[企画展・アート] 浜松市中央区 山口剛の現在展II -開窯40年記念-

個展によせて 文/山口剛
窯を開いて40年が過ぎようとしている。よく続けて来られたと思う。これは様々な支持や支援を多くの方々から戴いたお陰だと常々感謝の気持ちを忘れることはない。

当初は修業した高取焼の作風を踏襲した薄造りで端正な造形に渋めの釉薬を施した食器 茶器 花器などを中心とした実用的な作品がほとんどだった。今も基本的な部分は変わらないが、次第に自分のオリジナルな作品をと考えるようになった。色象嵌、色化粧など素地への装飾や新しい釉薬の開発、焼成方法も酸化還元、更に炭化と様々に挑戦し、独自の作風を模索した。

現在は17年ほど前から取り組んできたオリジナルの彩泥(紺彩泥)線文技法を軸においての作品作りだが、そろそろ脱却して新たな作品への取り組みが必要だと感じ始めている。40年を通過点のひとつとして捉え、枯れた作品などとは露ほども思わず前を向いて引き続き遅くはなりましたが着実に進めていきたいと考えています。

今回の個展はその途上を見ていただき、 少しでも新たな挑戦を感じていただければ幸いかと存じます。