政治部 宮嶋尚顕
みやじま・なおあき 1997年入社。浜松総局、水窪支局、社会部、政治部、富士宮支局、運動部、東京支社、政治部、東京支社
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【川勝知事辞意表明】静岡新聞社政治部長評論「身勝手な退場劇だ」
川勝平太知事が3日、県議会6月定例会をもって辞職すると正式に表明した。急きょ設定された記者会見では、新規採用職員への訓示での職業差別と受け取れる発言を撤回することもせず、リニア中央新幹線に関する持論をとうとうと述べるのに時間を費した。説明した辞職理由にも首をかしげざるを得ず、独善的で身勝手な退場劇だ。 川勝知事は辞職する理由として、JR東海がリニア中央新幹線の品川ー名古屋間の2027年開業を断念したことを挙げ「JRはリニアの事業計画を根本的に書き直す」「区切りを迎えた。これが一番大きい」とした。だが、それがなぜ辞職の理由になるのか理解に苦しむ。リニア問題には、南アルプスの環境保全など課題が
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ライブの臨場感「真空パック」 ヤマハが新システム
ヤマハは1日、音声や映像、照明の制御信号など、ファイル形式が異なる多様なデータをオーディオデータ(wavデータ)形式に統一して記録・再生する世界初のシステム「GPAP(ジーパップ)」を開発したと発表した。音楽ライブなどの臨場感を「真空パック」して再生、配信でき、さまざまな領域で活用が期待できるとしている。サイズを柔軟に変更して簡単に設営できるパネル型スクリーンも新たに開発したと明らかにした。 これまで音楽ライブの臨場感を再現するにはデータの複雑な処理が必要だったが、GPAPでは簡単な処理で再生でき、リアルタイム配信することも可能という。音楽ライブ以外にも、テーマパークやイルミネーションなど
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障害あるピアニスト「第九」響かせる オーケストラ、合唱団と共演 ヤマハが都内で開催
ヤマハは21日、都内のサントリーホールブルーローズで、コンサート「だれでも第九」を開いた。障害のあるピアニスト3人が、指1本から演奏できる自動伴奏追従機能付きピアノ「だれでもピアノ」を弾き、オーケストラや合唱団とベートーベンの「第九」を共演した。 出演したピアニストは右手の指に障害がある東野寛子さん、筋肉の難病でベッドに横になって過ごしている古川結莉奈さん、両手足に障害があり車椅子を使っている宇佐美希和さん。それぞれハンディを乗り越えてピアノを続けてきた経験を持ち、演奏後は会場から大きな拍手が贈られた。会場に加えてユーチューブの生配信も行った。
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大自在(12月7日)サポーター
J1昇格を懸けたプレーオフ決勝。東京・国立競技場は必勝を疑わない清水サポーターがアウェー側スタンドを埋め尽くし、東京Vを圧倒した。 しかし、試合は土壇場で同点に追い付かれ、失意の結果に。競技場横のホープ軒の背脂ラーメンがずっしりと胃にもたれた。 清水は来季もJ2で戦う。だが、サポーターがクラブを見限ることはないだろう。厳しい目線で批判すべきは批判しながら、どんな苦境でも励まし合い、支え続ける。それがサポーターと呼ばれる所以[ゆえん]だし、清水の歴史そのものだ。 たまたま同じ日に都内で公演した英ロックバンド「オアシス」の元ギタリストのノエル・ギャラガーさんは、イングランドのマンチェスター
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時論(4月14日)静岡、浜松新市長までの軌跡
統一地方選前半戦の静岡市長選で元副知事難波喬司氏、浜松市長選で元総務省課長中野祐介氏が初当選した。喜びの表情が並んだ本紙を感慨深く眺めた。両氏の擁立劇の頓挫を取材した数年前を思い起こしながら。 難波氏は4年前の静岡市長選でも出馬が取り沙汰されていた。県議2人が擁立を画策する動きを、難波氏本人の意向そっちのけで一部メディアが報じ、これをきっかけに取材が過熱した。 告示まで2カ月のころに開かれた難波氏の出版祝賀会で、発起人代表の川勝平太知事が出馬を促すかのようなあいさつをし、事実上の決起集会と捉えられるなど、難波氏に決断を迫る空気は強まる一方だった。本紙は難波氏や政界関係者への取材から不出馬
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時論(6月15日)吉川氏は直ちに説明を
18歳の女子学生に飲酒させ、金銭を払ったなどと週刊誌に報じられたことを受け、衆院静岡5区で落選して比例復活当選した吉川赳衆院議員が自民党を離党し、無所属になった。 報道によると、吉川氏は東京都内の焼き肉店で18歳の女子学生と2人で飲食し、酒を飲ませた。その後はホテルに移動し、女子学生は吉川氏から4万円を受け取ったと説明している。 事実であれば、国会議員うんぬんを差し置いても論外の行為だ。吉川氏は選挙区の自民党支部長を務めてきた責任を全うし、支えてくれた地元有権者に直ちに事実関係を説明する必要がある。県内議員の女性関係の不祥事は昨年にもあった。情けない限りだ。 吉川氏は発覚直後、報道陣に
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将棋10連覇 渡辺棋王が就位式 「記録伸ばしたい」
将棋の第47期棋王戦(静岡新聞社主催)で10連覇を達成した渡辺明棋王(38)の就位式が30日、都内で開かれた。渡辺棋王は就位状を受け、さらなる連覇への意気込みを新たにした。 渡辺棋王は永瀬拓矢王座(29)との5番勝負で、焼津市での開幕局に先勝すると、その後も巧みな勝負術を発揮し、3勝1敗で難敵を押し切った。 就位式では契約新聞社を代表して大須賀紳晃静岡新聞社社長があいさつし「若い世代が台頭する中で10年にわたってタイトルを保持し続けることは以前にも増して難しい。努力の積み重ね、将棋への真摯(しんし)な姿勢が偉業につながった」とたたえた。 日本将棋連盟の佐藤康光会長は「渡辺棋王の戦略、決