球数制限 どうなる高校野球(上)「週500」妥当か

(2019/12/30 14:14)
2019年夏の静岡・松下静

 日本高野連は2020年春の選抜大会を含む春季大会から「1人の1週間の総投球数を500球以内」とする投球数制限の実施を決めた。申告敬遠も同時に適用される。静岡県の高校野球界はどう受け止め、どう変わるのだろうか。

 ■主戦温存 過密日程が壁
 理学療法士で県高野連メディカルサポート部の甲賀英敏部長は「500という数は検討の余地があると思う」と科学的根拠など裏付けの必要性を指摘しつつ、「障害の重症化を防ぐ意味では制限や大人の判断は必要。高校での制限が、むしろ小中学生の指導者の意識の高まりにつながれば」と期待する。
 制限の対象となりそうなのは夏の全国選手権静岡大会。3回戦から決勝までの5試合が1週間で行われる、全国的にも異例の過密日程だ。2019年夏優勝した静岡の主戦松下静は後半5試合で計400球を投げた。500球には余裕があるが、ノーシードだったことと一発勝負の重圧と暑さもあって「準決勝が疲労のピークだった」と松下は言う。連戦だった決勝は二回降板となった。
 力で押すタイプだった松下だが、夏に球数を減らすため、打たせて取る投球を追求してきた。ゴロアウトや早いカウントで勝負する配球をバッテリーで研究し、夏は5~6割が変化球だったと明かす。
 2017年夏を制した藤枝明誠の主戦久保田蒼布(専大)は全試合に登板し、5試合で494球を投げた。打たせて取る投手だったことに加え、光岡孝監督は「2回戦を(継投で)休ませたこと、準々決勝の日が涼しかったことが良かった」と天候も味方に付けた。
 これまでも優勝を狙うにはエースの体力温存が不可欠だっただけに、500球制限は大きな混乱を来さないようだ。静岡の栗林俊輔監督は「夏は一発勝負なのでやりづらさはあるが、慣れていくしかない」と受け止める。光岡監督も「今の高校生の攻撃力を考えたら1人の投手で抑えるのは困難」と複数投手が時代の流れと捉える。
 ただ、2019年夏準優勝の駿河総合は複数投手の継投だったが、「雨で日程がずれて、やりくりが大変だった」と望月俊治監督。主戦渡辺光は7試合に登板し完投は2試合のみ、5試合が継投だった。ところが全489球のうち417球が終盤の5試合に集中した。球数制限の導入で、懸案だった過密日程解消を求める声も高まりそうだ。

 <メモ>球数制限の対象は日本高野連と都道府県高野連が主催する公式戦。春、秋季大会は日程に余裕があるため議論の焦点は夏の静岡大会に絞られる。参加校数が多い上、平日に試合ができないため夏休みに入った終盤に日程が集中する。県高野連は開会式の前倒し、序盤の予備日を平日に設けるなどの改善案を検討している。

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