清水エスパルス新体制 ロティーナ新監督、攻守両面向上へ意欲

 J1清水は15日、オンラインで今季の新体制を発表した。ロティーナ新監督は「良い攻撃ができれば守備の時間は減る。それが一番良い守備」と述べ、攻守両面の向上に意欲を示した。

清水での活躍を誓う新加入の(左から)原、鈴木、指宿、ディサロ、権田、中山、片山、永井、成岡=三保グラウンド(清水提供)
清水での活躍を誓う新加入の(左から)原、鈴木、指宿、ディサロ、権田、中山、片山、永井、成岡=三保グラウンド(清水提供)

 清水は昨季、ボールを保持して主導権を握る攻撃的なサッカーを志向した。得点はリーグ6位の48だったものの、失点は最多の70。守備の不安定さが低空飛行を続けた主要因となった。昨季までC大阪の監督として対戦した指揮官は「清水は良いサッカーをしていたが、得点と失点のバランスが良くなかった」と課題を指摘する。
 ロティーナ監督は堅実な守備組織の構築に定評があり、率いたC大阪は2019年にリーグ最少、昨季もリーグで3番目に少ない失点数と堅守を誇った。「攻守は連動している」と組織的な戦い方の強化に目を向ける指揮官に、大熊清ゼネラルマネジャー(GM)は「良い攻撃のために守備を構築する監督。良いチームをつくってくれると思う」と手腕に期待を寄せた。
 ロティーナ監督は再来日に伴う隔離期間中のため16日の始動からは合流できず、オンラインなどを活用しながら指揮に当たる。外国籍選手も合流が遅れる見込みで、ブラジル人DFウィリアム・マテウスは政府が外国人の新規入国停止期間に設定する2月7日まで来日はできないという。

 ■的確補強 競争力が鍵
 現役日本代表GKにJ1クラブの主力DF、ポルトガルリーグ得点ランキング上位の点取り屋-。多彩な新戦力を獲得し、的確な補強に成功した清水はオフシーズンの話題をさらった。低迷した昨季からの巻き返しを図る、クラブの本気度の証しと言える。
 戦力が大きく充実したのが守備陣だ。2年連続リーグ最多失点の最優先課題の解消に向け、最後方に代表GKの権田を補強。J1大分で昨季まで166試合連続フル出場を果たしたセンターバックの鈴木、J1鳥栖で主力を担った東京五輪世代の原といった即戦力候補も仲間入りした。
 FW陣の上積みも着実に行い、ポルトガルリーグで今季9試合7得点を挙げたブラジル人のチアゴ・サンタナ、昨季のJ2得点ランキング2位のディサロら、実力者や成長株を確保。持ち味の異なるタイプが複数人そろい、厚みが増した。
 全20チームで戦い、4チームが降格する厳しい今季を乗り切るには総合力が欠かせない。「ACLやタイトルを狙わなければならない」と大熊GMが意欲を示す目標に向け、新顔がチームにもたらす競争力が鍵となりそうだ。

 ■2021年清水メンバー
1 GK 大久保択生
2 DF 立田 悠悟
●3DF ウィリアム・マテウス
●4MF 原 輝綺
5 DF ヴァウド
6 MF 竹内 涼
●7DF 片山 瑛一
8MF 石毛 秀樹
●9FW チアゴ・サンタナ
10FW カルリーニョス・ジュニオ
●11MF 中山 克広
13MF 宮本 航汰
14FW 後藤 優介
16MF 西沢 健太
17MF 河井 陽介
18DF エウシーニョ
●19FW ディサロ燦シルヴァーノ
20MF 中村 慶太
21DF 奥井 諒
22MF ヘナト・アウグスト
23MF 鈴木 唯人
●25GK 永井 堅梧
○26MF 滝  裕太
●27FW 指宿 洋史
29DF 福森 直也
30MF 金子 翔太
○34DF ノリエガ・エリック
○36FW 栗原イブラヒムジュニア
●37GK 権田 修一
●40MF 成岡 輝瑠
●50DF 鈴木 義宜

※数字は背番号。●は新加入。○は期限付き移籍からの復帰。12はサポーター番号

 ■2021年清水スタッフ
 【トップ】監督 ロティーナ▽ヘッドコーチ イバン・パランコ▽コーチ 平岡宏章、篠田善之▽コーチ兼分析 栗山友文▽GKコーチ アダウト▽フィジカルコーチ トニ・ヒル・プエルト、国保塁▽分析担当 森脇瑞貴▽チーフドクター 土井光人▽チーフトレーナー 中山貴幸▽理学療法士 マーシャル・マサシ・サイトウ▽トレーナー 前沢龍一郎、加藤智崇▽アスレチックトレーナー 志村稜平▽分析兼通訳(スペイン語) 小寺真人▽通訳(ポルトガル語) ルイス・メイレレス▽強化担当兼通訳(スペイン語、ポルトガル語) 寺崎大悟▽強化担当兼マネジャー 遠藤洋▽マネジャー 松永格▽用具担当 西山敬大
 【ユース】監督 岩下潤▽コーチ 小野木玲、久保山由清▽GKコーチ 羽田敬介
 【ジュニアユース】U-15監督 市川大祐▽U-14監督 横山貴之▽U-13監督 加藤慎一郎▽GKコーチ 掛川誠
 【ジュニア】U-12清水 太田貴光(U-12監督)、新村泰彦(U-11監督)、鈴木隼人(U-10監督)▽U-12三島 但馬佳樹(U-12監督)、関谷洋平(U-11監督)、和田雄三(U-10監督)
 【アカデミー】フィジカルコンディショニングコーチ 斎藤佳久、宮本幸則▽トレーナー 若松昌典▽SS静岡U-14監督 渡辺誠▽アカデミーヘッドオブコーチング 森岡隆三

 ■新加入選手一言
 GK権田 シュートを打たせない守備にこだわり、チームメートと練習から構築していきたい。1試合1失点以下を目指す。
 GK永井 ずっとJ1でプレーしたいと思っていた。ゴールを熱く守りたい。攻撃の第一歩となるフィードを見てもらえたら。
 DFウィリアム・マテウス 攻守両面での貢献が自分の特徴。クラブの発展と勝利のため自分の力を最大限発揮する。
 DF鈴木 90分間安定したプレーをすることを心掛けている。選手として成長するため移籍を決めた。強い覚悟を持って戦いたい。
 DF片山 GK以外ならどこでもこなせる自信がある。ロングスローも投げられるので見てほしい。飛躍の年にできるよう頑張る。
 MF原 このクラブならすごく良いチャレンジができると思い加入を決断した。チームのために堅実にプレーしていく。
 MF中山 スピードが武器でクロスも得意。得点とアシストで2桁に乗せたい。右サイドは中山が良い、と言われるようになる。
 MF成岡 昨季は2種登録で試合に出場できたが、目に見える結果を残せていない。得点やアシストを求めていきたい。
 FWチアゴ・サンタナ 質の高い選手と競争しながら自分の経験を伝えられたら。チームに貢献するプレーを積極的に行っていく。
 FW指宿 高さを生かしたプレーが特徴。周囲の選手と良い関係性を築き、勝利に貢献するため得点を重ねていきたい。
 FWディサロ 多彩な得点パターンでチームを助けたい。自分が一番得点を取るという思いでやっていく。

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