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⚽ジュビロ磐田 2季ぶりJ1「勝負の年」 2024年、注目ルーキーピックアップ

 2月23日に開幕が迫るサッカーJリーグ。2季ぶりにJ1復帰を果たしたジュビロ磐田は早期残留確定に向けて、就任2年目の横内監督の下「勝負の年」を迎えます。元日本代表GK川島をはじめ、新たに加わった15人の顔ぶれに注目です。今年のチームの特徴についてまとめました。
⇒J1磐田試合日程(第1節~第19節)J1磐田試合日程(第20節~最終節)
⇒ジュビロ磐田の記事一覧

⚽J1ジュビロ磐田が新体制発表 「勝ち点40目指す」

 今季J1で戦う磐田は1月13日、浜松市内で新体制発表会見を開いた。昨季最終節の大逆転で自動昇格となり、2季ぶりのJ1復帰を果たした。日本代表コーチから転身し就任2年目の横内昭展監督は「まずは勝ち点40を目標に戦っていく。取れた時点でさらに上の順位を狙っていく」と早期にJ1残留を確定させた上で勝ち点を伸ばす目標を掲げた。

2024年シーズンに向け闘志を燃やす新加入選手と横内監督(前列中央)=浜松市内(浜松総局・山川侑哉)
2024年シーズンに向け闘志を燃やす新加入選手と横内監督(前列中央)=浜松市内(浜松総局・山川侑哉)
 外国人の契約を巡り国際サッカー連盟(FIFA)から補強禁止処分を受けた昨季から一転、今オフは新加入15人を迎え、半数近い選手が入れ替わった。藤田俊哉スポーツダイレクター(SD)は「昨年よりもスケールアップしてJ1を戦い抜ける選手を補強した」と説明する。
 元日本代表GK川島に加え、前線を中心にブラジル人選手を4人補強。J2熊本から加入したMF平川ら将来性豊かなタレントをバランス良く補った印象だ。一方で今オフには昨季の主力だったMFドゥドゥ、鈴木雄、FW後藤が移籍。元日本代表MF遠藤、大津が引退し屋台骨は大きく変わる。指揮官は「もう一回ゼロからのスタート。選手の長所をしっかり見てどうフィットするのか競争させる」と強調した。
 チームが目指すのは昨季に続き、球を保持しながらテンポが速いアグレッシブなサッカーだ。藤田SDは「完璧ではないが、横内監督が目指すフットボールに近い選手を選んだ。長所を発揮できればいい戦いができる」と期待を寄せた。
 浜浦幸光社長は「J1で戦う体制が整った。新たなメンバーで開幕へ準備する」と述べた。チームは14日に全体練習を始め、27日から約2週間の鹿児島キャンプに入り、2月下旬の神戸とのホームでの開幕戦に備える。
(運動部・名倉正和)
新加入選手の一言GK川島(ストラスブール) ほかの選手よりいろいろな経験をしてきた。新しい風を吹かせるように駒としてやってきたい。
 GK坪井(神戸) シュートストップとビルドアップが武器。神戸との開幕戦は複雑だが、持てる情報を有効に使いたい。
 GK杉本(立正大、磐田ユース出) 再び磐田に戻り、プロキャリアを始める。フレッシュさを生かしてチーム目標を達成する。
 DF西久保(千葉) 1年を通してけがなく全力で戦い続ける。攻撃でも守備でも空中戦と前への推進力が自分の持ち味。
 DF・MF朴(東邦高) プロになる夢があったのでうれしい。センターバックもボランチもできる。空中戦と配球が武器。
 DF川崎(讃岐 このチームで数多くのタイトルを取れるように、できることを頑張る。運動量と対人の強さを見てほしい。
 MFゴメス(ECヴィトーリア) ボランチとして失点しないためのマークが長所。しっかりつないで攻撃を助けることができる。
 MFジョゼ(グアラニ 一番の武器はスピード。相手の弱点を突いて仕掛けるのが好き。右、左関係なくサイドでプレーできる。
 DF高畑(大分) 昨年磐田と対戦した時は全然球が取れなかった。セットプレーのキックやクロスの質では負けたくない。
 MF平川(熊本) トップ下で話をいただいた。磐田は攻撃も守備もアグレッシブで魅力的。やっていて楽しくフィットしやすい。
 MF植村(早大) 内定から1年半は長かったが、加入できて幸せ。ここからがスタート。チームの中心になれるように頑張る。
 MF石田(大田) Jリーグ時代はドリブラーだったが、Kリーグでは全部平均以上を目指した。MFで右も左も中央もできる。
 FWペイショット(アトレチコ・ゴイアニエンセ) フィジカルや空中戦に自信がある。前からプレスをかけることもできる。
 FWウェベルトン(ニューイングランド・レボリューション2) 以前から日本でプレーしたかった。空中戦、スペースへの動き出しで勝負する。
 ※MF中村(福岡)は体調不良のため欠席。
【2024年 磐田メンバー】
 数字は背番号。白抜きは新加入。12はサポーター番号。※は契約交渉中
 ❶ GK 川島永嗣
 ❷ DF 川崎一輝
 3 DF 森岡陸
 4 DF 松原后
 5 DF 小川大貴
 6 DF 伊藤槙人
 7 MF 上原力也
 8※MF 大森晃太郎
10 MF 山田大記
11 FW ジャーメイン良
13 MF 藤川虎太朗
14 MF 松本昌也
15 DF 鈴木海音
(16) MF レオゴメス
(17) FW ウェベルトン
(18) DF 高畑奎汰
(19) MF ブルーノジョゼ
(20) GK 坪井湧也
21 GK 三浦龍輝
(24) GK 杉本光希
(25) MF 中村駿
(26) DF 西久保駿介
28 MF 鹿沼直生
31 MF 古川陽介
(35) DFMF 朴勢己
36 DF リカルドグラッサ
(37) MF 平川怜
40 MF 金子翔太
(41) MF 石田雅俊
(50) MF 植村洋斗
77 MF 藤原健介
(99) FW マテウス ペイショット

