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7月15日 朝の編集長セレクト

 おはようございます。旧暦のお盆の時期ですね。迎え火を行っている家をよく見かけます。さて、このコーナー〈知っとこ〉は今日も4回更新を予定しています。この時間は、注目記事を4本セレクトしてご紹介します。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・尾原崇也〉

熱海盛り土 パイピング現象か 大量の地下水噴出 静岡県見解

 熱海市伊豆山の大規模土石流で被害を拡大させたとされる盛り土の崩落原因について、静岡県は記録的な積算雨量に伴って盛り土内にたまった大量の地下水が下端部から噴き出した「パイピング現象」との見方を強めている。排水施設などで崩壊の防止策が講じられていなかった可能性が高いとする一方で、推定される発生メカニズムを踏まえると、同規模のパイピング現象が再び起きる恐れは小さいとみている。原因究明に取り組む難波喬司副知事は14日の記者会見で「大崩落が起きる状態ではない」と説明した。

盛り土下端のパイピング現象が始まる 上部の盛り土への連鎖的崩壊が進み、盛り土部分のほとんどが崩落する
盛り土下端のパイピング現象が始まる 上部の盛り土への連鎖的崩壊が進み、盛り土部分のほとんどが崩落する
 県が同市水口町に設置する観測所は、本格的な降り始めの1日午前4時から土石流発生直前の3日午前10時までの積算雨量を449ミリと計測した。県によると、降り始めからの総雨量は過去10年間で最も多かった。伊豆地域にも被害をもたらした2019年10月の台風19号は5日間の積算雨量が274ミリで、今回が記録的な積算雨量だったとする。短時間に大量の雨が降ると地表を流れ下る水が多いが、県は強めの雨が長く続いたことで地下に浸透する水が増え、盛り土内に大量の地下水がたまってダムのようになったとみている。
 流出防止なし?
 土石流の起点とみられる盛り土付近は元々、上流側から水が集まる谷の地形。ところが、県が地形データや書類などを調べると、盛り土の高さは届け出の15メートルを大幅に上回る52メートルまでかさ上げされていた疑いが強まっている。地下水がたまると盛り土下端部に強い土圧や水圧が掛かるが、業者の届け出には流出防止の擁壁は計画されておらず、盛り土内の地下水を抜く排水施設も写真などで確認できていない。不適切な工法で築かれた盛り土内には、長雨による大量の地下水がたまった状態だったとみられる。
 連鎖的に崩壊か
 水圧に耐えられなくなると盛り土の下端から水が勢い良く噴き出すパイピング現象が発生する。大量の水を含んだ盛り土下部が泥流となって流れ下り、盛り土上部も安定性を失って連鎖的に大規模な崩壊に発展したとみられる。県は地形データの分析で流れ下った土砂量は約5万5500立方メートルと推定し、大半は盛り土とみている。起点付近に残された盛り土量は約2万立方メートルと推定する。
 県は今後、土砂の固さや粒子の大きさを調べる成分分析や地質を調べるボーリングを通して発生メカニズムの裏付けを進める。
 パイピング現象 地下水が土の中に浸透して地下水位が高くなると、高低差によって盛り土の下部に掛かる水圧が大きくなる。耐えきれなくなると、水と土砂が強い勢いで噴き出す。その際に付近の地盤をえぐることもあり、今回の土石流では盛り土の下端部が崩れるきっかけになった可能性がある。

南アルプスの自然、未来へ 官民「つなぐ会」設立 会長に霊長類学者の山極氏

 南アルプスの豊かな自然環境の保全に向けた個人や団体の協働を目指す静岡県の「南アルプスを未来につなぐ会」が14日、設立総会を静岡市葵区で開いた。行政や企業の関係者、学識経験者などの発起人約20人が出席し、会長に霊長類学者の山極寿一総合地球環境学研究所長を選出した。同会は8月中旬、設立の記念イベントとして高山植物の保護活動を紹介する講演会を開く。

