最後の夏「走りたい」 どうなる県高校総体 思い複雑、静岡の今

(2020/4/19 09:21)
県総体の開催を願い、休校中も体を動かす3年生の陸上部員=15日、静岡市内

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、静岡県高校総体の開催に向けて関係者が試行錯誤している。大会に備える選手や開催方法を模索する各競技専門部の今を探った。

 陸上部の活動は休止になっても、1人で練習を続けていた。「1本だけでもいいから試合で走りたい。最後に大会をやらずに引退なんて考えられない」。静岡市内の施設で15日、高校3年の女子選手から集大成の夏に懸ける思いがあふれ出た。
 短距離が専門。目標だった東海総体の中止が伝えられた時は落ち込んだ。県内でも感染拡大は止まらず、「県総体も中止かな」と不安がよぎる。7月以降の開催に望みをつなぐが、そうなれば部活の引退が遅くなり、受験勉強に響くかもと再び不安になる。複雑な思いは汗を流して紛らわす。「みんなと笑顔で終わりたい」
 県高体連陸上専門部が各地区予選と県大会を開催できるのは原則7月に入ってから。当初は5月開催の予定だったが、6月末まで大会を自粛するよう日本陸連から要請を受けたためだ。
 同専門部は地区大会の会場確保さえ難航しているのが現状だが、県総体や、静岡県が舞台となる全国総体の開催も諦めていない。すでに県総体などの中止を決めた地域については、昨年度の成績を基に全国総体の代表を決める案があるという。
 川口雅司専門部委員長(韮山高教)は「生徒の命と県総体、どちらが大切か。答えは決まっている。でも、3年生は最後。簡単に『コロナで中止になった。残念だね』で済ませたくない」と苦しい胸の内を明かす。
 多くの競技はこれまで通りの日数や大会方式で開催することが難しくなっているが、いちるの望みを捨てていない。サッカーは冬の全国選手権県大会と同じように1回戦からトーナメント方式を採用すれば、例年の約半分の8日間に短縮して優勝を決められるという。テニスや卓球は1セットマッチに減らしたり、種目数を減らしたりして対応する案が浮上する。
 県総体や全国総体が中止になれば、スポーツ推薦で進学を狙う多くの選手が実力を証明する機会を失うという側面も。3年生5人全員がスポーツでの進学を目指す飛龍高レスリング部の井村陽三監督は指導者たちの思いを代弁する。「最後の力を振り絞っている生徒をみていると、この状況は本当につらい」

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