【2024年 磐田スタッフ】
 【トップ】監督 横内昭展▽ヘッドコーチ 三浦文丈▽コーチ 西野泰正、藤田義明▽GKコーチ 川口能活▽フィジカルコーチ 中馬健太郎▽アシスタントフィジカルコーチ 稲田崚佑▽チーフアナリスト 酒井清考▽アナリスト 原田貴志▽チーフトレーナー 阿部貴弘▽PT 大城豊浩▽アスレチックトレーナー 大津賀祐介、照井和将▽チーフマネジャー 喜屋武雄一▽マネジャー 正木秀樹、谷川聡哉▽通訳 赤阪弘昭、上原アントニオダニーロヒデキ、ガブリエル
 【アカデミー】アカデミースーパーバイザー 石井知幸▽ユース監督 西紀寛▽ユースコーチ 世登泰二▽ユースアシスタントコーチ 望月健伍▽ユースGKコーチ 八田直樹▽ユースフィジカルコーチ 小野響也▽ユースアスレチックトレーナー 須田智博▽U―15監督 松下幸平▽U―14コーチ 奥沢健矢▽U―13コーチ 松田賢人▽U―15GKコーチ 小池公人▽U―15アスレチックトレーナー 佐々木達也▽U―15セントラル監督 岸本衛▽U―15セントラルU―14コーチ 徳弘幸太郎▽U―15セントラルU―13コーチ 細井一▽U―15ウエスト監督 鈴木将方▽U―15ウエストU―14コーチ 鈴木順也▽U―15ウエストU―13コーチ 井波靖奈▽U―15イースト監督 伊藤良馬▽U―15イーストU―14コーチ 望月数馬▽U―15イーストU―13コーチ 吉田裕幸▽チーフマネジャー 篠崎秀陽▽マネジャースカウト担当 山崎光太郎▽GKアドバイザー 森下申一

〈あなたの静岡新聞 2024.1.14〉
 

【ルーキー紹介①】MF植村洋斗 引退レジェンド遠藤氏「50」受け継ぐ

 J1磐田の新人MF植村洋斗(22)は、現役を引退した遠藤保仁氏が背負った背番号50を受け継ぐ。「早くあのレベルに追い付き攻撃も守備も何でもできる怖い選手になりたい」。早大で3年から10番を託されたボランチは国内最高峰の司令塔を目指すつもりだ。

