社会部 荻島浩太
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静岡県警、山岳遭難防止へ啓発強化 地図や防寒着、照明、計画書提出「十分準備を」
静岡県警は大型連休中(27日~5月6日)の山岳遭難を防ごうと、南アルプスを中心に登山者への啓発活動を強化している。春山は汗ばむほどの陽気の後、天候の急変で気温が真冬並みに下がる場合があり、2千メートル以上など標高が高くなれば積雪や凍結で冬山装備も必要になる。山岳遭難救助隊員が実地訓練を重ねて発生に備えると同時に、SNSなどを通じて「十分な装備品の携行を」と呼びかける。 昨年の連休中の県内事故は5件(重軽傷者計3人)。前年同期比で大きな増減はなかったが、今年は新型コロナウイルスの5類移行も影響し、南アを中心に登山者の増加は予想される。 県警は、地図やアプリの活用▽レインウエアや防寒着の携行
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春の交通安全運動 静岡県警まとめ 死者ゼロ、負傷者も減
静岡県警が16日に発表した「春の全国交通安全運動」期間中(6~15日)の交通事故発生状況(速報値)によると、死者、負傷者数は前年同期(6~15日)と比べていずれも減少し、前年は2人いた死者はゼロだった。春の運動期間中に死亡事故が発生しなかったのは5年ぶり。 負傷者数は12人減の614人。内訳は子どもが13人減の38人で、高齢者は3人増の98人だった。 事故件数は10件増の492件と微増した。そのうち子どもの事故は11件減の35件だったが、高齢者は1件増の189件に上った。 発生状況別では、重点の一つだった歩行者事故が18件減の32件、負傷者は19人減の32人。一方、自転車事故は8件増の
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ふじっぴーと無事故お約束 静岡県など富士で啓発活動
静岡県交通安全対策協議会はこのほど、春の全国交通安全運動(6~15日)に合わせた啓発活動を富士市の「富士山こどもの国」で行った。県くらし交通安全課や富士署の担当者が、観光で訪れていた子どもらが喜ぶ各種企画を通じ、安全な歩行や自転車乗車時のヘルメット着用などを促した。 「交通事故に気をつけよう」と記した鉛筆の配布や塗り絵形式の反射材作りをはじめ、白バイとパトカーの展示も人気を集めた。県のイメージキャラクター「ふじっぴー」が登場し、イベントを盛り上げた。
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能登教訓に計画検証 県下署長会議 静岡県警本部長 指示
静岡県警は15日、県下署長会議を県警本部で開いた。津田隆好本部長が対面出席した県内28署長に対し、能登半島地震を踏まえ、警察の総合力を発揮した緊急事態対策の推進を指示した。 津田本部長は「地形が類似する伊豆半島でも同様の事態が想定される。署長自らが、被災情報の収集や避難誘導などの計画が管内の実態に即した実効性あるものかを確認し、危機感を持って検証を」と求めた。社会情勢が刻々と変わる中、新たな脅威に的確に対応する能力の醸成と組織運営により「警戒の空白」を生じさせないよう強調した。 3月末着任の津田本部長は、同じく新体制に移行したばかりの各署の運営重点として、「匿名・流動型犯罪グループ」など
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記者コラム「清流」 教わった「俯瞰力」支え
「俯瞰(ふかん)力という言葉が好き。一つの物事を広い視野と多角度から見て、考えてほしい」。ある県警幹部が訓示でよく使うと教えてくれた単語の重要性は記者の仕事にも通じ、約10年間支えにしてきた。 私が生まれたその月に警察官になったその人はこの春、退職を迎えた。大勢の後輩らに見送られる姿をシャッターに収めていると、その晴れ晴れとした表情に「自らの言葉などから何一つぶれずに、信念を貫いた警察人生だったんだろう」と確信し、感動を覚えた。 4月で42歳の厄年。いろいろ抱える毎日で、物事や事態、思考を全体的に眺められているか。視野が狭まらないよう、その力を鍛えているとは言い切れない自分がいる。「胸を
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静岡県警などが交通安全運動出発式 新本部長、園児と横断で啓発 各地で関連活動
