〇委員の意見〇
・富士山の存在の意味を人々の心に強く焼き付けた番組だった。火の山のエピローグに流れた「富士山は高くそびえています。人の心にも」という言葉が、心に響いて印象に残った。
・映像が美しく、ナレーションも穏やかでよかった。山梨県側からの映像が多かったと思う。富士山を世界遺産として守るためには、地元の人々が富士を誇りに思い、知識を深めることが必要。そのためには今回のような番組を地元の学校教育に役立ててもらうことで、富士に対する愛情、信仰、畏敬の念などが深まってくると思う。
・富士山について、知らないことが多いと気づかされた。女性のナレーションは見る側の想像力を高めてくれる語り口で良かった。しかし、途中に男性のナレーションが入ったが、入れ方が不自然で違和感を覚えた。
・映像がすばらしかった。「お鉢巡り」「赤富士」「幻の滝に一滴の雫が発生するところ」が特に印象的だった。また、赤富士の由縁を始めて知った。Facebookにもきれいな映像を出したり、世界遺産登録前後の動きや盛り上がりの様子がわかり新たな情報発信ツールとして良かった。
・「火の山篇」は、溶岩や樹海下のトンネルなどあまり目にすることがなかった富士山の姿に、人間の力ではどうしようもない自然の力の畏敬の念が信仰につながってきたのだと感じた。「水の山篇」では、季節ごとの富士山の映像がとても美しくきれいだった。富士講の話は興味深かった。
・各局が富士山を取り上げているが、この番組は独自性があり見応えがあった。番組の構成は、「火の山」の方がテーマに沿った構成を立てやすい分盛り上がっていたが、「水の山」はややトーンダウンした印象を受けた。
・「火の山」「水の山」として崇められている理由を含めて、美しく、神秘的で雄大な雄姿を、歴史を通して詳しく紹介されたことは、富士山が信仰の対象であり続けていること、芸術の源泉として位置付けられていることを改めて強く認識した。 |