現役引退した遠藤氏の背番号50を引き継ぐ植村=ヤマハ大久保グラウンド
現役引退した遠藤氏の背番号50を引き継ぐ植村=ヤマハ大久保グラウンド
 昨季は特別指定選手として、昨年5月24日のルヴァン杯鳥栖戦でプロデビューを果たした。終盤途中出場し、15分のみだったが「自分のパフォーマンスは出せなかったが、プロの強度やレベルが見えてきた」と手応えをつかんだ様子だった。
 長所は球を持った時の足元の技術とアイデアの豊かさ。幼いころから器用でGK以外の全てのポジションを経験した。横浜M下部組織時代の中2でボランチに抜てきされ、それ以来守備的MFが主戦場。「どこにパスを出すのか、どこにドリブルするのか見てほしい」とアピールする。
 巧みな球さばきは元日本代表MF大島僚太(川崎、静岡学園高出)に似ていると周囲に言われたことがある。「テクニックのある選手で参考になるが、あくまで自分は自分」と独自の存在感を示す道を模索する。
 3年時に磐田から内定が出て正式加入までの1年半は長く感じたという。昨年の鹿児島キャンプも既に経験していてチームにもスムーズになじめそうだ。「目標は1年間を通して試合に出続けること。得点とアシストを足して10は取りたい」と力強い。
〈あなたの静岡新聞 2024.1.25〉

【ルーキー紹介②】DF・MF朴勢己 堂々の体格、高さ生かす

 184センチ、76キロの堂々たる体格はプロの練習に交じっても、見劣りしない。今季チームで唯一の高卒ルーキーは「ずっとプロになる夢を持っていた」と喜びを隠さない。

DF・MF朴勢己
DF・MF朴勢己
 東邦高(愛知)では主将を務め、全国選手権、総体に出場。センターバックとボランチが主戦場だ。本人が「空中戦と配球が武器」と話すように、高さを生かしたヘディングと前線への正確なフィードが持ち味。DFでもMFでも「“ここ”という所でボールを止める」と球際の強さもPRする。
 目標とする選手は元スペイン代表MFブスケツ(マイアミ)。ボール回収能力に優れたボランチで大柄ながら「360度見渡せて試合を組み立てることができる」。自らが目指すべき将来の姿を重ね合わせる。
 昨年6月の磐田への練習参加時には、これまで感じたことがない強度と技術の高さを体感した。ホームのヤマハスタジアムは「サポーターと近く気持ちが入る」。鳥栖でプレーした父永浩(ヨンホ)さんと肩を並べるため一日も早くそのピッチに立つつもりだ。
〈あなたの静岡新聞 2024.1.26〉

【ルーキー紹介③】GK杉本光希 けがからの復帰目指す

 磐田ユースで3年間を過ごし、立正大を経て一回り成長してトップチームへ帰ってきた。「大学の4年間は自分を見つめ直すいい時間だった」。昨夏の全国大会で16強入りを果たし、チームプレーの大切さを実感した。

GK 杉本光希
GK 杉本光希
 新潟県出身で小学3年からゴールを守り、大学2年時には世代別日本代表にも選ばれた逸材だ。181センチの身長と反射神経を生かした至近距離からのシュートストップが持ち味。「フレッシュさを生かしたい」とがむしゃらに、泥くさく食らいつくつもりだ。
 磐田には14年ぶりにJリーグ復帰した元日本代表GK川島、昨季の正GK三浦と生きた手本が身近にいる。さらに川島と並び、憧れの存在だった川口GKコーチから指導を受ける。「成長するにはぜいたくな環境」と、どんなアドバイスにも熱心に耳を傾ける。
 大学時代に痛めた左足のけがの影響でまだ全体練習には合流せず、別メニュー調整が続く。「まずはけがから復帰する。そしてリーグ戦でデビューするのが大きな目標」。じっくりとリハビリをこなしながら、プロの舞台を見据えている。
〈あなたの静岡新聞 2024.1.27〉