ひそかに誇る発酵泡 「地の味 人の味」友和組合
食の連載「地の味人の味」。3月10日は熱海市の七尾たくあんを作る友和組合を紹介しました。地元の大根農家5軒が共有する漬け物工場です。(宮)
漬けだるは、直径と深さが約2メートル。地元産の大根をびっしり詰め、むらがないようにぬかと密着させます。ふたをしたら3年。オーダーがあるだけ、順次取り出します。写真はすでに半分くらい取り出したたる。ぬかの表面が下がっていることが分かります。全部取り出して底に達すると、長身の大人でも頭まで隠れてしまいます。奥に見える漬物石も、ちょっと持てない重さです。
ふたを開ける前のたるは、表面に発酵泡が染み出ます。見た目はあくのような感じ。組合がひそかに誇るしょうゆだし風味。「このまま捨ててしまうのは惜しい」との声も聞こえてきます。たくあんの味とは直結しませんが、こんな副産物を生むたくあん、かじる前から期待が高まります。
洗った大根は毛羽を取り、両端を落として大きさをそろえます。46年前に始めた真空パック包装は当時まだ珍しく、「新聞紙でくるんで持ち帰るより、匂いがしない」「電車やバスで持ち帰りやすくなった」などと喜ばれたそうです。
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