「南アルプスを未来につなぐ会」の設立を受け会見した山極寿一会長=14日午前11時、静岡市葵区
「南アルプスを未来につなぐ会」の設立を受け会見した山極寿一会長=14日午前11時、静岡市葵区
 同会は、南アルプスに関心を持ち、調査研究や保全活動に取り組む個人や団体の入会を募集する予定。運営には3月に県が創設した南アルプス環境保全基金を活用する。総会では会則や本年度の事業計画を決めた。
 県は総会で、南アルプスをフィールドとする研究活動の活性化に向け、同会とは別に学術フォーラムを創設する方針も示した。希少な動植物が生息する地域でありながら研究活動が困難な南アルプスで、研究者の連携や後継者育成、保全活動や利活用に対する助言を行う。つなぐ会の発起人からは、国際的な研究促進や地域住民との関係構築、長期的な視野での活動などに期待する意見が出た。
 総会後の会見で川勝平太知事は、リニア中央新幹線の建設計画を巡り南アルプスの自然環境への関心が高まっているとして、同会の設立で「南アルプスに限らず地球的な観点で(環境保護の)問題を俯瞰(ふかん)できる」と意義を強調した。山極会長は「グローバルな気候変動や資本主義の危機といった人類が直面する危機を乗り越えるため、南アルプスを地球の中心に据えて発信したい」と話した。

エスパルス金子、J2ジュビロへ期限付き移籍 「全てささげる覚悟」

 J2磐田は14日、J1清水のMF金子翔太(26)が期限付き移籍で加入すると発表した。期間は来年1月末まで。背番号40。金子は同日、ヤマハ大久保グラウンドで行った練習に合流した。

磐田の練習に初合流した金子=磐田市内(ジュビロ磐田提供)
磐田の練習に初合流した金子=磐田市内(ジュビロ磐田提供)
 両クラブ合同のオンライン会見に臨んだ金子は「ジュビロをJ2で優勝させるため、自分の全てをささげる覚悟」と抱負を述べた。11日の徳島戦前後に磐田側から「もう一度輝ける場所を提供したい」と移籍の打診を受け、「ライバルチームなので賛否両論はあると思ったが、必要とされるクラブで一皮むけて自分のパフォーマンスを出したい気持ちが強かった」と決断した。
 2016年、J2だった清水で22試合4得点。最終節の徳島戦で決勝点を奪い、J1復帰に導いた。「16年は下の順位からだったので、勝ち続けるしかないと思って毎試合臨んでいた。今年の磐田は首位に立ち、追われる側。プレッシャーとの戦いもあると思うが、経験豊富な選手がそろっている。自分が言及する立場ではないが、そうした選手と一緒に戦って優勝に貢献したい」と県内両チームでJ1昇格を果たす決意を示した。
 「自分のパフォーマンス出す」
 一問一答は次の通り。
 ―移籍の経緯は。
 「エスパルスで最後のチャンスと思って(7日の)天皇杯に臨んだが、状況を一変させることができなかった。2018年に10得点したが、その後3年間は沈んでいた。移籍して自分のパフォーマンスを出したいと思った」
 ―磐田の印象は。
 「8連勝するなど、大人のサッカーで手堅く勝ち星を拾っている。強いし、勝ち方を知っている。自分の運動量を生かし、攻守に渡ってかき回すことができたらいい。(JFAアカデミー福島で)5年間一緒に過ごした松本選手とまた一緒にやれることは感慨深い」
 ―登録が間に合えば出場可能な17日の山形戦に向けては。
 「試合に出ていないときも90分出場できるコンディションを整えていた。山形は(昨季途中まで清水監督だった)クラモフスキーさんが監督のチーム。成長した姿を見せたい」
 ―清水の選手から言われたことは。
 「権田さんから連絡をもらい『移籍の意味を分かっているな。カテゴリーが下がっても甘えるな』と言われ、ありがたかった。8年間、苦楽をともにしたチーム。成長して戻りたい気持ちもあるが、とにかく感謝の気持ちと覚悟を持って磐田でやっていく」

計40人感染確認 7月14日の静岡県内【新型コロナ】

 静岡県内で14日、新たに40人の新型コロナウイルス感染が確認された。沼津市の小学校で関係者5人、同市のスナックで従業員と客計6人の陽性がそれぞれ判明し、県は新たにクラスター(感染者集団)に認定した。

 県は小学校の関係者やスナックの客などは全員特定できているとして校名、店名を非公表とした。保健所は校内の特定施設利用者最大200人に対して検査を進める。
 このほか、県が感染を確認した30人のうち、クラスターが発生した御殿場市のスポーツスクールで新たに1人、沼津市の保育施設で新たに3人の陽性が判明した。
 浜松市では新たに4人の感染が確認された。このうち1人はクラスター発生が認定された西区雄踏町の「ザ浜名湖」の従業員。静岡市は6人の新規感染を確認した。
 県内の累計感染者数は9701人(再陽性者を含め9702人)。