「靴磨きバー」開店目指す! 若き孤高のシューシャイナー・杉村祐太さん~ソノ仕事×コノ絶景・Y's Shoeshine
こんにちは。今回初めてブログを書かせて頂きます! 10月16日付朝刊「ソノ仕事×コノ絶景」では、静岡市の中心街などを拠点に活躍する靴磨き職人杉村祐太さんを紹介しました。紙面では秘密にしていたのですが、実は杉村さんの鮮やかな靴磨きを見ているうちに、たまらず「僕の靴もきれいにして下さい!」とお願いしてしまいました。(も)
(紙面を見て磨き方を詳しく知りたい!と思った方のために、杉村さんからレクチャーを受けた内容を紹介します)
杉村さんは、私の靴を手に取るなり「革が乾いていますね・・・」と一言。思えば、日々の取材で、雨風の中を共に駆けたこともありました。ダメージが蓄積していて当然だったのかもしれません。
まず、馬毛のブラシで全体のほこりを払った後、手の指で少量のクリームを取り、数回に分けて革に擦り込んでいきます。指を使うのは、摩擦と体温でクリームを温めることで、浸透しやすくする効果があるからだそうです。「押し込むように」適度に力を込めて擦り込んでいきます。
その後は一度布で拭いてあげると良いそうです。「きれいに仕上げるために、余分なクリームを取ってあげます」(杉村さん)。
この時点でも十分なツヤが出ているのですが、靴磨き職人の本領発揮はここから。指に巻き付けたネル地の布で、鏡のようにピカピカに磨きあげる「ハイシャインポリッシュ」です。ワックスと少しの水を混ぜて行うことは紙面でも触れましたが、この作業では水の分量が何より重要。鍵を握るのが「ハンドラップ」という円錐型の器具です。
上部を押下することで、水を噴出します。医療用としても使われている正確性で、毎回一定量の水を布にしみこませることができます。これが「ワックスを伸ばすのに絶妙な加減」だそうで、「コレがなくっちゃ」の選定ではブラシと最後まで迷われていました。
ワックスやクリームの容器もキラキラしていて素敵です。こんなシューケア用品をリビングで広げて、手際よく靴磨きしていたら、家族から「カッコイイ」と、普段とは違うまなざしを感じられるかもしれませんね。
なんてことを考えている間に、いつの間にかピカピカになっている僕の靴。
完成です。くすんでいた革靴が、まるで最高級の赤ワインのような色合いになりました。宝石のようなツヤにも惚れ惚れします。
あまりの美しさに「飾ろう、一生履かない」と思わずつぶやくと、「靴は道具ですから。大切に、たくさん履いてあげて下さい」と杉村さん。モノに対する真摯な考え方にも、学ぶべきところがあります。
自身も靴を磨くことで、それにふさわしい人間になろうという意識が生まれ、細やかな気配りや上品な所作が身に付いたといいます。「靴を丁寧に扱うことは、丁寧に生きることに繋がるのだと思います」。
普段靴磨きをしていない皆さんも一度杉村さんに靴をきれいにしてもらうと、背筋が伸びて、人生そのものが美しく変わるのかもしれません。
取材を受けて頂き、ありがとうございました!
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