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未来に残したい 静岡グルメ遺産

[毎週土曜日]朝7:30~11:00

パーソナリティ 洋輔・影島亜美

洋輔
未来に残したい静岡グルメ遺産 SATURDAY View→N
2022.10.22(土)放送 カクゼン桑名屋(静岡市駿河区中原)

100年続く静岡銘菓を承継。昔ながらの味はそのままに
多彩に進化し、全国に向けて発信!【事業承継の成功例】

番組はこちらからお聴き頂けます。

長年地元で愛されている味、この先もずっと続けてほしいお店をSBSラジオ「サタデービューン」のパーソナリティ洋輔が取材していきます。
今回取材にお邪魔したのは静岡の人にはお馴染みのお菓子、8の字を作っている「カクゼン桑名屋」さんです。まずは8の字の歴史や作り方についてスタッフの茂原さん、山田さんにお話を伺いました。

カクゼン桑名屋
左から洋輔、スタッフの山田さん、茂原さん
洋輔:早速スタッフの茂原さん、そして山田さんにお話を伺っていきたいと思います。
よろしくお願いします。お二人はどういったお仕事を担当されているんですか。

茂原さん:私の方が、毎日毎日のスケジューリングで、何を作るか、これをいくつ作るかを(本部に)聞いて現場に行って、それを(製造するために)どういう原料を買わなきゃいけない、仕入れなきゃいけないっていうのを現場と調整しながらお客様に迷惑をかけない納期で作り上げるという仕事をメインでやっております。

洋輔:山田さんはどういったお仕事をされているんですか。

山田さん:工場で作ってくれた商品をお客様にご案内して、また新しい商品がでた時にもご提案させてもらったりとか、主に営業ですね。

洋輔:管理と営業っていう感じですかね。
静岡の人なら一度は食べたことがあるというほど有名な8の字というお菓子ですが、あらためてその歴史から教えていただいていいですか。

山田さん:もう100余年以上になりますけれどもカクゼン桑名屋がお菓子屋として創業して、そして和菓子というか、ほとんどの菓子を作っていたんですけれどもその中で駄菓子のような焼き菓子を作り始めて、そしてだんだん原料も時代に合わせて変えてきて、今の皆さんに長く愛されている8の字になっているということですね。

洋輔:100年以上前から続いているんですね。パッケージに「静岡ボーロ」って書いてあるじゃないですか、「ボーロ」ってことは、お子さんとか年配の方にも楽しんでいただけるようなお菓子なんですよね。

山田さん:そうですね。静岡ボーロと言われる8の字は、小麦粉・卵・砂糖がメインですので皆さんに楽しんでいただけるお菓子ですね。

洋輔:8の字の味とか作り方は創業当時のままなんですか。

茂原さん:そうですね。昔は手作りで8の形を作っていたんですけど、昭和に入ってから機械化が進んで、半分自動化の形で作っていたんですけど、(味は)すべて昔のままの味、また本当に素朴な味、この点は変わらないようにということで作っております。

カクゼン桑名屋
8の字。お馴染みのプレーンだけではなく、ハチミツ、抹茶、いちご、ほうじ茶、チーズなどもラインナップ
スタジオで洋輔、影島アナ、山田門務の3人で8の字を試食。

洋輔:影島ちゃんも門ちゃんも静岡生まれだと思うけど8の字は食べたことありました?

門務:当然! あのね、本当に情けないんだけど静岡の企業だってことを知らなくって全国(展開)のお菓子だと思ってた。

影島アナ:そうなんですよ。ホントに。

洋輔:わかる。それ、静岡あるあるなんですよ。結構、全国にあると思っていたら(静岡だけっていう)、こちらの会社、100年以上歴史のあるお菓子屋さんで昔ながらの味を変えずに今でも愛されている8の字なんですけど、最近はプレーン以外の味もいろんな種類が発売されているということで試食させていただきました。

カクゼン桑名屋
試食させていただきました
洋輔:素朴でやさしい味の8の字なんですけど、今僕の目の前にパッケージがたくさんあってプレーンだけではなく、他にもハチミツ、抹茶、いちご、ほうじ茶、チーズっていう新作もあるということなんですが、早速試食させていただいてもいいですか 。

山田さん:大丈夫ですよ。

洋輔:ではいただきます。まずはプレーンから。サックサク。なんかもう懐かしい、この味。何個でも食べられる味ですよね。

茂原さん:よく言われます。

山田さん:いちご、ほうじ茶がボーロタイプでチーズ味はクッキータイプ。クッキーはきれいに穴があけられるんですね。ボーロタイプは原料の性質もあって焼いているうちにじわって8の穴がふさがっていくんですね。

