飛龍高出身力士が初場所に旋風 技能賞の翠富士、龍司らも奮闘

(2021/1/25 08:10)
相撲部の後輩に十両優勝を報告した翠富士(左)。飛龍高出身で角界で活躍する力士が増えている。右奥は熱海富士=2020年11月、沼津市の飛龍高(写真の一部を加工しています)

 24日に千秋楽を迎えた大相撲初場所で飛龍高勢の躍進が際立った。新入幕ながら勝ち越し、技能賞を獲得した翠富士(24)=焼津市出身、伊勢ケ浜部屋=をはじめ、翠富士の同級生、龍司(23)=富士宮市出身、入間川部屋=は序二段で優勝決定戦に進み、熱海富士(18)=熱海市出身、伊勢ケ浜部屋=は序ノ口優勝。幕内力士として実力を示した翠富士に続けと、ほかの力士も奮起した。
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 県内出身力士は幕内から序ノ口まで計16人で、うち半数を飛龍高OBが占める。21年間で13人の教え子を角界に送った栗原大介監督(44)の指導方針は自主自立と対話。稽古中も納得するまで話し合い、押しつけはしない。進路選択はあくまで生徒主体で行うのが信条だ。「土俵に上がれば頼れるのは自分だけ。自分の考えを持ち行動するのが大切」と強さの源を語る。
 卒業後、近大に進んだ翠富士が貴景勝ら同学年の力士が一足先に大相撲で活躍する姿を見て「待ちきれない」と中退を決めた際も同様だった。栗原監督は「進学を決めた以上、4年間やるのが前提」という考えを持っていたが、最後は意志を尊重し角界入りを後押しした。
 翠富士は肩透かし、龍司ならば果敢な攻め、熱海富士は体格を生かした前に出る相撲と強みを伸ばしてほしいと栗原監督。「それぞれの力士に個性がある。特徴ある力士になって」とさらなる成長を促した。

 ■焼津ツナ缶 体作り支えた母
 翠富士の強さの秘訣(ひけつ)は「食」にあった。今場所も母親の庵原恵さん(53)=焼津市=の愛情がたくさん詰まったツナ缶を食べて大きく躍進した。
 水産加工会社に勤めている恵さんは翠富士の角界入り後、定期的にツナ缶のセットを段ボールに入れて息子に送った。本人から「送って」と頼まれることもあるほどツナ缶は大好物。マヨネーズとあえてご飯と一緒にかき込むのがお気に入りという。
 少年時代から好き嫌いなく何でも食べたが、食は細かった。小学1年から相撲を始め、「もっと体をつくるように」と言われ食事の量を増やすように心がけた。そんな時、ツナ缶は「すぐに、気軽に食べられるので重宝した」と恵さんは振り返る。
 飛龍高入学時に55キロしかなかったが、現在は114キロまで増えた。幕内では小兵だが、大柄な相手にも立ち会いで当たり負けしなくなったと、恵さんはわが子の成長を実感する。「まだまだ体が小さいのでけがは心配。長くみなさんに楽しんでもらえるように、しっかり食べて体をつくってほしい」。古里の港町の味が、翠富士を支えている。

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