[毎週土曜日]朝7:30~11:00
パーソナリティ 洋輔・影島亜美
番組はこちらからお聴き頂けます。
静岡新聞SBSが運営するグルメサイト「アットエスグルメ」との共同企画で、大切な静岡のお店を残すためのプロジェクトをラジオでも展開していきます。
今年度は県内13の金融機関、そして静岡県信用金庫協会の協力で、後継者を募集しているお店、親族や第三者に経営を引き継いだお店を取材していきます。
今回ご紹介するのは、富士市本町、JR富士駅から歩いてすぐの場所にある、お蕎麦とお食事処の「金時」さんです。「金時」さんは長年富士市で飲食店を営んでいる老舗ですが、前の店主お父様が高齢になってきているということもあり、当時JR新富士駅の中で飲食店を経営していた息子さんに引き継いで今に至ってるお店です。
まずは店主の時田大嗣さんに、お店について、そしてお父様からお店を引き継いだきっかけ、また信用金庫さんからどんなサポートを受けて今に至っているのかを聞いてきました。
洋輔:富士駅からまっすぐ歩いてきたところにお店があるんですが、お店の入口に提灯があって、賑やかな感じの居酒屋って書いてあったんですけど、お蕎麦屋さんですよね。
店主時田さん:夜はちょっと飲む雰囲気を出したいなと思いまして。
洋輔:店に入ってきたら真ん中にテーブルがたくさん並んでいて、お座敷もあって結構たくさん人が入りますよね。
店主時田さん:4人掛けが6個なので24席です。
洋輔:時田さんは、この静岡県事業引き継ぎ支援センターの紹介と富士信用金庫がサポートすることによって、先代の店主のお父様からこの店を引き継がれたんですよね。
このお店を引き継ぐと決めたのはどういうタイミングというか、どこでそういうふうに決まったんですか。
店主時田さん:五、六年前まで、JR新富士駅内で「するが蕎(きょう)」というお店を経営してました。
父が高齢なこともありまして、またそこの施設の事情もありまして、実家に戻ることになりましてそこで正式に引き継ぐって形になりました。
洋輔:元々「するが蕎(きょう)」というお店を新富士駅でやってたってことは、おそばには関わっていたんですね。
店主時田さん:お店の経営には関わってまして、うち(金時)のメニューも「するが蕎(きょう)」にもっていっていたので。そういう面では引き継ぎができましたね。
店主時田さん:やはり両親が大事に育ててきたお店だったので、そこをうまく、引き継げるかどうかっていうのがありましたけども、いろいろサポートしていただきまして、実の父ということもあり、いろいろと話をしながら引き継ぐことができました。
洋輔:家族事業の大変さは僕個人的にも身にしみてはいるんですけど。富士信用金庫さんからのサポートもあったと聞いてるんですが、それはどのような感じだったんですか。
店主時田さん:もうずっと富士信用金庫さんとはお付き合いが長いので、いろいろとアドバイスもいただきましたし、事業支援というかね、そういう形で助けていただきました。
洋輔:事業支援っていうと、今後お店をこうしていきたいとか、どういうアドバイスをしてくれるんですか?
店主時田さん:融資の面ですとか、その辺はやっぱり一番頼りになりましたし、あとはコロナとかその辺の面でも非常に助けていただきまして、何とかそれ(コロナ禍)を乗り越えることができて、今後につなげることができたのかなと思います。
洋輔:そんな「金時」さんのお店の売りとか、あと人気メニューなどをご紹介いただけますか。
店主時田さん:うち元々お蕎麦屋なんですけども、もちろん蕎麦も自家製麺で自信があるんですが、中でも「かつ皿」というメニューがうちの看板メニューになってまして、いろんなメディアにも紹介されてます。
洋輔:早速それをいただいてもいいですか。
店内にところせましととサイン色紙が貼られていて、地元の方はもちろん、芸能人の方がたくさんいらっしゃるようなお店になっていて、元々フィルムコミッション富士と連携していることもあってテレビドラマのロケ地としても使われているので、和の雰囲気が漂う、賑やかな場所でしたね。
おそばがメインのお店ではあるんですが、「かつ皿」というのが一番人気ということで、あの石ちゃんが「まいうー」って言ったほど美味しい「かつ皿」を僕もいただいてきました。
洋輔:うわ、なんですかこれ。なに?
