修善寺虹の郷「ロムニー鉄道」復活 全国から支援集まる
昨年8月から枕木の劣化によって運休していた伊豆市の観光施設「修善寺虹の郷」のロムニー鉄道。伊豆市がクラウドファンディングを募ると、全国各地から目標金額を超える寄付が集まりました。ロムニー鉄道は無事工事を終え、3月5日に復活します。運行再開を前に、ロムニー鉄道の歴史を振り返ります。
〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・安達美佑〉
3月5日に運行再開記念式典
伊豆市の観光施設「修善寺虹の郷」で、線路の老朽化によって昨夏から運休していたロムニー鉄道が3月5日に復活する。市は工事費をガバメントクラウドファンディングで募り、目標金額を上回る寄付が集まった。同日に運行再開の記念式典を行う。

ロムニー鉄道は日本で唯一の15インチゲージ鉄道として1990年の開園当初から来園者に親しまれてきたが、枕木の劣化によって昨年8月から運休していた。市は枕木約千本を交換する工事費として昨年11月に目標金額1千万円のクラウドファンディングを始め、今年2月までに446人から1064万5230円の寄付が寄せられた。
市によると、寄付者の居住地は北海道から九州まで全国各地にわたり、約2割は市民だった。「自分が幼い頃に乗って、今は子どもを連れてきている」などのメッセージが寄せられたという。菊地豊市長は「大きな額の寄付をいただき、ありがたい。魅力を大切にしたい」と感謝した。
再開後の始発便は5日午前11時15分発。5、6の両日は記念硬券切符の販売などを行う。問い合わせは修善寺虹の郷<電0558(72)7111>へ。
〈2022.2.28 あなたの静岡新聞〉
市によると、寄付者の居住地は北海道から九州まで全国各地にわたり、約2割は市民だった。「自分が幼い頃に乗って、今は子どもを連れてきている」などのメッセージが寄せられたという。菊地豊市長は「大きな額の寄付をいただき、ありがたい。魅力を大切にしたい」と感謝した。
再開後の始発便は5日午前11時15分発。5、6の両日は記念硬券切符の販売などを行う。問い合わせは修善寺虹の郷<電0558(72)7111>へ。
〈2022.2.28 あなたの静岡新聞〉
1990年運行開始 使用客車9両は前年89年、英国から到着
※1989年5月12日 静岡新聞朝刊から

来年四月(※1990年4月)にオープンする新生・修善寺自然公園(名称募集中)=修善寺町修善寺=の主要園内交通機関として導入される15インチゲージ(三分の一スケール)鉄道の客車九両が十一日(※1989年5月)、同公園に到着した。英国生まれで、それぞれ二十人乗り。一カ月余りの船旅を終えて、大井ふ頭(東京都)から陸路修善寺町に運ばれた。
各車両は、全長七・三メートル、幅一メートル、高さ一・五メートルのミニサイズ。英国のメーカーから、七千七百万円(輸送費、関税を含む)で購入した。開園後は、既に購入済みのミニSL「アーネスト・トワイニング号」、ミニディーゼル機関車「ジョン・サウスランド二世号」などに引かれて、日本で初めて敷設される15インチゲージのレール上を走る。時速は十キロ。
走行区間は、建設中の英国村・ロムニー駅―カナダ村・ネルソン駅間の約一・四キロ。今後、ミニSL一両と客車六両が加わり、通常二編成(客車各六両)、混雑時三編成(同五両)で運用される予定。伝統の街並みを再現した英国村とカナダ村は、小高い丘の上にあり、両村を結ぶこの鉄道の沿線は、四季折々の花に埋め尽くされるという。
同町が総事業費約三十五億円をかけて取り組む同公園の整備事業は、既に日本庭園や伝統工芸を体験できる「手づくりの村」などの建設を終え、大詰めを迎えている。
(表記、内容はすべて当時のまま)
■1990年「虹の郷」オープン 「ロムニー鉄道」は目玉だった
※1990年4月2日 静岡新聞朝刊から
田方郡修善寺町が総事業費三十七億円と三年の歳月をかけて建設を進めてきた自然公園「修善寺・虹の郷(にじのさと)」が一日(※1990年4月1日)、オープンした。開園式には斉藤静岡県知事や英国、カナダ両国大使館高官、近隣町村長、各界代表者ら三百人が出席し、オープンを盛大に祝った。虹の郷を管理運営する同町振興公社理事長・山田俊男助役の開園宣言で式典は開幕。続いて、イギリス村入り口ゲート前で斉藤知事、三須忠エ修善寺町長、ジョン・フィールド駐日英国公使、ポール・ヘンリー・カナダ大使館一等書記官ら六人がファンファーレ、花火とともにテープカットした。初日の入場は一万二千人。
ロムニー駅前広場で行われたオープニングセレモニーでは、斉藤知事が「豊かな自然を舞台にした素晴らしい施設。伊豆全体の活性化につながることを期待する」とあいさつ。虹の郷のシンボルマークをかたどった風船四千個を空に放ち、式典に彩りを添えた。
セレモニーの後、「ロムニー鉄道」開通式、出席者が特別列車で「カナダ村」に移動しての同村開村式、「匠(たくみ)の村」開村式などが行われ、匠の村開村式では、郷土芸能の熊坂シャギリ、源氏太鼓が式を盛り上げた。
虹の郷は、今までの自然公園を再整備し、二十一世紀に向けての新しい観光の目玉づくりを狙った町の一大プロジェクト。県が進める「伊豆観光二十一世紀プラン」の拠点施設の一つで、広さは約八十ヘクタール。「人と自然と文化」をテーマに、自然との触れ合い、出合いや体験、創造活動が楽しめる複合的な公園として整備された。
園内は、英国やカナダの街並みを再現した「イギリス村」「カナダ村」がある西洋ゾーンと「日本庭園」「匠の村」など設けられている和風ゾーンに大きく分けられ、カナダ村とイギリス村をミニSL・DLで結ぶ「ロムニー鉄道」は園内最大の目玉。匠の村では岐阜県の旧徳山村から移築した合掌造りの民家九棟が並び、紙すき、竹・木工芸などの伝統工芸を実演するほか、一般参加の工芸教室などが行われる。毎週火曜日が定休日だが、四月から六月、七月二十日から八月三十一日までは無休で営業。
(表記、内容はすべて当時のまま)
各車両は、全長七・三メートル、幅一メートル、高さ一・五メートルのミニサイズ。英国のメーカーから、七千七百万円(輸送費、関税を含む)で購入した。開園後は、既に購入済みのミニSL「アーネスト・トワイニング号」、ミニディーゼル機関車「ジョン・サウスランド二世号」などに引かれて、日本で初めて敷設される15インチゲージのレール上を走る。時速は十キロ。
走行区間は、建設中の英国村・ロムニー駅―カナダ村・ネルソン駅間の約一・四キロ。今後、ミニSL一両と客車六両が加わり、通常二編成(客車各六両)、混雑時三編成(同五両)で運用される予定。伝統の街並みを再現した英国村とカナダ村は、小高い丘の上にあり、両村を結ぶこの鉄道の沿線は、四季折々の花に埋め尽くされるという。
同町が総事業費約三十五億円をかけて取り組む同公園の整備事業は、既に日本庭園や伝統工芸を体験できる「手づくりの村」などの建設を終え、大詰めを迎えている。
(表記、内容はすべて当時のまま)
■1990年「虹の郷」オープン 「ロムニー鉄道」は目玉だった
※1990年4月2日 静岡新聞朝刊から

