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復活願う! 祭りのシンボル大型屋台

 静岡県西部で行われる祭りは豪華絢爛(けんらん)な大型屋台の引き回しが特徴ですが、コロナ禍で屋台の引き回しは自粛続き。関係者らは祭りの規模を縮小するなどして本来の祭りの復活を願っています。伝統の継続に取り組む様子をコロナ禍前の祭りの姿とともにお伝えします。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・吉田直人〉

みこしに願い込め 掛川大祭 今年も屋台は自粛

 夏を思わせる日差しが降り注いだ9日の昼すぎ。龍尾神社(掛川市下西郷)を出発したみこしがトラックに乗せられ、地元の公民館に到着した。「この難しき病を一日も速やかに収束させ、穏やかなる世に立ち返らせたまえ」。龍尾司郎宮司(76)の祝詞に、マスク姿の祭青年らが神妙な表情で聞き入った。

龍尾神社のみこし(左)を屋台を出して迎えた祭青年ら=掛川市天王町
龍尾神社のみこし(左)を屋台を出して迎えた祭青年ら=掛川市天王町
 2021年は同市中心部を祭り一色に染める、3年に1度の掛川大祭の開催年だった。瓦町伝統の獅子舞「かんからまち」や、長さ25メートルを誇る仁藤町の「大獅子」、城下町を彩る西町の「奴(やっこ)道中」。大祭の目玉の三大余興はいずれも中止し、屋台の引き回しも自粛した。
 唯一、実施したのがみこしの巡行だった。18年の前回大祭は、台風の影響で取りやめていた。「このままではみこしが9年間も表に出なくなってしまう」(龍尾宮司)と、新型コロナウイルスの感染収束を願って氏子19町を回った。
 みこしが到着する各町の公会堂などには関係者の他にも多くの老若男女が足を運び、こうべを垂れた。「こういう時だからこそ崇敬の気持ちを大切にしないと」と氏子青年部相談役の小沢一裕さん(55)。住民は地域の安寧を祈る祭りの原点に立ち返った。
     ◇
 新型コロナウイルスの影響で、中東遠地域に息づく特色豊かな祭りは2年連続で中止や縮小を余儀なくされた。本来の姿の復活を願い、来年以降に思いをつなぐ人々を追った。
〈2021.10.26 あなたの静岡新聞〉

迫力の御殿屋台が魅力 浜松まつり

 浜松まつり初日の3日(※2019年5月3日)、日が沈み始めると、各町自慢の装飾や彫刻が施された豪華絢爛(けんらん)な御殿屋台が浜松市の中心市街地に続々と繰り出した。

繁華街を鮮やかに彩る各町の御殿屋台=浜松市中区
繁華街を鮮やかに彩る各町の御殿屋台=浜松市中区
  初日は40近い町が鍛冶町通りなどで屋台を引き回し、繁華街を彩った。屋台上では華やかな衣装を着た子どもらが太鼓やかねでおはやしを奏で、沿道に詰めかけた見物客の注目を集めた。豊橋市から家族で訪れた松浦みなみさんは「地元では屋台を見る機会はなかなかない。近くで見ると大きくて迫力があった」と熱心にスマートフォンで写真撮影した。
〈2019.05.04 静岡新聞朝刊〉

二輪屋台で祭り最高潮に 遠州森のまつり

 遠州の秋祭りの最後を飾る森町の遠州森のまつりは3日(※2019年11月3日)、最終日を迎えた。祭りを締めくくる舞児還し(まいこがえし)が盛大に執り行われ、クライマックスを迎えた。

祭りの最後を締めくくった舞児還し=森町森
祭りの最後を締めくくった舞児還し=森町森
  舞児還しは舞の奉納を終えた舞児を家族の元へと送り届ける祭事。最終日は金守神社から三島神社へみこしを還御した後、14町の二輪屋台が同神社に集まり、舞児を乗せて各町内へと繰り出した。
  沿道を埋め尽した大勢の町民らが見守る中、豪華絢爛(けんらん)な装飾を施した屋台の引き回しが繰り広げられ、祭りは最高潮に達した。
〈2019.11.04 静岡新聞朝刊〉