藤枝明誠、静学を撃破/東海大翔洋、後半一気 全国高校サッカー静岡県大会準決勝

(2020/11/8 09:08)
藤枝明誠―静岡学園 後半30分、3点目を決める藤枝明誠の島尻(6)=エコパスタジアム

 第99回全国高校サッカー選手権静岡県大会(県サッカー協会、静岡新聞社など主催)は7日、エコパスタジアムで準決勝2試合を行った。藤枝明誠が昨年度全国優勝の静岡学園に3―0で快勝し、4年ぶりの決勝進出を決めた。東海大翔洋は3―1で浜松開誠館に逆転勝ちし、東海大一時代に準優勝した第71回大会以来、28年ぶりの決勝切符をつかんだ。東海大翔洋としては初。4強すべてが私立校となるのは大会史上初めてだった。
 東海大翔洋-藤枝明誠の決勝は14日午後1時半からエコパスタジアムで行う。
 
 ▽準決勝
藤枝明誠 3(0―0 3―0)0 静岡学園
▽得点者【藤】賀茂2(増田、なし)島尻(増田)
東海大翔洋 3(0―1 3―0)1 浜松開誠館
▽得点者【東】中沢2(PK、なし)山田賢(中沢)【浜】加藤(なし)
 
 ■王者に「挑む」3発攻勢
 昨年の全国覇者のゴールマウスを破る度、藤枝明誠のベンチ前に大きな歓喜の輪ができた。後半に3度、同じ光景をつくり出したイレブンは試合終了のホイッスルで抱き合い、喜びを爆発させた。
 前半は静岡学園ペース。相手を警戒するあまり、消極的なプレーが目立った。ハーフタイム、改善点を選手同士で話した。「走ること、守備で声を掛け合うことを確認した」とMF島尻。松本監督からもげきが飛んだ。「何も(背負うものが)ないチームなんだよ。チャレンジしよう」
 後半9分の先制点は敵陣での積極的なプレスでボールを奪い、反則を受けて得たFKから生まれた。折り返したボールを中央の賀茂がトラップし、冷静にシュート。「点をとる選手ではないけれど、結果が出せてうれしい」。中盤の底に入る3年生は9分後にも追加点を決めた。
 技巧派集団への対策として用意した「中央にボールを運ばせない」という約束事も効果を発揮した。強引に突破を図る相手アタッカーに守備陣が何度も体をぶつけ、阻んだ。焦りの見える静岡学園に対し、後半30分にCKから島尻が3点目を奪って勝負を決めた。
 「身近にチャンピオンがいる環境は大きかった」と指揮官は言う。1年間目標にしてきた王者を打ち破り、藤枝明誠が最高潮のムードで4年ぶりの全国切符をかけた頂上決戦に臨む。
 
 ■「全国連覇の重圧」完敗 静岡学園
 静岡学園らしさを披露できぬまま、全国連覇の道は閉ざされた。川口監督は「縦に急ぎすぎてしまったり、ミスが多かったり。自分たちのやりたいことができなかった」と完敗を振り返った。
 球を保持していても突破口を見つけるのに苦心した。単発の攻撃を繰り返し、藤枝明誠の守りを崩したのは前半23分に冨永がボレーを放った場面ぐらい。守備ももろく、3失点のうち2点はセットプレーからだった。少ない好機を確実に決められた。
 昨年度の全国大会決勝で同点ゴールを決めたエース加納が大会前に前十字靱帯(じんたい)損傷で離脱し、攻撃陣の迫力不足が懸念されていた。
 昨年度優勝メンバーのGK野知は「期待してくれた方々に申し訳ない気持ち」、J1川崎入りするDF田辺は「全国連覇の重圧をはねのける技術が僕らにはなかった。楽しいサッカーを見せられなかったのが悔しい」と肩を落とした。コロナ禍で思うようにチームづくりが進まなかったことも敗因に挙がるが、2人は「それは他のチームも同じ」と言い訳を嫌った。
 
 ■PK潮目 攻めに転じ逆転
 耐えに耐えていた東海大翔洋だったが、前半終了間際にFKから失点。浜松開誠館の圧力を押し返せず、防戦一方のままハーフタイムを迎えていた。勝ち目はないような展開だった。
 しかし、ロッカールームでは「いけるぞ」の声が飛び交っていたという。「2失点までは想定内」(太田監督)。追求してきたのは「打ち合いを制す攻撃的なスタイル」だ。自分たちの持ち味を再確認したチームは落ち着いていた。
 後半25分、劇的に潮目が変わった。セットプレーで味方が倒されて得たPKを中沢が決めて同点に。押せ押せムードの中、それぞれが自慢のテクニックを披露し始めると、つないで崩すパスサッカーもよみがえった。
 決勝点は29分のCKから。山田賢が近いサイドに体ごと飛び込み、渾身(こんしん)のヘッド。「どんぴしゃりだった」。36分には、中沢が技ありのドリブルで右サイドを切り崩し、ダメ押し点を奪った。「今年は攻撃には自信がある。絶好調」。2得点1アシストの中沢は誇らしげだ。
 県Bリーグ所属の伏兵が藤枝東、常葉大橘、浜松開誠館のプリンスリーグ勢を3連破。この勢いは本物だろう。重たかった全国への扉を33年ぶりにこじ開けられるか。
 
 ■前半逸機「力不足」 浜松開誠館
 浜松開誠館は逆転負けで2年ぶりの全国切符を逃した。青嶋監督は「良さが出せず、うちらしい戦いができなかった。力不足」と険しい表情で振り返った。
 前半終了直前、ペナルティーエリア手前中央付近のFKで、DF加藤が東海大翔洋の壁の下を通す技ありのキックを流し込み先制。最高の形で折り返したはずだった。ところが、果敢に前に出る相手に後半の立ち上がりから押し込まれ形勢逆転。勢いにのまれるように3失点を喫した。
 PK失敗など前半の逸機も響いた。主将のDF岡部は「チームを勝たせられなかった自分の責任」と肩を落とした。
 

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