[毎週土曜日]朝7:30~11:00
パーソナリティ 洋輔・影島亜美
番組はこちらからお聴き頂けます。
今年も去年に引き続き始まりました「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は、県内13の金融機関と静岡県信用金庫協会さんの協力で、後継者を募集しているお店、親族内や第3者に経営を引き継いだお店を取材をしていきます。
今日ご紹介するのは、裾野市や三島市を中心に飲食店を展開したり、お弁当やお惣菜の製造販売をしている「株式会社 十八番や(おはこや)」さんです。
今回インタビューしたのは代表の”おかみ”荻野啓子さん、そして料理長で”おやじ”の豊さん。そして2人から事業承継をする予定の貴志さん、こちらの三人にインタビューをしてきました。
「おやじ」と「おかみ」は名刺にも書かれていたので読ませていただきました。
今回は親族内承継を予定されている親子の取材なので、まずは裾野市深良にある「株式会社 十八番や」の裾野工場に行って、「十八番や」について伺いました。
<株式会社 十八番 裾野工場>
洋輔:きっと三島とか裾野の辺りにいらっしゃる方だったら、お弁当で一回は食べたことがあるんじゃないかなっていうぐらい(地元に根付いていますよね)。
啓子さん:そう言ってもらえると嬉しいですね。
洋輔:そしてここが工場になっているんですか。
啓子さん:あと裾野に工場が二つございまして、本社の横に三島餃子、裾野餃子とか冷凍物の工場がございます。ここが十八番や裾野工場で、ここではお弁当・オードブル、そういったものを作っております。オリンピックの時もここで一日2000食、作らせていただきました。
洋輔:いやー、スゴイなあ。豊さんにもちょっとお話を伺っていきたいんですが、十八番やさんで何を担当されているんですか。
豊さん:一応料理長という肩書きで、従業員・職人を育てていますので、その子たちの指導、それから販売の方法、いろんな新しい商品なんかの開発をやってます。
洋輔:コラボもされているんですか。
豊さん:今取り組んでいるのは学校法人鈴木学園さん料理学校ですね。お弁当というものを作ったことがないので、講師兼指導をやってくれということで。
それで皆さんといろんなことを考えて約5、6ヶ月経ちますけど、やっと製品が出来上がりまして、9月12日に試験販売をイトーヨーカ堂三島店でやらせていただいたんですけど、25分で120食完売ということで。
洋輔:25分で120食完売!
豊さん:今度、12月9・10日に販売いたします。
洋輔:ちょうどこれが放送されている今、今日と明日でイトーヨーカ堂三島店でコラボ弁当が販売されるということですね。
豊さん:そういうことですね。
洋輔:あと貴志さんにもちょっとお話を伺っていきたいと思うんですけど、家族でみんなでやってる事業じゃないですか。
貴志さん:そうですね。巻き込まれた感しかないですね(笑)。だけどいろんな僕も職を経験して、やっぱり、やることはこれなのかなっていうのもあったんで。
洋輔:貴志さんはどういう経緯で飲食の方にいったんですか。
貴志さん:本当に一番最初は全くやりたくなかったんですよ。大変そうなのも知ってたんで。いや、俺は継がないよ、なんて結構言ってたんすけど、なんか本当に巡り巡って、二人を見てて、よしやるかって。
洋輔:いろいろお店や工場を展開されている「十八番や」さん、お弁当や国産牛の丼など、おすすめのメニューが、たくさんあるなと思っていただけたと思うんですけど、この日は「十八番や」の原点ともいえるラーメンと餃子をいただきました。
<株式会社 十八番 裾野工場>
洋輔:人参が練り込まれている皮で作った餃子ってことですね。早速ラーメンからいただきます。美味しい! 懐かしい味がする。すごく食べやすくて、醤油のさっぱり感が強くて、なんかいっぱい食べられるラーメン。人参が練り込まれているという餃子。美味しい。
餃子の皮に人参が練り込まれているんでちょっと甘みがあるんですね。
洋輔:餃子の方はその人参が練り込まれてるっていうこだわりを聞いたんですけど、ラーメンの方のこだわりってなにかありますか。
