長谷部選手、金星に導く サッカーW杯コロンビア戦

(2018/6/20 08:01)
長谷部誠選手の応援に駆け付けた父敏之さん(左)ら後援会のメンバー=19日、サランスク

 サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本は19日、サランスクで行われたコロンビアとの1次リーグ初戦を2―1で競り勝った。静岡県勢の長谷部誠主将(アイントラハト・フランクフルト、藤枝東高出)は集大成の覚悟の思いを秘めて戦い、4年前の雪辱を果たした。大島僚太選手(J1川崎フロンターレ、静岡学園高出)は出番はなかったが、2人の地元で行われたパブリックビューイング(PV)では、サポーターらが歴史的な勝利をかみしめた。
 
 ■長谷部選手、負傷克服 大舞台で輝き
 【サランスク(ロシア)=静岡新聞社特派員・岡田拓也】紆余(うよ)曲折を経て、人生を懸けたピッチに戻ってきた。サッカーのワールドカップ(W杯)3大会連続出場の長谷部誠主将(34)=アイントラハト・フランクフルト、藤枝東高出=が日本代表の初戦のコロンビア戦に先発した。2010年南アフリカの歓喜と14年ブラジルの屈辱を味わった舞台。「心身ともに最高の状態」で迎える集大成の大会が始まった。
 17年3月、長谷部選手に悪夢が襲った。ドイツのクラブでの試合中にゴールポストへ激突し、右膝を痛めた。W杯アジア最終予選の真っ最中だった日本代表から「断腸の思い」で離脱した。
 「膝が壊れてもいい」。覚悟を決め、ロシア大会出場を懸けた同年8月のオーストラリアとの大一番に出場した。悲壮感すら漂う表情に、長谷部選手の父敏之さん(61)は「日本代表に懸ける強い思い」を感じたという。
 本大会出場を勝ち取ったが、代償は大きかった。状態は悪化し、再び戦線を離脱。復帰後はクラブでも試合に出たり出なかったりの日が続いた。「良いと聞けば何でも取り入れた」という治療も効かなかった。痛みが治まらず、近い将来の引退さえも頭をよぎった。
 しかし、期せずして状況は好転した。年末年始の中断期間に受けた治療が合い、痛みが消えた。敏之さんは18年始めの試合で果敢なスライディングを披露する息子の姿に「安心できた」と状態の良さを確認した。
 過去2大会とは異なり、結婚し、子どもも生まれた。長谷部選手の成長を見守ってきた両親は「今までで一番、表情がいい」と感じる。「今回が本当に最後。記憶に残る試合をして、次の世代につなげてほしい」と願う。

 ■「頑張った」 長谷部選手の両親涙
 サランスクに駆け付けた静岡県関係のサポーターも歓喜に沸いた。長谷部誠選手の父敏之さん(61)と母正代さん(61)も息子の勇姿を見守った。
 「4年前と違い今回は期待されていない。頑張ってきた分、何かを起こしてほしかった。胸にこみ上げる物があった」。4年間の苦悩を見て来た敏之さんと正代さんは思わず涙した。試合前日に長谷部選手に激励のメッセージを送ったという正代さんは「結果が出ればあの子たちのためになる」と今後の活躍も期待した。
 両親と共にロシア入りした後援会は日の丸に「長谷部誠」と書いた横断幕を新調。持参した渡辺芳隆副代表が「しっかりとチームを統率して」と話す期待通りの活躍だった。

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