[毎週土曜日]朝7:30~11:00
パーソナリティ 洋輔・影島亜美
番組はこちらからお聴き頂けます。
今年も去年に引き続き始まりました「未来に残したい静岡グルメ遺産」のコーナーです。
静岡新聞・SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」と共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は、県内13の金融機関と静岡県信用金庫協会さんの協力で、後継者を募集しているお店、親族内や第3者に経営を引き継いだお店を取材をしていきます。
今回ご紹介するのは、三島市徳倉、JR三島駅から車で10分程度のところにある「くるま寿し」さんです。
名前の通り、お寿司屋さんなんですが、駿河湾や伊豆で獲れる新鮮な海の幸を美味しく召し上がることができるお店です。インタビューしたのは、二代目の梅田宏一さん、そして2022年に親族内承継をした息子さんで三代目となった梅田了多さん、このお二方にインタビューしてきました。
まずはお2人にお店について、そして梅田 宏一さんと了多さんが寿司職人になったきっかけ、またどういう経験をして今に至っているのか伺いました。
<くるま寿し>
洋輔:リニューアルオープンされてどのくらいになるんですか。
梅田宏一さん:5年です。
洋輔:お店を作る時は、お二人で話し合って内装とかも決めたんですか。
梅田了多さん:そうですね。前の店のいいところも残しつつ、新しいものを入れてっていう感じで、二人で考え、計画しました。
洋輔:宏一さんの方からまずお話を伺っていきたいんですけど、職人さんなられてどのくらいになるんですか。
宏一さん:僕はね、23から始めたのね。その前に僕の親父が脱サラをして寿司屋をやりたいってなって、僕は小学生の時から寿司屋のカウンターで食べてた。もう英才教育みたいな(感じで)。
それで(父親から)お前は寿司屋になんなよって、そういうことでやってきて寿司屋になったんだけど、その前は洋食をやってた。
それで20過ぎぐらいの時に親父の寿司屋を手伝ったんだけど、こんな寿司じゃ駄目だって、俺、言われたのね。その時に、当たり前だろって、寿司屋やったことないから。
一人前になるために、東京に行っちゃった。(東京で)修業をして、23までやったのかな。そしたらもう教えることないから、帰っていいって言われて、独立したの。
宏一さん:短い間ね。23から独立して、49年ですかね。
洋輔:49年、職人として素晴らしいですね。そして三男の了多さんがお店を継いだと。了多さんが店を継がれて、今どのくらいになるんですか。
了多さん:10年くらい経つかな。
洋輔:了多さんも本当にちっちゃい頃から、宏一さんの背中をみて、お寿司を学んできてたってことですか。
了多さん:英才教育じゃないですけど、子供の頃に、マグロ2貫食べ比べとか。本マグロ、インドマグロどっちだ、みたいな。子供の頃ありましたよね。
洋輔:三男っていうことは上にお兄さんが二人いらっしゃるということですよね。この二人は全然違う職業をされているんですよね。
宏一さん:はい。
洋輔:そしたらもうすっと、了多さんに店を継ぐことが決まったんですね。
了多さん:自分が進路、就職とか決める時、上の二人の兄は他の会社に就職してたんで、高校卒業と同時に修業に行くよって言って、自分も東京に出ましたね。
洋輔:素晴らしい息子さんですね。
宏一さん:三兄弟の中で(了多さんが)一番キャラが(自分と)合ってる。
洋輔:(二人)似てるんですか、性格が。
了多さん:三兄弟の中で一番似てるって言われます。
洋輔:今、僕(二人の)横に並んでお話させていただいてるけど顔、似てます。
<スタジオ>
洋輔:「くるま寿し」さん、白い壁のきれいなお店だったんで、リニューアルされたってすぐ気がつくような感じだったんですけど、元々すごい面白いかたちをしてたんですって。昔は純喫茶みたいな、ベロアの椅子みたいなのがあってカウンターがあるようなお店だったんですって。寿司屋さんとはちょっと変わってる感じで。
そこから今リニューアルして三代目になった時に今のような形で白い壁でさらにおしゃれになったっていう感じなんですが、宏一さんの長男と次男のお二人は全く違う世界でお仕事をされていて、三男の了多さんが、「じょあ、俺がやるよ」と言って修業に出て、三代目として今お寿司を握ってるんですが、さっきも言った通り、本当にお二人、顔がそっくり。
顔だけじゃなくて喋り方とかと喋るタイミングも似ていて、本当に似ているところがたくさんあるなっていうのを僕はインタビューしながら見てたんですけど。
続いて、「くるま寿し」さんおすすめのメニュー「三島寿し」のことや、三島信用金庫の斎藤恋さんに、事業承継をよりスムーズに行えるように、どのようなサポートをしてくれたのかを伺いました。
<くるま寿し>
洋輔:長く続いているこちらの「くるま寿し」さんなんですけど、おすすめのお寿司があると聞いたんですけど。
宏一さん:そうなんですよね。それが経営革新計画承認書を取った「三島寿し」っていうのね。
洋輔:お店の目玉、僕ちょっと食べてみたいんですけど。
宏一さん:作りますよ。
洋輔:いいですか。お願いします。
了多さん:はい、おまちどうさまでした。「三島寿し」になります。
了多さん:(ネタを)特製の漬けのたれに、漬け込んでいます。
洋輔:だから色がしっかりとついているんですね。結構いろいろあって、九巻ですね、三巻ずつ別々のネタのものがあって、これはタコとマグロと‥。
了多さん:白身です。その日に入ったものを使ってます。
洋輔:それじゃいただきます。白身魚から、いただきます。美味しそう。このまま何もつけずに、いただきます。…うん…ワサビ???
