている状態なんですけども、元々食堂みたいな感じだったんですか。

渥美さん:そうですね、旅館みたいって言われたんすけど(昔は)旅館みたいなことをやってたんですけど、人手が不足してて、今、本当に家族で経営してる状態なもんですから。旅館の方はちょっとお休みさせてもらってて、お昼のテイクアウトと夜の宴会とか、郊外のお客さん(の対応)なんかをやらせてもらってます。

洋輔:なるほど。この「梅野屋」さんって名前ってどこからきてるんですか。

渥美さん:うちが今年で創業130年目になるんですけども、僕で5代目なんですけど、初代のおばあさんがこの近くの「うめたが」から、ここに降りてきたらしいんですよね。それで梅をとって梅野屋にしたっていうことらしいです。

洋輔:この「梅野屋」さん、大井川のすぐそばにあるんですが、ここでずっとやられてるんですか。

渥美さん:この場所に越してきたのが50年ぐらい前って聞いています。僕が50歳なんですけどそのあたり。最初は道の向こうの反対側にあったもんですから、そこで営業しててお客さんもたくさんきて、それから(移転して)広くしたっていうことですね。

洋輔:井林さんから川根本町役場の皆さんの社員食堂だって言われてるっていうぐらい、すごい皆さんが(「梅野屋」さんの料理を)食べているっていうのは聞いたんですけど。

渥美さん:ありがとうございます。お昼はそれこそ役場の皆さんにお世話になってて、毎日配達しさせてもらってます。それこそ本当に地元密着で営業させてもらってるんです。

洋輔:地元の方々もたくさんいらっしゃるんですね。

渥美さん:おかげさまで、はい。

<スタジオ>
本当に地元に根づいている「梅野屋」さんの代表渥美真吾さんにお話を、そして歴史も聞いてきたんですけども、この後、とても歴史がある「梅野屋」さんのおすすめメニュー、なんと三ついただいちゃいました。焼肉、カツ丼、そしてチャーハンをいただきました。

<梅野屋>
洋輔:まずちょっと焼肉から食べてもいいですか。いただきますね。焼肉の甘いタレのいい香りがもう漂っていて、いただきます。

 焼肉
自家製のタレを使った焼肉
渥美さん:少しニンニクが効いてますので。

洋輔:焼き具合もいい感じで、玉ねぎも美味しいし、甘辛くて美味しいですね。これはご飯がすすむ。ちょっと懐かしい味もしつつ。これは美味しいわ。タレ、自家製なんですか。

渥美さん:自家製ですね。先代がまだ仕事をしてて、やってくれていますね。(タレも)継ぎ足しで。

洋輔:絶妙なのが甘すぎないんですよね。甘辛いんですけど甘すぎないから、食がすごいすすむ。次はかつ丼をいただきたいと思います。

 かつ丼
絶妙な甘辛い味つけのかつ丼
渥美さん:しっかりめな味付けで、丼つゆも自家製でうちで作ったやつです。

洋輔:美味しい。甘辛いタマネギとお肉が絶妙。味付けはやっぱりしっかりめなんですね。汗かいたりとか疲れた時にすごいいい。ちょっとお酒もすすみそうな感じ。

渥美さん:この上の頭だけ(カツのみ)注文される方もいます。

洋輔:僕ちょっとそっち派かもしれないです。そして続いてチャーハン。本当に中華料理屋さんのチャーハンっていう感じの色をしていて。具材が結構ゴロゴロ入っていて、ナルトとか、チャーシューもすごいゴロゴロ入ってますね。

 チャーハン
具材がゴロゴロ入ったチャーハン
渥美さん:チャーシューも自家製ですね。

洋輔:チャーシュー美味しい。肉肉しい。美味しいこのチャーハンも。このチャーハンと焼肉のセットが僕はおすすめです。

渥美さん:(そういうお客さん)いますよ。

洋輔:やっぱりいるんだ。でもカツ丼もすてがたい。

<スタジオ>
この日たくさんいただいたんですけど、この日、チャーハンがすごく出た日だったんですって。もう渥美さんが手が痛くなるぐらい。ラーメンとチャーハンって(セットの)イメージあるじゃないですか。でもここのチャーハンは本当に味もしっかりしてるし、自家製のチャーシューがすごく美味しくてゴロゴロしてるから、チャーハンだけで、独り立ちしてます。チャーハンだけで食べごたえあるし。焼肉もね、焼肉とチャーハンのセットが僕はおすすめかな。でもカツ丼も捨てがたいなっていうのが本当。欲張りでしたけど。 この「梅野屋」さんなんですけど親族内承継を完了したお店なんですよ。 具体的にどのように承継していったかっていうのも聞いてみたのでこちらお聞きください。

