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学んで食べて深海魚 駿河湾の魅力

 水深2500メートルの駿河湾。漁場として古来から利用され、最近は湾で取れる深海魚にも大きな注目が集まっています。知って、学んで、食べることもできる深海魚たちの魅力に迫ります。週末のお出かけの参考にもしてください。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・寺田将人〉

迫力満点!ヨコヅナイワシ ふじのくに地球環境史ミュージアム

 今年1月に新種として記載されたセキトリイワシ科の大型深海魚「ヨコヅナイワシ」の液浸標本(東海大海洋科学博物館蔵)が、静岡市駿河区のふじのくに地球環境史ミュージアムで公開されている。11月7日まで。

セキトリイワシ科の大型深海魚「ヨコヅナイワシ」の標本=静岡市駿河区のふじのくに地球環境史ミュージアム
セキトリイワシ科の大型深海魚「ヨコヅナイワシ」の標本=静岡市駿河区のふじのくに地球環境史ミュージアム
 展示されている個体は、世界に5個体ある標本の一つ。2018年10月に東海大海洋学部などが、駿河湾内の水深2000~2100メートルに仕掛けられた底はえ縄で採集した。全長は約1.1メートルで、うろこのない頭部の様子などを詳細に観察することができる。焼津市から来た是永暁人くん(8)は「歯は鋭いが思ったよりは小さい。深海で何を食べているのか気になった」と熱心に観察していた。
 駿河湾に生息するヨコヅナイワシは、同湾の食物連鎖の頂点に位置すると言われている。展示は、開催中の企画展「県勢標本-『静岡発』自然史コレクションから見えるもの」の一環。
 〈2021.10.15 あなたの静岡新聞〉

魚だけじゃない 深海にはメンダコも 沼津の水族館ではふ化成功

 沼津市の伊豆・三津シーパラダイスは28日(※9月28日)、深海に生息するタコ「メンダコ」のふ化に成功したと発表した。国内の水族館では、沼津港深海水族館などに続く3例目という。

27日にふ化したメンダコ=沼津市の伊豆・三津シーパラダイス
27日にふ化したメンダコ=沼津市の伊豆・三津シーパラダイス
 赤ちゃんは全長約1センチ。半透明の姿で、成体とほぼ同じ平べったい形をしている。
 卵は2月に駿河湾でのトロール(底引き)漁で採集された雌の個体から摘出した。暗い環境の水槽で管理を続け、今月27日に1匹のふ化を確認した。
 メンダコの長期水槽飼育は困難とされ、国内でも事例が少なく管理は手探りだった。水温と明るさに細心の注意を払い、卵がかえるのを待ったという。
 同館では業務用冷凍庫内の水槽で飼育していて、28日からふ化した赤ちゃんを撮影した映像を公開している。
 魚類飼育マネジャーの水野晋吉さん(49)は「長かった。地元の水族館での成功はうれしい。かわいい赤ちゃんを多くの人に見てほしい」と喜んだ。
 〈2021.09.29 あなたの静岡新聞〉

沼津・戸田は“深海魚の聖地” 9月に漁開始【動画あり】

 “深海魚の聖地”とされる沼津市戸田地区で8日(※9月8日)、今季のトロール(底引き網)漁が始まった。漁師らは豊漁とコロナ禍で落ち込んだ需要回復の願いを込めてスタートを切った。漁期は来年5月中旬まで。

網にかかった深海魚やエビを仕分けする漁師ら=沼津市戸田
網にかかった深海魚やエビを仕分けする漁師ら=沼津市戸田
 関係者によると、昨季は新型コロナウイルス感染拡大による需要低迷などで出漁を抑えたため、漁獲量は2019年度の約170トンから約120トンに減少したという。
 解禁日の同日午前3時ごろ、戸田漁港から7隻が出発。午後3時すぎから続々と帰港し、本エビや戸田特産のタカアシガニ、ユメカサゴなどを水揚げした。漁船「日の出丸」の大村真史さん(44)は「狙いのエビは育っていて上々の初漁だった。タカアシガニは気温が下がってからが本番。たくさんの人に食べてもらえるシーズンになれば」と話した。
 トロール漁は、三角形の袋網を狙った水深に沈め、船を引いて海底の魚介類を捕獲する漁法。水深2500メートルの駿河湾が眼前に広がる戸田では昔から盛んに行われている。
 水揚げされた深海魚は地元飲食店や沼津魚市場に出荷する。元地域おこし協力隊の青山沙織さんが深海魚を全国に直送する通信販売「深海魚便」は今季も行う予定という。
 〈2021.09.09 あなたの静岡新聞〉

駿河湾一望しながら海鮮丼いかが 新東名沼津SAに新店オープン

 沼津市の新東名高速道路上り駿河湾沼津サービスエリア(SA)に8日、種類豊富な魚介を使った海鮮丼専門店「おさかな丼屋 とと丸食堂」がオープンした。

オープンした「おさかな丼屋 とと丸食堂」=沼津市の新東名高速道路上り駿河湾沼津サービスエリア
オープンした「おさかな丼屋 とと丸食堂」=沼津市の新東名高速道路上り駿河湾沼津サービスエリア
 5種のマグロを食べ比べできる「トロとろとろ丼」や、沼津出店をきっかけに開発した「深海魚丼」など約25種の丼が味わえる。テークアウトも可能。
 一押しメニューは同SA限定の「大漁富士山丼~海鮮絶景盛り」(5千円)。マグロやウニ、サクラエビなど9種類の海鮮を富士山と駿河湾に見立てて盛りつけた。総重量は約1キロという。
 山口泰典店長(35)は「駿河湾が一望できるSAでいろんな魚を味わってほしい」と話した。地場産品を扱う「村の駅」(三島市)が運営する。
 〈2021.10.09 あなたの静岡新聞〉