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守るぜ!茶文化 静岡生まれヒーロー「茶神888」

 静岡生まれのヒーロー「茶神888(ハチジュウハチヤー)」を知っていますか? ヒーローショーや学校へのお茶の寄贈など、さまざまな活動を通して日本茶の魅力を発信しています。現在は、5月2日の八十八夜に向け、カウントダウンツイートを毎日投稿。工夫を凝らした写真、全国各地の生産者と交流する姿から、熱いお茶愛が伝わってきます! 888のこれまでの活躍をまとめました。
 〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・石岡美来〉

新茶シーズン盛り上げ! 八十八夜まで毎日ツイート

 新茶シーズンを盛り上げようと、静岡県生まれのヒーロー「茶神888(サジンハチジュウハチヤー)」が5月2日の八十八夜まで、日本各地の茶畑を駆け巡る様子を毎日ツイッターで発信している。「自分が見た全国のすばらしい景色を多くの人に見てほしい」と、残り数日も茶畑を回り、カウントダウンを続ける。

生育状況を確認する吉田さん(左)と茶神888=茨城県古河市(提供写真)
生育状況を確認する吉田さん(左)と茶神888=茨城県古河市(提供写真)
 県内各地を回った昨年に続く企画で、今年は範囲を全国に広げた。2月4日の立春からこれまで、北は茨城県古河市から南は鹿児島県南九州市まで全国の茶産地を訪れた。茶畑の風景や生育状況、茶業関係者との交流をつづっている。
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カウントダウンツイート(提供写真)
 写真に加え、動画でも産地を紹介する。佐賀県嬉野市では「嬉野茶を飲んでうれしいのお」、福岡県八女市では「八女茶はやめられん」と茶畑で叫ぶ姿を撮影し、見た人を和ませている。
 茶業関係者を応援する気持ちも忘れない。見た人が元気になるようにと、写真のポーズも両手を高く上げたり、軽やかに片足を上げたりと工夫している。4月12日には国内外の和紅茶コンテストで入賞経験のある吉田茶園(茨城県古河市)を訪問。代表の吉田正浩さん(53)は「迫力があり元気をもらった。お茶について1時間ほど語り合い、お茶への思いが熱いと感じた」と振り返る。
 2009年から活動を続ける茶神888。現在、新たなヒーロースーツを制作するため、クラウドファンディングを始める準備をしている。
〈2022.4.29 あなたの静岡新聞〉

若手芸術家が生みの親 茶文化守るヒーローは茶道も得意

 日本のお茶文化を守ろうと、静岡県発の新しいヒーローが誕生した。名付けて「茶神(さじん)888(ハチジュウハチヤー)」。県内で昨年(※2009年)開催された国民文化祭をきっかけに考案された。全身をぴったりと覆う黒っぽい衣装にお茶をモチーフにした金色の装飾が光る。覆面に「茶」の一文字をデザインした。昨年11月ごろから、茶どころ掛川市を中心に県内外で活動を始め、各地で引っ張りだこの人気だ。

本格的な茶道の心得もあるお茶の新ヒーロー「茶神888」=掛川市内
本格的な茶道の心得もあるお茶の新ヒーロー「茶神888」=掛川市内
 888は菊川市出身の若手芸術家、野中迪宏さん(27)=茨城県つくば市=が1年かけて製作した。現代美術家ジュン・スズキ氏が掛川市で主宰していた私塾「天才プール」出身の蔵下大さん(27)=同市天王町=がプロデュースを手掛ける。
  実際に特撮ドラマのヒーローものに使用される高級塗料や強化プラスチックをふんだんに使った。高い完成度が見る者を驚かせている。
  888は茶道も得意。表千家流で、お点前は本格的だ。各地のイベントに出動し、お茶の魅力を伝える。パトロールと称して掛川市や静岡市、県外大都市の繁華街に出没したこともあり、すぐに子供たちに囲まれた。
  野中さんは「『芸術には社会性が必要』というのが自分たちの考え。888が社会に愛されるヒーローになってくれたらうれしい」と話す。
  製作費は100万円以上。芸術文化の育成のためにも、有料で活用してもらいたいという。収益の一部は環境や福祉、教育分野に寄付する。
〈2010.1.7 静岡新聞夕刊〉

飲もうぜ、お茶! 茶神888からのメッセージをどうぞ

 お茶は風邪のウイルスもやっつけ、寿命ものびて健康にも良いと言われるすごい飲み物。1日に2リットルのお茶を飲んでいます。食卓にお茶がないと落ち着かないですね。急須で入れた温かいお茶は、うまみ成分のアミノ酸の含有量も多く、よりおいしく味わえます。ブレンドや、火入れの仕方で味も変わり、楽しみ方もたくさんあります。茶殻を捨てたり、急須を洗ったりすることに手間はかかりますが、一手間かけて飲むリーフ茶が一番好きです。

日本茶の魅力を伝えるヒーロー「茶神888」
日本茶の魅力を伝えるヒーロー「茶神888」
  茶農家さんたちは、お茶を愛し、自信を持ってお茶を作っています。ただ今はインターネットの普及で、いくら良いものでも待っているだけでは、大変な時代です。お茶や抹茶の輸出量は伸びているので、情報発信をしていくことで、日本だけでなく、もっと世界も注目してくれるはずです。
  県内では給食にお茶が提供される地域もあり、お茶は飲むけど、買う習慣がないという人が多いと思います。まずは自分の好みのお茶を手にとって飲んでみて、買ってほしいですね。コーヒーには1杯500円払うけど、お茶は身近すぎて「タダ」と思ってしまう、当たり前だと思われてしまうのが残念。茶農家さんが時間をかけて育て、おいしく価値のあるものと知ってほしい。そう思う人が増えることが、お茶の価値を高めていけると思います。
  お茶のヒーローとして、私がお茶を入れて提供すると、子どもたちなど1日に600人が並んでくれたこともありました。ヒーローがお茶を入れるギャップで、SNSを通じて興味を持ってくれる人もいます。お茶の良さを伝え、興味を持ってくれるきっかけを作り、お茶と人を結びつけていきたいです。
  飲もうぜ、お茶!
〈2018.4.17 静岡新聞朝刊〉