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未来に残したい 静岡グルメ遺産

[毎週土曜日]朝7:30~11:00

パーソナリティ 洋輔・影島亜美

洋輔
未来に残したい静岡グルメ遺産 SATURDAY View→N
2023.12.30(土)放送 食酒甘味茶屋 天竺屋(てんじくや)(富士宮市西町)

創業200余年。六代目から七代目に親族内承継。
長きにわたる事業継続、その成功の鍵とは?【事業承継の成功例】

番組はこちらからお聴き頂けます。

今年も去年に引き続き始まりました「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は、県内13の金融機関と静岡県信用金庫協会さんの協力で、後継者を募集しているお店、親族内や第3者に経営を引き継いだお店を取材をしていきます。

今日ご紹介するのは、富士宮市西町、富士山本宮浅間大社の近くにある「食酒甘味茶屋 天竺屋(てんじくや)」です。

 天竺屋
左から洋輔、天竺屋社長渡辺さん、富士宮信用金庫 木村さん、富士宮信用金庫 渡邉さん、天竺屋社長渡辺さんの奥様

今回社長の渡辺 浩正さんにインタビューしたんですが先代のお父様から、親族内承継をして今に至ってるそうなんですね。まず初めに渡辺さんにお店についてや歴史、名前の由来などについて伺いました。

<食酒甘味茶屋 天竺屋>

 天竺屋
文政元年(1818年)創業の天竺屋
渡辺 浩正さん: 創業はさかのぼること200年以上前の文政元年ですね、1818年、二代目の弥吉が天然氷を原料にして氷屋を始めました。天然氷の仕入れは、毛無山ろくの麓地区と山梨の鰍沢で、馬車や舟を使って運搬したと聞かされております。

洋輔:この「天竺屋」さんっていうお名前はどこからきているんですか?

渡辺さん:三代目の竹次郎から製氷業を始めて、その他に木材業、質屋、お米屋さん、お茶、あと雑貨店を開き、その当時にしてみれば、ちょっと高い品物を取り扱っていたので、値が「高い」イコール「天竺」、西遊記なんかに出てくる高い「天竺」、その意味から「天竺屋」という名前になりました。

洋輔:浩正さんは今何代目になるんですか?

渡辺さん:私で七代目になります。

洋輔:氷屋さんとして200年以上前から商売を始めて、令和の時代まで続いているということはもう本当すごいなと思うんですが、今こちらの「食酒甘味茶屋 天竺屋」というお店の方に今いるじゃないですか、隣では氷を売ってるんですか。

 天竺屋
食酒甘味茶屋 天竺屋の店内。夏場はかき氷が大人気
渡辺さん:そうですね。昔からやってる氷屋を中心として、飲食店、また昔からやってるお茶、夜は居酒屋、昼間は甘味というお店をやってますね。

洋輔:先ほど、大きな氷を見せていただいたんですけど、それがマイナス20度の冷凍庫に(あって)、僕もちょっと(冷凍庫に)入れさせていただきましたけど。

 天竺屋
氷の説明をする渡辺社長
渡辺さん:一応保管だけですけどね。あとはそこから常温に戻して加工ですね。
かき氷サイズの氷だったり、お酒で使う水割りのロック氷とかに加工してお客様に提供するっていう仕事になります。

洋輔:この居酒屋さんで出している氷は隣の氷屋さんの氷を使っているってことですよね。

渡辺さん:そうですね。

洋輔:うわーすごいな。あと、お茶屋さんも裏にあったんですけど、あれはどういった流れでお茶屋さんが始まってるんですか。

 天竺屋
お茶の販売も行っています
渡辺さん:(氷は)夏場の需要があって冬場に沈むっていうことで、冬に温かいものをやろうという考えで、静岡はお茶の名産地でもあるんで、販売を始めたそうですね。