洋輔:チーズいただきます。しっとり、サックサク。おいしい。ワインとかに合いそうな味ですね。買って帰ろう。おいしいです。

スタジオで洋輔、影島アナ、山田門務の3人で8の字を試食。 

門務:全部おいしい。チーズめっちゃおいしいね。お酒に合う。

影島アナ:濃厚でしたね。

洋輔:ボーロタイプとクッキータイプにわかれていて、クッキータイプは数字の8の穴がしっかりあいている。

門務:ハチミツも美味しかった。

洋輔:ハチミツも美味しいのよ。

影島アナ:やさしい甘さです。ハチミツ。美味しい。

洋輔:8の字、あらためて大好きになった。こんないろんな味が出ているのを知らなかった。

門務:ぼくもプレーンしか知らなかった。

影島アナ:パッケージもどれもかわいいですね。

洋輔:実はこの8の字を作っているカクゼン桑名屋さんなんですが数年前に静パックという会社に経営統合されたことで今でも販売が続いているんです。どんな背景があったのかくわしく聞きました。

カクゼン桑名屋
左から洋輔、スタッフの山田さん、茂原さん
洋輔:さて8の字を作っているカクゼン桑名屋さんは数年前に運営する会社が静パックという会社に引き継がれたとうかがったんですがどういう状態になっているんですか。

茂原さん:カクゼン桑名屋さんは100年以上続いていたんですけど、なかなかそのまま継続するのが難しいという話があり、どこか受け継いでいただけるところがないかという話の中でたまたま弊社(静パック)がお菓子を作っていたというご縁がありまして、経営統合して静パックがお菓子を作ってカクゼン桑名屋の屋号で販売をするという形になりました。

洋輔:静パックさんはもともとどんなものを作っている会社だったんですか。

茂原さん:もともとは100%委託というかたちで静岡で有名なお茶、紅茶、コーヒー、粉末茶をお客様の依頼で原料をいただいてそれを加工してお客様にかえすという(仕事です)。

洋輔:お茶の葉を(委託先から)いただいてそれをティーパックに入れてもどすみたいな。

茂原さん:そうです。その部門とは別にお菓子部門もあったものですから、その部門が今回8の字さんを作る工程に携わったというカタチになります。

洋輔:昔ながらの8の字を継承するにあたっていろんなことがあったんですか。

茂原さん:そうですね。機械とか場所とかは継承することができなくて、全く新しい、何もないところから、携わらせていただきました。まず8の字の形を作るのに3ヶ月ほどかかって、その後に同じ味をやはり100年続いた味を守らなきゃいけないっていうのがどうしても至上命令、使命だったので同じ味ができるかどうかを3ヶ月かけてですね、何回も試作をして、何回も手直ししていうことをやって、何とか6ケ月の間で先代の社長様のなんとか静パックにまかせられるだろうという、許可というかお墨付きをいただいて、継承ができたという経緯があります。結局、先代様がこの味を残したい、私どもとしても託されたいというその思いが、長いようで短かった6ケ月間に集約してお互いぶつかりあった結果、なんとかつなぐことができました。

洋輔:すごくいい話を聞いちゃいました。皆さん、すごく味を守るための苦労ってあるんですね。

スタジオで取材時の様子を話す洋輔。

洋輔:今回インタビューに行って、100年の歴史のある形とか味を守るためにどれだけ大変だったかもっともっとずっと聞いてたの。本当に同じ形、同じ味にするために先代の社長さんもずっと付き合ってくれて OK が出るまで何回も何回も試作をしたんだって。

門務:6ヶ月間で OKがでなかったら、もしかしたら今、ぼくら8の字食べれてない可能性もあるってことだよね。

洋輔:そうなのよ、何気なく食べているものの中にそんな歴史があるってさ、そういう苦労とかが詰まっていると思うと泣けてくるなと思って。感動しちゃうなと思って。

最後に8の字の展望について伺いました。

洋輔:先ほど試食させていただいて、8の字のプレーンの味っていうのは昔からあると思うんですけど、新しい味、いちごとか抹茶とかほうじ茶、チーズなどは静パックさんが引き継いでからできた味なんですか。

山田さん:そうですね。プレーンの味は昔から変わらない味ですので皆さんに召し上がっていただきたい商品なんですけど、8の字をまったく知らない方もいらっしゃるので、その方たちにも8の字というものを知っていただきたくて(新しい味を)販売しました。

洋輔:最後の質問ですが今後の展望を教えてください。

茂原さん:8の字は静岡からなかなか抜けきれないところがありまして、将来的には全国の方にカクゼン桑名屋の8の字を食べてみたい(と思っていただきたい)、1回は食べていただけるような商品をがんばって作っていければと思います。

洋輔:ぼくも応援していきたいと思います。今日はありがとうございました。

カクゼン桑名屋
門努:すごいなー。ホントに何気なく食べてきたお菓子ですけど、これだけ作っている人たちの思い、後につなげていこうという思いがこもっているわけじゃないですか。

洋輔:静岡の皆さんはもしかしたら全国にあるんでしょって思っている方もいると思うんで、県外に行くときのお土産とか、今後8の字をどんどんみんなで広めていきたいなと思います。

門努:われわれも食べて、お土産で渡して、広めて、これをつなげていくことが大事だよね。

洋輔:そういうことなんですよ。まだ食べたことのない味もあると思うんであらためて8の字を食べてみてください。ということで未来に残したい静岡グルメ遺産、今日は静岡市にあるカクゼン桑名屋をご紹介しました。

DATA

■カクゼン桑名屋

住所:静岡県静岡市駿河区中原713
TEL:054-285-7668

店舗のHP