店主時田さん:当店の人気メニューの「かつ皿」でございます。
洋輔:待って「カツ」が見あたらないんですけど。
店主時田さん:タレがかかっちゃってるんでね。ご飯の上にカツがのってます。
洋輔:これ、ご飯も見えなくって今僕が見えてるのは本当に黄色いカレーライスなんですけど、もうルーがもう盛りだくさんみたいな感じで見えているんですが、それを食べると下にご飯が入ってるってことですよね。
早速いただきます。ん、美味しい! 衣サクサク! これタマゴなんですね、タマゴソースが上にかかってるんですか。
洋輔:ふわとろタマゴタレ、ふわふわですよ。
カツ丼のタマゴソースがもっとふわふわしていて、味もすごくマイルドでカツがすごいすすみますね。
店主時田さん:もう本当におっしゃる通りでカツ丼と材料はほぼ一緒なんです。
「かつ皿」の場合は、ご飯の上にカツと、あと茹でたキャベツをのっけまして、そこに、そばつゆベースのふわとろタマゴタレを作って最後にかけています。なので、衣のサクサク感が残っていると思います。
洋輔:なるほど。このタマゴタレ、めちゃめちゃ僕すごい好きな味です。ちょっと甘めの味で、ずっと食べていられるし、このタマゴタレだけ欲しい。この「かつ皿」、人気なのはすごい納得です。このメニューっていうのはもう元々昔からあるメニューなんですか。
店主時田さん:今から約60年前にうちの祖母が作ったと聞いています。
ちょっとハイカラな人だったんですよ。その時代にスプーンで食べるという、ちょっと洋風チックなメニューを作りたい、その当時のご馳走を作りたい、と考えたみたいなんですけど。
洋輔:確かに洋食屋さんにありそうな見た目。(カツが)お皿にのって、お皿もすごい素敵で。おばあさまの代っていうことは、今、何代目になるんですか。
店主時田さん:祖父の兄からっていうふうに聞いてるので、3.5代目とか言ってるんですけども一応4代目という形ですね。
洋輔:この「かつ皿」、ぜひリスナーの皆さんにも食べてほしいんですけど、大嗣さんがお店を継いだのはいつぐらいだったんですか。
店主時田さん:この店自体は5年前ですかね。
洋輔:5年前にお父様から継いだということですか。お父様から何かアドバイスはありましたか。
店主時田さん:あんまりたくさん喋る方じゃないので、日頃一緒に働きながら父の背中を見ていっぱい引き継いだって感じでしょうかね。
洋輔:職人さん、蕎麦職人という感じですね。
「かつ皿」をいただいてまいりましたけれども、本当にダシがきいたふんわりとしたタマゴタレが、カツの上にかかってるんですけど、サクサクの状態がまだ残ってるんですよ。
とんかつはサクサクのまんまだし、すごい美味しくて「まいうー」って言うの忘れちゃいましたよ。
この「かつ皿」をはじめ、ハイカラなおばあさまから受け継いだいろんなメニューをこの時代にも楽しむことができるのは、本当に事業承継をしている息子さんにバトンタッチできたからこそだと思います。
実際にお店に行ってすごく感じたのが地域密着で、いろいろ周りの方が相談にのってくれたりとか、周りの方に相談のったりとかしながら、みんなでサポートしてるお店なんだなっていう感じがしたんですね。
近くにあるお店同士で協力し合っていて、このとき「金時」さんのお客さんで近くにある韓国人の方が営んでいるお店で売っている韓国マカロンをお店(金時)で販売してたんですね。周りの人たちが販売してるものを、こっちで販売してたりとか、地域で盛り上げてる、地域の輪とかそういう愛みたいなものをすごい感じたんです。
影島:みんなすごく仲良しなんですね。
洋輔:そうなんです。仲良しなんですよ。みんなで盛り上げていこうねっていう感じなんですよね。
最後にお店を継いで良かったことと、今後の目標を伺いました。