袴田さんの再審「開始を」 都内で支援集会 国会議員ら検察批判

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑判決が確定し、裁判のやり直し(再審)を訴えている袴田巌さん(86)の支援集会が12日、都内の衆議院第2議員会館であった。与野党の国会議員が足を運び、差し戻し審で袴田さんの再収監を要求した検察側の姿勢を批判。参加者は再審開始を強く求める集会アピールを採択した。

袴田巌さんの支援集会で再審開始を期待する塩谷立氏=12日午後、都内
袴田巌さんの支援集会で再審開始を期待する塩谷立氏=12日午後、都内

 袴田巌死刑囚救援議員連盟の塩谷立会長(衆院比例東海)は「地元としては『再審開始を速やかに』という思い」と強調した。社民党の福島瑞穂党首は再審法制の不備を挙げて「超党派で力を合わせ、刑訴法の再審部分の改正を勝ち取っていきたい」と述べた。
 茨城県で67年に発生した「布川事件」で再審無罪となった桜井昌司さん(75)は「証拠を隠す検察庁を許してどうするんですか」と立法府の責任を指摘。「国会議員の力を借り、法律を変えたい」と意気込んだ。
 オンラインで集会に参加した袴田さんの姉ひで子さん(89)は「(検察側が)再収監とか言っているけれど、再審開始になれば一蹴される」と思いを語った。
 袴田さんの死刑判決は、80年12月12日に確定した。

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