春の全国交通安全運動が6日から始まる。スタートを前に静岡県内各地で5日、啓発イベントや街頭指導が展開され、県庁前では県警や県、関係機関から約100人が参加して出発式を行った。県内共通の重点は「こどもが安全に通行できる道路交通環境の確保と安全な横断方法の実践」「歩行者優先意識の徹底と『思いやり・ゆずり合い』運転の励行」「自転車・電動キックボードなど利用時のヘルメット着用と交通ルールの順守」の3項目で、運動期間は15日までの10日間。 出発式では、静岡聖母幼稚園の代表園児2人が、3月末に着任した津田隆好県警本部長に「安全に気を付けて交通ルールを守ります」と宣言した。白バイや新旧のパトカーなど計
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SNS詐欺被害深刻 静岡県内3カ月で被害額6億円超 「非対面」「長期間」「複数回」で高額被害に
交流サイト(SNS)で外国人ら海外居住者を装い、相手に恋愛感情を抱かせる「ロマンス詐欺」や、非対面でFXや暗号資産などへの投資を勧める「SNS型投資詐欺」の被害状況が県内で悪化している。3月28日時点で計約6億7480万円と、昨年1年間の8億1190万円に早くも迫る深刻な状況だ。「非対面で長期間、複数回送金させる」共通の手口により、1人の被害額が特殊詐欺の6倍以上と高額なのが特徴。〝手を出した〟後ろめたさから家族らへの相談や警察申告をためらう被害者も多く、明るみに出る被害は「氷山の一角」(捜査幹部)とされる。県警は啓発と捜査の両輪で態勢を強化し、詐欺グループなどの実態解明を急ぐ。 &r
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静岡県内「現金の落とし物」5億2744万円 23年、県警まとめ
静岡県警が19日までに発表した2023年の遺失物・拾得物の取り扱い状況によると、「落とし物」として警察署や交番・駐在所に届けられた現金は前年比8・4%増の5億2744万円で、集計方法が変わった07年以降での最高額を更新した。物品も6・5%増の54万6278点になった。 県警会計課は「ライフスタイルの変化などで持ち物が増えたのも影響してか、過去10年間、緩やかな増加が続く。24年も同じ傾向になるのでは」と捉える。 鉄道・バス会社など特例施設占有者保管分を含めた拾得現金(5億3462万円)の65・0%に当たる3億4730万円、物品(57万6182点)は42・8%の24万6869点が落とし主に
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静岡人インタビュー「この人」 静岡県警警務部長に就任 日吉知洋さん(静岡市葵区)
1991年に警察庁に入り、主に警備部門を歩んできた。栃木県警警務部長、皇宮警察警備部長、埼玉県警警備部長などを歴任。伊東市出身で、本県警での勤務を「何となく安心する」と親しみやすい笑顔で語る。休日の史跡巡りが趣味。実家への帰省も心がけている。58歳。 ―着任して思うことは。 「高校まで伊豆半島で、30年以上を警察庁や全国警察勤務で過ごしてきたが、故郷で仕事ができることは非常に幸せ。人間も自然の生き物で、自分が育った地域に戻ると安心するのは不思議。富士山や駿河湾など大自然がもたらす豊かな恵みを受けているからか、自然災害への県民の防災意識が高いと感じた」 ―災害対応の主な経歴は。 「伊東
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警察かたる詐欺メールご注意! 静岡県内で相次ぎ確認 県警「振り込まないで」
警察庁や警視庁をかたり「あなたの子どもが犯罪を犯しました。賠償金100万円を至急、下記口座にお振り込みください」などと送りつけてくる詐欺メールが静岡県内で相次いで確認され、県警が注意を呼びかけている。 県警サイバー犯罪対策課によると、県内では2月下旬から3月1日までの間に11件が確認された。1通に振込口座を七つほど載せるメールや、口座の名義人が企業の場合もあった。日本語の説明文に違和感がある内容もあったという。 同様のメールは全国で確認されているが、県内では現在までに被害は確認されていない。同課の小高義久次席は「警察がメールやSMS(ショートメッセージサービス)で現金を振り込ませることは