パラリンピック「開催信じて、前に」 静岡県勢、1年後へ再始動

(2020/8/24 12:00)
杉村英孝

 2021年夏に延期された東京パラリンピックは、24日で開幕まで1年。コロナ禍の出口は見えないが、予定通り開催されれば1年後は県勢のメダルラッシュに県内が沸きそうだ。2大会連続の表彰台をめざすボッチャの杉村英孝(伊豆介護センター)と、車いすラグビーの若山英史(あしたかケアセンター)は、開催を信じて前に進んでいる。

 ■ボッチャ・杉村 大黒柱「勝つために準備」
 「当たり前だったことが当たり前ではなかった」と感じる今だからこそ、杉村はメダルを目指して競技に集中できる喜びをかみしめる。周囲への感謝の思いを胸に、「今できること、今だからできることに取り組みながら準備していくだけ」と力を込める。
 ボッチャは重症化のリスクが高い基礎疾患を持つ選手が多く、年内に予定されていた大会はほぼ中止になった。これまでは大会ごとに目標を設定し、課題を洗い出すことで自身の成長につなげてきたが、自粛期間に入ってからは「新たな強化の形」を模索。ビデオ通話を活用し、コーチに投球フォームのアドバイスをしてもらったり、日本代表メンバーと戦術に関する話し合いをしたりしながら、実践不足を補っている。
 10月からは代表の強化練習も再開される予定。パラリンピックが1年延期になったことも杉村はプラス材料に変えるつもりだ。「誰もがスポーツを楽しめる日常に戻ることを願いつつ、一日一日を大切にしてレベルアップしていきたい。この困難を乗り越え、応援してくれる人に感動を届けられるように『勝つための準備』をしていく」。世界一を目指す「火の玉ジャパン」の大黒柱は、力強く1年後を見据えている。

 ■車いすラグビー・若山 「金」獲得へ気持ち前向き
 現在35歳の若山は、東京パラリンピックの1年延期に年齢的、体力的な不安を抱かざるを得なかった。だが、「自分の力でコントロールできる問題ではない。1年の準備期間ができたと考え、やれることをしっかりやる」と気持ちを切り替えて練習に取り組む。
 新型コロナが練習に及ぼす影響も大きかった。3月末、練習拠点だった都内の施設が軽症患者の受け入れ場所に。緊急事態宣言が発令されると県内の施設も使えなくなった。自宅で体づくりをしたり、屋外で競技用車いすに乗ったり―。1人きりでの練習の毎日を過ごした。「チームメートはもっとやっていると思うことで練習に臨め、モチベーションを保ってきた」。県外選手との無料通信アプリLINE(ライン)での情報交換も欠かさず、意識を高めてきた。
 外出自粛期間中には痛めた右肩の治療も丁寧に行った。「時間をかけてケアをしてきた。その重要性を再確認できたのはプラス」とこの状況を前向きに捉える。ようやくチーム練習が再開され、連係の質を高めるべく合宿を重ねる。「自宅でやっていたことも継続していく。金メダルを目指してチームを仕上げていきたい」。頂点を目指して努力を続ける若山の言葉は覚悟と自信に満ちている。

 すぎむら・ひでたか 2012年ロンドン、16年リオデジャネイロとパラリンピック2大会連続出場。リオ大会は団体で銀メダル。両大会とも日本代表の主将を務めた。先天性の脳性まひを抱える。伊東市出身。38歳。

 わかやま・ひでふみ 2012年ロンドン大会4位、16年リオデジャネイロ大会3位。18年の世界選手権で金メダルを獲得した。大学2年時、プールでの事故で頸椎(けいつい)を損傷した。沼津市出身。35歳。



オリンピックフォト 写真で振り返る五輪

静岡新聞記事や掲載写真を中心に、1964年東京大会から2016年リオデジャネイロ大会までの五輪を回顧する特集です。

静岡新聞に掲載されなかった未公開写真や、当時の紙面も収録。

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