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広島・スコアラー庄司さん(常葉橘高出) 引退後も球団の力に

 広島での10年間の現役を退き、昨年から球団スコアラーを務める庄司隼人さん(29)=常葉橘高出=が11日、草薙球場での楽天-ロッテのオープン戦を視察。中、高時代に躍動したホームグラウンドで、新たな道をまい進する姿を見せた。

広島のスコアラーとして楽天―ロッテの試合を見つめる庄司隼人さん(左)=草薙球場
広島のスコアラーとして楽天―ロッテの試合を見つめる庄司隼人さん(左)=草薙球場

 交流戦のためのパ・リーグ担当スコアラーだがシーズン開幕後は編成の仕事がメインになる。自チームの補強ポイントを踏まえ、ファームやパ・リーグを巡ってトレードなどの俎上(そじょう)に載せる人材を見極める。「試合で打った、打たないでなく人間性を見る。練習の取り組み方やベンチでの姿、一塁までの全力疾走など、当たり前のことをできていなければカープのカラーには合わない」。持ち前の観察眼を生かし、球団の戦力となるべく勉強中だ。
 常葉橘中時代に最速144キロを記録し、高3夏に初出場の甲子園で快投した伝説の右腕は、2009年のドラフト4位で内野手として広島入りした。プロの10年間は「苦しい思い出ばかり」。菊池涼、田中ら鉄壁の内野陣に割って入るべく「死ぬほど練習した」。
 通算22試合の出場にとどまったが「やり切った」思い、7年かかった初安打の喜び、セ・リーグ3連覇を成し遂げた黄金時代のチームの一員だったことを誇りに思う。経験を次世代につなぐべく「いつかは指導者になり、プロで活躍する選手を育てたい」。故郷・静岡の野球界も常に気に掛けている。
 (結城啓子)

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