【浜松市西部】王者の走り 山本、木村友抑え区間新
(2011/12/4 13:28)
連覇の余裕が表れるVサインだった。浜松市西部のアンカー武田(スズキ浜松AC)はゴールで高々と右手を突き上げた。2位との差2分48秒は過去最大。主要区間に各年代のトップ選手をちりばめ、圧倒的な強さで連覇を達成した。
スタートの出遅れはすぐに取り戻した。2区の池田(浜松三ケ日西小6年)が区間賞、3区の清水(浜松伊目小6年)が区間2位の快走でトップとの差を徐々に縮めた。「いい位置でもらったのでトップに立つしかない」と4区の柴原(ユタカ技研)。実業団ランナーの意地でたすきを受け数百メートルで首位を奪うと、あとはリードを保つだけだった。
連覇を大きく引き寄せたのは、終盤の9区。山本(浜松三ケ日中3年)が福岡・筑紫女学園高で活躍する木村友(静岡市静岡A)に挑む注目の区間だった。山本にとって2学年先輩の木村友は「憧れ以上の存在」。2年前の県中学駅伝1区で対決した経験はあるが、力の差を見せつけられた。
「前の人たちが築いてくれたリードがあったのでリラックスして力が出せた」と山本。2分近い貯金を背に、オーバーペースになることなく、走り抜いた。木村友を抑えた区間賞、木村友が持つ区間記録を2秒上回る新記録に「信じられない」と声を弾ませた。
前評判通りの実力を示した。「チーム全員が強くないと、1人では勝てなかった」と5区で区間賞の木村慎(浜松日体高3年)。日々の練習での高い意識と大会に懸ける思いが、第4、5回大会連続の浜松市以来、市の部2チーム目となる快挙につながった。
藤田監督は「いい選手に恵まれ、僕はそれをまとめただけ。こんなタイムが出るとは思わなかった」。昨チームを上回る大会最高記録の2時間13分15秒。選手の自主性と一体感が加わり、さらなる進化を遂げた。