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大自在(4月24日)熱中症特別警戒アラート

 きのう発表された気象庁の3カ月予報によれば、5~7月は暖かい空気に覆われやすく全国的に気温は高いという。今年もまた暑くなるのか。覚悟しておいた方がいいだろう。
 都道府県内の全ての地点で「暑さ指数」が35以上になると予想されると発表する熱中症特別警戒アラートの運用が、きょうから始まる。33以上で出ていた現行の警戒アラートの上位に新設された。暑さ指数は気温、湿度、放射熱などから算出する指標。28を超えると熱中症発生率が急増するといわれる。
 現行のアラートは昨年、全国で延べ1232回。2021年の613回から2年で2倍になるなど、リスクは高まっている。特別警戒アラートは、熱中症に気づくだけでなく、予防行動を実践してもらうのが狙い。
 「子どもは夏の暑さに弱い。その弱さは大人以上」というのはスポーツ医学の中村大輔博士。大人と比べて体重当たりの表面積が広く、外気の影響を受ける。身長が低く地面から放射熱の影響を受けやすい。
 思春期前は発汗機能が発達途上でもある。「暑さを味方につけるHEATトレーニング」(扶桑社)に書いていた。中村博士は、子どもは自己主張がうまくできない可能性もあると指摘する。
 牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で22年9月、園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が送迎バスに置き去りにされ、高温の車内で死亡した。事件はきのう、業務上過失致死罪に問われた前園長と元クラス担任の2被告の初公判があった。熱中症の怖さを改めて理解し悲劇を繰り返してはならない。

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