【頑張る 君に】人とのつながり大切 男子バレーボール日本代表/藤井直伸(東レ)

 宮城県石巻市雄勝町の実家は東日本大震災で津波に襲われた。被災後、近所の住民はもちろん、母校の古川工高のOBも手伝いに来てくれた。自分一人じゃどうにもできない状況で人と人とのつながりの大切さを知った。

東レの司令塔を担う藤井=2月、草薙このはなアリーナ
東レの司令塔を担う藤井=2月、草薙このはなアリーナ

 当時は大学1年生。地元を離れて生活していた自分に、両親は「帰ってこなくていいよ」とバレーボールを続けさせてくれた。故郷の人たちが応援してくれていることも聞いた。その気持ちをしっかり受け止めて、今までやってきた。
 東京五輪は延期になったが、前向きに捉えている。昨季は自分のプレーに納得していなかったので、もう1年調整ができる。今は代表合宿の再開に向けて、準備している。
 楽しみにしていた舞台を失った中高生は、本当に苦しいと思う。でも何より人命が最優先。命あるからこそ人のために動けるし、今しかできないこともある。つらい時は自分の中に気持ちをとどめず話すことも大切。経験はいつか役に立つ。

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