了多さん:ワサビじゃないんですよ。辛子を使っています。
洋輔:なんかワサビとは全然違う刺激がくるなと思ったら辛子なんですね。
了多さん:シャリの方も普通の江戸前のシャリよりもっと味を濃くしてます。
洋輔:確かにちょっとお酢が強めではあるんですけど、ただそれが漬けのネタと絡まってすごくいいバランスがとれてるんですね。マグロとタコも1個ずついただいていいですか。
マグロも美味しい。タコもいただきます。これはなんだ?何か上にかかってますね。何が入っているんですか、これ。
了多さん:柚子胡椒が入ってます。
洋輔:柚子胡椒がもうこれ、最高に美味しいですね。
宏一さん:本当に!三島信用金庫さんがなかったら、もう(成り)立たないですよね。
洋輔:地域に密着してくれてるから、いろんな相談とかしてましたか。
宏一さん:三島信用金庫さんだからね、地域密着がいいんですよね。
洋輔:僕、聞いたんですけど「未来計画ノート」っていうのをなんか見せてもらったことあります?
宏一さん:作りましたよね。
了多さん:大体の計画をいついつに引き継ぐとか、そういうのを(作りました)。
洋輔:そのあたりの詳しいことを三島信用金庫さんからちょっと聞いてみたいなと思います。
三島信用金庫三島北支店の斎藤 恋さん、よろしくお願いいたします。
三島信用金庫 斎藤 恋さん:よろしくお願いいたします。
洋輔:「未来計画ノート」というのはどういうものなんですか。
斎藤さん:事業承継を考えていらっしゃるお客様にどのようなところが、悩んでいますかとか、どういったことで承継をしていきたいですかっていうのをお客様にヒアリングをしながら、当行の方でそのノートを記入させていただきまして、お客様の見えない課題であったりとか、承継のサポートをするツールとして使わせていただいています。
事業承継というのはどうしても時間がかかるものでデリケートなものになってくると思いますのでそういったところをまずはお気軽に相談してくださいっていうような気持ちで使っています。
私達信用金庫は先ほども梅田さんがおっしゃっていただいたんですけれども、地域密着型っていうのがモットーですので、お近くの信用金庫とか他の金融機関さんの職員の方にこういうことで困ってるんだけどっていうふうに気軽に相談していただければその職員の方たちが親身になってサポートしてくださると思います。
洋輔:なるほど。いや本当、多分まだまだ知らない方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、ぜひね、悩んでる方いたらすぐに相談にのってもらえると嬉しいですよね。
斎藤さん:はい。私達としてもお客様の悩みを打ち明けていただけることが、距離を近づける一歩だと思いますので、そういったところでぜひ私達も協力をしていきたいなと思っております。
<スタジオ>
洋輔:はい、そうなんですよ。継ぐ時に何からやっていいかわからないとか、ちょっと困ったなっていう方たちにこの三島信用金庫さんの「未来計画ノート」っていうのを書いてもらってっていう話を聞いて、確かに何をしたらいいか、わかんないって人、たくさんいるんじゃないかなと思って。
影島アナ:書くことで明確になりそうですね。
洋輔:あと信用金庫さんたちが結構地域密着で話を聞きに来てくれたりとかするから、その時に宏一さんがポロっと相談したりしたっていう話も聞いたりして。
影島アナ:(話を聞いて)何気ない一言をひろってくれるんですね。
洋輔:それと卵焼きも実はいただいていて。美味しかった。うちこれも美味しいんだよって(出してくれて)。あと手作りが好きだっていう話をしたら、宏一さんが寿司のネタについている笹切り、あれってこうやって切るんだよっていって見せてくれたりとか。
洋輔:笹を折って包丁でサササって切って。すごいの、鶴とかも作っちゃうの。宏一さん。了多さんも作ってくれたけど、スゴかった、それ見てて。すごい技術ですね。
影島アナ:職人ですね。
洋輔:職人さんですね〜。親族内承継をして三代目としてお店を継いだ了多さんにお店を引き継いで良かったことと、そして最後に今後の目標も聞いてみました。
<くるま寿し>
洋輔:了多さん、お店を引き継いでよかったなって思ったことあります。
了多さん:元々飲食(業)が好きなので、元からいた常連さんもだし、新しいお客さんが来たり、そういう人と話したりすることがやっぱり楽しいですね。
洋輔:最後に了多さん、今後の目標みたいなのありますか。
了多さん:目標ですか。親方から引き継いだお店を、あんまり欲はないんですけど、大きくしたいとかそういうのはないんですけど、続けていけたらなって。何もなく、順調にいけばいいかなと思いますけど。
洋輔:ずっとずっと長く長く続けていきたい、ということですね。
<スタジオ>
洋輔:店を継いでそのまま長く続けていきたいっていうのがね。もうなんか素敵だなと思いながらみてました。
了多さんに変わった時にお店をリニューアルして、若い世代のお客さんが増えたっていうことなんですよね。それはやっぱり白を基調とした清潔感のある店内と、大理石のカウンターなんですけど、インド大理石のカウンターがすごいおしゃれで、なんか若い女性が一人でお寿司を食べにくると、気軽に立ち寄ることができるお店になっているということなんです。ぜひ三島に行かれた方、「くるま寿し」に寄ってみてください。
未来に残したい静岡グルメ遺産、今日は、三島市徳倉、JR三島駅から車で10分程度のところにある「くるま寿し」さんをご紹介しました。
<事業承継に関するご相談>
事業の引き継ぎや後継者のマッチングなど、事業承継に関するご相談がありましたらご連絡をお願いいたします。
■静岡県事業承継引き継ぎ支援センター 電話 054-275-1881
■三島信用金庫 元気創造部 電話 055-973-5730