洋輔:なるほど。だから本当に一年中通して、みんなを楽しませているっていうことなんですね。

渡辺さん:はい、ありがとうございます。

<スタジオ>

洋輔:お茶屋さんもやったりとか、かき氷もやったりとか、さまざまなことをされている「天竺屋」さんですけど、僕、あの氷を作っている場所に連れて行っていただいて、冷凍庫の中にちょっと入らせてもらったんですけど、寒かった! 当たり前だけど。
氷のことって僕あんまり知らなくて、その大きい氷を作るのって結構大変なんだって。
それ(大きい氷)を作って、持ち運んで、大きい氷からどんどん削っていくんですけど、その時にちゃんと不純物が入らないところ、入ってないところを選んで削っていくっていう。なんか氷に対してすごい愛着が湧いたインタビューだったんですけど。
「天竺屋」さん、先ほどもインタビューにもお話がでてきてましたけど、一つの敷地の中に三つのお店が展開されていて、夏場はかき氷、そして夜のお時間はお酒を飲みながらゆっくりとした時間を過ごすことができる居酒屋「食酒甘味茶屋 天竺屋」さん。その隣にあるのが「渡辺冷蔵」さんで、冷蔵庫、冷凍庫があってドライアイス専門氷屋さんをやっていたりとか、そしてさらにお茶屋さんもされてるというね。

影島アナ:すごい盛りだくさんですね。

洋輔:今回、居酒屋さんの「食酒甘味茶屋 天竺屋」さんで楽しむことができる宴会プランのメニューの中から、地元のお豆腐屋さんから仕入れているお豆腐を使った湯豆腐、そして氷屋さんが作った純氷のかき氷と、お茶屋さんとのコラボレーションの冷たいお茶をいただきました。最後に今の時期はその宴会メニューの最後のデザートしてかき氷を出されているそうなので、そちらをいただきました。

<食酒甘味茶屋 天竺屋>

渡辺さん:はい、すいません、お待たせしました。こちらが静岡の緑茶ですね。こちらには純氷が入っていますんで。そして宴会メニューの中の一つで、湯豆腐になります。

 天竺屋
地元のお豆腐屋さんから仕入れているお豆腐を使った湯豆腐
洋輔:湯豆腐、いただきます。美味しい、温まる。お出汁もすごい美味しいですね。
柚子のほんのりとした香りが入って、もみじおろしのピリッとした感じと。
この豆腐すごい美味しいっすね。体が温まったら、純氷の入ってる緑茶をいただきます。

渡辺さん:先ほどの(見てもらった)大きい132キロの氷を3センチ角までこちらで加工して。

 天竺屋
左から洋輔、渡辺さん。132キロの氷を3センチ角まで加工
洋輔:ちょっと待ってください。この大きさまで切るんですか!? あの大きな氷を!

渡辺さん:はい。お客様から、夏になると子供の水筒に6個ぐらいその塊を入れるんですけど本当に朝(学校に)行って夕方まで氷が残ってるってよく言われます。

洋輔:純氷、それこそ不純物が入っていない氷っていうのは、溶けにくいんですね。

渡辺さん:はい。あともう一つですね、宴会メニューの最後のデザートになるんですけど、そちらは純氷かき氷で、今シーズン、一番人気のあったかき氷のシロップを使ったものをご用意させてもらいます。ちょっとお待ちください。

洋輔:楽しみにしてます。

渡辺さん:はい、お待たせしました。こちらが純氷かき氷の「イチゴ杏仁」になります。溶けないうちに召し上がってください。

 天竺屋
一番人気の純氷かき氷の「イチゴ杏仁」
洋輔:いただきます。(氷が)溶けちゃう。そしてめっちゃ杏仁の美味しい味がする。

渡辺さん:一番本当に氷の良さと、純氷の違いが一番わかるものだと思います。

洋輔:イチゴもいただきます。

渡辺さん:このイチゴも、地元のイチゴ農家さんから、ちょうど時期が終わった頃かな。その時に仕入れて、夏に向けてうちの冷凍庫で凍らしています。

洋輔:イチゴが凍ってるんですよね。このシャリシャリ感がたまらないし、純氷との相性抜群ですね。

<スタジオ>

洋輔:湯豆腐をいただいて、お茶をいただき、そしてかき氷を食べたという。

影島アナ:最高ですね。

洋輔:実は、イチゴ杏仁のかき氷をいただいた後に、このお店のおすすめでもある茹で落花生のかき氷もいただいたんですよ。

 天竺屋
店のおすすめ、茹で落花生のかき氷
影島アナ:どうでした。

洋輔:あのね、何とも言えないシャキシャキ感というのかな、落花生・ピーナッツだと、硬いけど茹で落花生だから、ソフトだけどシャキシャキしてるの。味もね、抜群だったの、本当に美味しかった!

