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こども環境大使がハワイで研修

001)静岡こども環境大使

自然、文化の多様性実感ー火山公園や農園訪問

 地球規模で環境問題を考える子どもの育成を目指す「静岡こども環境大使」(静岡新聞社・静岡放送、県主催、エコロジック協力)で、大使に選ばれた県立浜松西高中等部2年の永田真理奈さん(14)と湖西市立白須賀中2年の片山愛菜さん(14)が8月20~26日、米ハワイ州のハワイ島で環境学習に取り組んだ。テーマは「生物多様性」。2人は、キラウエア火山周辺で自然を観察したり、日本人移民が発展を支えたとされるコナコーヒー農園を訪問するなどして、「文化や特性を認め合い、バランスを保つことが大切」との思いを強くした。
 
 
 
 
 
 2人が降り立ったハワイ島。“Big Island(大きな島)”の異名にふさわしい広大な大地を車で進むと、赤や黄色のハイビスカス、首飾りに使われるプルメリアが咲き乱れていた。
 「ほとんどが外来種だよ」。同行するコーディネーターの新谷雅徳さん(41)が言った。実は、“ハワイらしい”とされる景色の多くは人間や動物が運んだ外来の動植物からなるという。島では近年、こうした“外来種”の存在が問題となっている。
 
 噴煙を上げるキラウエア火山を囲むハワイ火山国立公園。2人が森に足を踏み入れると、3メートル近くもあるシダやハワイ原産のオヒア・レフア、コアなどの木々が群生していた。地元では“ハワイ古来の森”と呼ばれる。
 しかしこの森も、外来生物の侵入に脅かされている。まきにするために海外から持ち込まれたファイアウッドがハワイ古来の種を取り込みながら、あちこちに根を伸ばしていた。レンジャーと呼ばれる同公園のガイドが除去に奔走しているが、成長が早く、すべてを取り除くことはできない。自然は、形を変えたり性質を変えながら、その土地に適応しようとしていた。新谷さんは木々を見つめながら話した。「自然をよくするも悪くするも人間次第だよ」
 
 一方、外来種がハワイ島で“共存”している例もあった。
 島西部のキャプテンクックに位置する「内田ファーム」。1906年に移民として熊本から島にやってきた内田大作さんのコナコーヒー農園だ。内田さんの子どもたちが農園を離れた後、日本人移民の歴史を伝える史料館として日系人が中心となり管理している。
 
 2人はオスパ・マキコさん(38)の説明を受けながら農園を回った。溶岩の上での作業を楽にするはしごや古タイヤで作ったかご。現在もコーヒー農園で使われているこうした道具の多くは、日本人移民が作ったものだという。マキコさんは「日本人の知恵が受け継がれているの」と説明した。
 当時、約10万人の日本人が移民としてハワイにやってきたという。多くはコーヒー栽培など農業に従事し、子孫を残した。今も、日系人は島の人口の約20%を占める。
 島にとっては“外来種”である日本の文化がなぜ今も残されているのか―。2人は、島に住む日系人に尋ねた。
 日系4世のナツコ・伊沢さん(58)は「わたしはジャパニーズ=ハワイアン。二つの文化に違和感がなく、両方を誇りに思っている」ときっぱり。日系3世のメルビン・森本さん(56)は日系人としてのアイデンティティーを示した上で「互いに文化を認め合う必要がある。決して一方通行ではない」と話した。
 日本人のプライドや謙虚さ、そして生活文化―。日本から6千キロ以上離れたハワイ島で、日本人の心が確かに息づいていた。片山さんは「次世代に日本文化が伝えられていてうれしい」と涙を浮かべ、永田さんは「自分の文化を守り、ほかの文化も認められるようにしたい」と力を込めた。
 
「地球守る」意識を共有ー州立環境学校に体験入学
 
 片山さんと永田さんは、島西部のカイルア・コナ地区にある州立環境学校も訪れた。自然学習に参加したほか、生徒と環境保全について語り合った。
 “百聞は一見にしかず”という日本のことわざをコンセプトにした同校では、テントの下で体験型の授業や研究を行っている。生徒は10~18歳の約120人。
 2人は森の中で島固有の植物の植生を学ぶ授業などに参加し、最終日にそれぞれが日本で行った環境活動を同校の生徒たちに紹介した。
 片山さんは地元の森や川の保全活動を、永田さんはごみの分別などを英語で紹介した。生徒から「ごみの処分方法は」「外来種によって自然が破壊されることはあるのか」―などの質問が上がり、議論を交わした。
 2人の発表を聞いた生徒たちは、日本の“仲間”へのメッセージを紙に書き込んだ。「同じ海を共有している」「大地を守ろう」「もっと環境について話し合いましょう」―。2人も「またハワイに来ます」(片山さん)「環境を守る最善の努力をします」(永田さん)と書き添えた。
 
 
 
<体験を終えて―県立浜松西高 中等部2年 永田真理奈さん>
英語で思い伝えられた 
 貴重な体験をすることができました。キラウエア火山を見学したりコナの海を観察したことで、自然の雄大さを感じました。環境学校では、文化祭でのエコ活動について英語で説明し、自分の思いを伝えられたことがうれしかったです。ハワイ島の自然に対する考え方も学べました。
 島で出会った人は、国や文化の違いを気にせず温かく受け入れてくれました。彼らから「地球の人々は皆大きな家族。地球に住む家族全員で環境問題を考えなければならない」という言葉を聞いた時は感動しました。
 また、自然を敬う気持ちを皆が持っていました。自然に生きる神を信じ、自然を侵さない努力をするからこそハワイ島の自然は美しいのだと実感しました。自然は彼らにとって身近なものでした。
 ハワイ島の人が持つ豊かな精神を皆が持ち続けていかなければならないと思います。外から入ってきた人が、島の美しい自然を壊してはならないのです。森や自然を守りたい気持ちはハワイも日本も同じです。抱えている問題は違っても互いに学ばなければならないと思いました。
 
 
 
<体験を終えて―湖西市立白須賀中 2年 片山愛菜さん>
動植物の違い興味深い
 ハワイでは「生物多様性とはどういうことか」というテーマを持って、動植物を観察したり説明を受けたりしました。
 国立公園には、日本では見られない光景が広がっていました。木々の背が高く、葉は大きく、緑が生い茂っていました。日本の気候と違う土地で、多くの動植物が生きていました。
 興味を持ったのが鳥です。色とくちばしの形に驚きました。さまざまな種類の鳥がいますが、その鳥たちは1種類の鳥から進化したと知りました。今生きている鳥たちは、食べ物やすみかなどの環境に合わせて形を変えてきました。
 ハワイの生物が環境に合わせて体を変えたということは、日本にすむ生物も環境に適応させているということです。色や形が違うのはもっともです。多様な生物が生きているのは、環境によるものだと分かりました。
 人間を含め、地球上の生物はバランスよく生きています。1種類でも欠けたらバランスは崩れてしまいます。アイデアを出し合い、それぞれの生物に適した環境が守られるようにしなければならないと思いました。

コメント (2)

2人ともよく頑張りました!!日本とハワイ島の架け橋になるべくこれからも大事な人にこの経験を語り継いでいってください。

コメント (2)

素晴らしい体験になったと思います
日本という一つの国だけではなく、異文化に触れる世界に視野を広げる
という事はとても自分の成長になる事と思います。
貴重な体験を忘れずに これからも頑張ってほしいと思います。

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