<梅野屋>
洋輔:この「梅野屋」さん、親族内承継をされたっていうことなんですけども、きっかけみたいなのはあったんですか。

渥美さん:4年前に商工会さんの方からそういう相談会があるからっていうことで気軽に来てくれればいいですよって案内されたもんですからね。それで行ってみて、それを家に持ち帰って家族で話し合ったってのが最初ですね。

洋輔:その前までは家族内で例えばお父様と一緒にちょっと継ぐのってみたいな話ってあったんですか。

渥美さん:そういうので全くなかったですよ。なのでね、いい機会だから話してみるっていうことで細かく突っ込んだような話をしたんですよね。

洋輔:どんなお話をされたんですか。

渥美さん:相談した先生が話された内容を話して、そろそろどうですかね、お父さんも高齢になってくると思うのでっていうことで。ちょうど先代が73歳だったもんですから、75歳ぐらいを目処に事業承継できたらいいなっていうことで、それでそんな動きになって本格的に始めたんですけどね。

洋輔:手続きとかいろいろ大変でしたか。

渥美さん:それこそ商工会さんの方でいろいろ税理士さん、そこら辺に強い税理士さんを紹介していただいたので、それで話もスムーズにすすむことができまして、その辺の不安は全くなかったですね。
もう本当初めてのことでね、どこ行っていいかわかんない、どうしたらいいかわかんないってこと多かったですけど、それも全然クリアできたもんですから本当にスムーズに最後まで 交代までね。やらせてもらいました。

洋輔:そうなんですね。事業承継してよかったなって思ったことって何かありますか。

渥美さん:そうですね本当にうちの場合は(先代の)生前に承継ができたもんですから、そこが大きかったですね。

洋輔:ラジオを聞いてる方々の中でも事業承継について考えてる方いらっしゃると思うんですけど渥美さんの方から何かアドバイスというか、こうした方がいいよみたいなのあります。

渥美さん:アドバイスになるかわかんないすけどね、本当に先代が元気なうちにやらせてもらったもんですから、そういうふうな話をするっていうのも、いいと思いますね。やっぱり県下に35の商工会があるもんですから、職員さんとか、みんなしっかりサポートしてくれると思いますので、そっちを大いに活用してもらって、事業承継してもらったらいいと思いますね。

<スタジオ>
先代が元気なうちに事業承継を進められたのが良かったって言ってたのが印象的で、商工会とか金融機関とか、サポートしてくれるところはたくさんあるので、とにかくできるだけ早めに、今すぐじゃなくてもいいから先に相談しておくといいよっていうのを本当に教えてくれたなって感じがして。そしてあと考えてることを家族にも話したりとか、やっぱ共有ですよね。相談したりとかするのがいいかなと僕自身も本当に改めて思いました。
最後に渥美さんの今後の目標も聞いてみました。

<梅野屋>
洋輔:渥美さんの今後の目標も教えてください。

 チャーハン
SBSラジオが大好きだという5代目の渥美真吾さん
渥美さん:とにかく一生懸命頑張ることですね。(店が)130年続いてきたもんですから。今後もなるべく長く、せっかく事業承継したもんですからね。一生懸命頑張って、また新しいことができたら、またやりながら何か面白いメニューも考えながら、楽しく仕事をしていきたいなと思ってます。

洋輔:番組のメンバーもみんな応援してます。これからも頑張っていただきたいと思います。

渥美さん:ありがとうございます。また(番組を)毎週聴きますので。

洋輔:最後になりますけど、渥美さん、SBSラジオをすごいよく聞いてくださっているそうで。

渥美さん:SBSラジオが大好きなんです。もう30年くらい前の番組からずっと聴かせてもらってるもんですから。もう些細なかけ合い、洋輔さんと影島さんのかけ合いも、フランス語でやるとこも面白いなと思いながら、聴いたりして。

洋輔:ありがとうございます。パーソナリティーの方、誰かに向けたメッセージとか言っちゃっていいですよ。

渥美さん:そうなんですか。じゃあ影島さん。いつもみてますので、また食べに来てください。SBSの皆さん、食べにきてください。

洋輔:わかりました。遊びにこさせてください。ありがとうございました。

<スタジオ>
影島ちゃんに向けたメッセージも送ってくださったりとか、本当に明るい店主の方で、僕も川根本町に行ったら、もう一回食べ行きたいなって思うぐらい、すごい良かったです。これからも番組で応援していきましょう。

これからも未来に残したい静岡グルメ遺産のコーナーでどんどんいろんなところを応援していきたいなと思っております。ということで、未来に残したい静岡グルメ遺産、今年一回目は、川根本町の事業承継支援の取り組みについて、そして川根本町上長尾にある「梅野屋」さんをご紹介しました。

<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881

DATA

■梅野屋

住所: 静岡県川根本町上長尾407-1
TEL:0547-56-1186

川根本町HP