影島アナ:新感覚ですね。

洋輔:さすが文政元年から続いてる氷屋さんが営む「天竺屋」さんの純氷かき氷。本当に美味しかったね。夏場はね、もうみんな並ぶぐらい、すごい人気があるんですって。なので冬はこういう宴会メニューのデザートとして出してということだったんですけど、やっぱりふわふわなのよ。かき氷のけずり方も。口に入れると、同時に溶けるぐらい。シロップの味も美味しいし、地元のグルメコンテストでも金賞を受賞したそうなんです。本当に納得の美味しさでした。

そして、冒頭でも少し話しましたが「天竺屋」さんは、先代のお父様から、親族内承継をして今に至っているということなんで、お店を引き継ぐにあたって地元の富士宮信用金庫さんにいろいろとサポートをしていただいたそうなんですね。当時、渡辺さんのサポートを担当されていた富士宮信用金庫西町支店の支店長 渡邉さんに、地元に根付いた信用金庫として「天竺屋」さんにどのような思いでどんなサポートをしたのか伺いました。

<食酒甘味茶屋 天竺屋>

富士宮信用金庫西町支店の支店長 渡邉道成さん: 代がわりをし、渡辺社長様が先代の良いところを踏襲しつつ、歴史ある「天竺屋」を新しい目線で発展させていくに際して、今後の事業展開、資金繰り、補助金申請など、さまざまなご相談をお受けし、応援させていただきました。
また西町支店の営業係も定期的に訪問しており、何でも相談いただける関係性を築かせていただいております。また最近はですね、新型コロナウイルスの発生により、いろんな業種の方々に影響が出てしまい、事業者の皆様は先の見えない不安の中にありました。
そのような中、(こちらは)先代から堅実な姿勢を継続しており、その経営手法に私としても学ぶことが多くありました。
今後も渡辺社長との会話を大切にしながら、伴走しながらですね、先を見据えたご支援を行っていきたいと考えております。

 天竺屋
富士宮信用金庫西町支店の支店長 渡邉道成さん
洋輔:お二人ともワタナベさんなんですよね。最後に、「天竺屋」の渡辺浩正さんに伺いたいんですが、今後の目標を教えてください。

渡辺さん:今後の目標ですか。氷屋を中心としてですね、地元の方々に喜んでいただける、必要とされる会社ですね。それを少しずつ作り上げていきたいなと思っております。

<スタジオ>

洋輔:はい、もう本当に地元密着で富士宮信用金庫「みやしん」さんならではのサポートがあったからこそ、文政から200年にもわたって受け継がれてきた「天竺屋」さんの歴史を絶やすことなく、今に至っているのがなんかすごいなと。200年だよ!200年ですからね。
なんか夏場に混むのがわかっていてもまた行きたいなって、僕思っているんですよ。

影島アナ:私も行ってみたいです。かき氷食べたい。

洋輔:今回も紹介しきれなかったですけど、かき氷のシロップ、他にもたくさん種類があって、いろいろ食べ比べてみたいなって僕は思ってて。

影島アナ:はい。あと茹で落花生(かき氷)初めて聞きました。

洋輔:本当美味しかった。僕は絶対に電車か何かで行って、あの氷でハイボールを飲みたいよね。純氷でハイボールを飲みたいね。来年の目標ですね。

影島アナ:いいですね。行きましょうね。

洋輔:決意表明でございます。ということで・未来に残したい静岡グルメ遺産、今回は富士宮市西町、富士山本宮浅間大社の近くにあります「食酒甘味茶屋 天竺屋」さんをご紹介しました。

<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881
■富士宮信用金庫 顧客支援課 電話 0544-23-3124

洋輔: 3ヶ月にわたってお届けしましたこのコーナーですが、今回で一旦終了となります。後継者や引き継ぎについていろんなことを知ることができましたよね。
後継者に困っている店主さんや、あとお店を始めたいという方はぜひ一度、事業承継引き継ぎ支援センター、またはお近くの金融機関にご相談してみてください。
以上、未来に残したい静岡グルメさんのコーナーでした。

DATA

■食酒甘味茶屋 天竺屋(てんじくや)

住所: 静岡県富士宮市西町5-8
TEL:0544-22-0700

お店のHP