豊さん:ラーメンのスープにもなるべく箱根西麓の三島野菜を使うようにしてます。
洋輔:スープにも三島の野菜を使っているんですね。
豊さん:そういうことですね。それで三島ラーメンって言ってるんですけどね。もちろん豚も箱根豚を使っています。
洋輔:地産地消じゃないですけどできるだけ三島の野菜を使っているんですね。
豊さん:はい。もう全部(の商品に)入れてやってますね。
<スタジオ>
洋輔:三島の食材がたっぷり使われたラーメン・餃子、もう本当に美味しくて、たくさんの方に食べていただきたいんですが、そんな「十八番や」さん、今後は息子さんの貴志さんに親族内承継をする予定だそうです。
”おやじ”の豊さんは若い人の味や感覚など新しいものを取り入れていってほしいそうで、そろそろバトンを渡していきたいということだったんですね。
そして味以外にも引き継いでいくことがたくさんあるので、そういった部分は、スルガ銀行さんにサポートをしてもらうそうです。
スルガ銀行の秋山真一さんにどのような支援をされるのか、そして最後に荻野さん一家に今後の目標や展望を聞いてみました。
<株式会社 十八番 裾野工場>
スルガ銀行 秋山真一さん:はい、弊社といたしましては、もう次世代の息子様が後継者でいらっしゃいますので、この次世代への承継に向けて、事業承継のご案内などに取り組んでいくとともにですね、法人のコンサルティング部門や個人のコンサルティング部門と連携して法人・個人の双方から事業承継支援に取り組んでまいります。
また必要に応じて弊社外部の機関と提携をしておりますので、そちらの機関と連携して承継支援を検討していこうかなと考えております。
豊さん:うちで料理に使っているウナギのタレにしろ、例えば生姜焼きのタレにしろ、ステーキのタレにしろ、全部自家製なんですよ。市販のタレとか、材料も冷凍物は使ってないもんで、そのタレを各土産物屋さんとかスーパーさんとか、ぜひおかしてくれないかというご要望があります。
そういうタレ関係と、日本食研さんから声をかけていただいているんですが、電子レンジでチンするもの、いろんなものがあるけど、スープ餃子がないって言うんですね。日本にはまだ三つぐらいしかないもんで、うちの餃子に目をつけてくれて、コラボして作ろうということで作りました。それで一応、本社の方も全部OKいただいて、すぐに商品化していきたいと。これからの展望としてはそちらの方に特化していきたいということですね。
洋輔:なるほど、これからもこの「十八番や」って書いてあるロゴというかマークがいろんなとこで見られる可能性があるってことですね。
豊さん:ありがとうございます。
洋輔:貴志さんの今後の目標は。
貴志さん:自分がまかされているイトーヨーカドー三島店、定食も人に知られてきたんでもっと盛り上がるように頑張りたいなと思っています。あとキッチンカーでやっぱ引き継いだラーメンをいろんな人に食べてもらいたいなっていうのがあります。
洋輔:なるほど。はい。では最後に啓子さんは。
啓子さん:・・・・・・。
豊さん:みんながね、安心・安全に生活できるような体制、うちの従業員・家族が、何とか生活できるだけの体制を整えられればいいんじゃないかと、これが一番だね。
啓子さん:そうですね。それが一番ですね。
洋輔:本当に家族仲良くって、みんなでワイワイというインタビューだったんですけど、やっぱりね、引き継ぐにあたって貴志さんが「味は引き継げるけど、お金のことはちょっと不安」ということを言ってたんで、そういった少しの不安とかでも、とにかく相談すれば、金融機関がいろんなところで連携して、トータルサポートしてくれるということが、今回わかったんですね。これからどんどん「十八番や」さんという名前も味も広がっていくと思います。未来に残したい静岡グルメ遺産、今回は裾野市にある「株式会社十八番や」さんをご紹介しました。
<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881
■スルガ銀行 法人コンサルティング室 電話 055-952-6354