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元代表ストライカー 前田コーチ始動「経験還元」 ジュビロ磐田

 昨季限りで現役引退したサッカー元日本代表FW前田遼一氏(39)が、指導者として第二の人生を歩み始めている。磐田ユースのコーチに就任して約1カ月。歴代5位のJ1通算154得点を挙げたストライカーが、育成でも手腕を発揮することが期待されている。

選手に指示を送る磐田ユースの前田コーチ(右)=磐田市の上大之郷グラウンド
選手に指示を送る磐田ユースの前田コーチ(右)=磐田市の上大之郷グラウンド

 前田コーチがピッチの隅々まで目を光らせる。ユースの練習の合間に選手を呼び止め、アドバイスを送る。用具の準備や片付けも積極的で、誰よりも速くボールを拾うなど選手のけが防止への気配りを欠かさない。「選手は寮生活を送っているので、(磐田ユースの)小林監督や他のコーチ陣の指導を参考にし、ピッチ外でも成長の手助けができるようになりたい」と意欲を示す。
 磐田で2度、J1得点王に輝いた。だが、エースとして君臨した当時のチームは低迷し、責任の重さを痛感した。15年間在籍した愛着の強い磐田を離れ、2015年にJ1FC東京に移籍。最後はJ3岐阜でプレーした。「多くの指導者からいろいろなことを教わってきた。この経験をユースの選手に還元したい」。7年ぶりに戻った磐田への思いは強い。強化本部長も兼務する鈴木監督は、「指導者は的確な分析ができなければ務まらないが、(前田コーチは)選手時代からいい分析ができていた」と信頼し、若手育成を託す。
 6日のトップチームの町田戦後に引退セレモニーが用意された。2月28日の琉球との開幕戦で敗れたが、前田コーチは「鈴木監督が目指すサッカーは伝わった。ぶれずに戦ってほしい」とエールを送る。今季初勝利の歓喜の中でファンにこれまでの思いを伝えたいと願っている。(大山雄一郎)

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