伊豆市の修善寺虹の郷(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
田方郡修善寺町が総事業費三十七億円と三年の歳月をかけて建設を進めてきた自然公園「修善寺・虹の郷(にじのさと)」が一日(※1990年4月1日)、オープンした。開園式には斉藤静岡県知事や英国、カナダ両国大使館高官、近隣町村長、各界代表者ら三百人が出席し、オープンを盛大に祝った。虹の郷を管理運営する同町振興公社理事長・山田俊男助役の開園宣言で式典は開幕。続いて、イギリス村入り口ゲート前で斉藤知事、三須忠エ修善寺町長、ジョン・フィールド駐日英国公使、ポール・ヘンリー・カナダ大使館一等書記官ら六人がファンファーレ、花火とともにテープカットした。初日の入場は一万二千人。
ロムニー駅前広場で行われたオープニングセレモニーでは、斉藤知事が「豊かな自然を舞台にした素晴らしい施設。伊豆全体の活性化につながることを期待する」とあいさつ。虹の郷のシンボルマークをかたどった風船四千個を空に放ち、式典に彩りを添えた。
セレモニーの後、「ロムニー鉄道」開通式、出席者が特別列車で「カナダ村」に移動しての同村開村式、「匠(たくみ)の村」開村式などが行われ、匠の村開村式では、郷土芸能の熊坂シャギリ、源氏太鼓が式を盛り上げた。
虹の郷は、今までの自然公園を再整備し、二十一世紀に向けての新しい観光の目玉づくりを狙った町の一大プロジェクト。県が進める「伊豆観光二十一世紀プラン」の拠点施設の一つで、広さは約八十ヘクタール。「人と自然と文化」をテーマに、自然との触れ合い、出合いや体験、創造活動が楽しめる複合的な公園として整備された。
園内は、英国やカナダの街並みを再現した「イギリス村」「カナダ村」がある西洋ゾーンと「日本庭園」「匠の村」など設けられている和風ゾーンに大きく分けられ、カナダ村とイギリス村をミニSL・DLで結ぶ「ロムニー鉄道」は園内最大の目玉。匠の村では岐阜県の旧徳山村から移築した合掌造りの民家九棟が並び、紙すき、竹・木工芸などの伝統工芸を実演するほか、一般参加の工芸教室などが行われる。毎週火曜日が定休日だが、四月から六月、七月二十日から八月三十一日までは無休で営業。
(表記、内容はすべて当時のまま)
2005年 オープン型の新客車を2両導入
※2005年10月22日 静岡新聞朝刊から

伊豆市の修善寺虹の郷で二十一日、同施設内を運行している「ロムニー鉄道」の新型客車の出発式が開かれた。
今回導入された新型車両は二両で、客席の周囲を大きく開放したオープン型客車。蒸気機関車に連結して運行する。外装は青色、内装は茶褐色を基調にデザインし、転落防止用の手すりを設置するなど安全面にも配慮している。
式典ではテープカットを行い、同施設を運営する伊豆市振興公社の西島萬徳理事長が「オープン型客車の導入は長年の悲願でした。多くの人に乗車してもらい、園内の花や景色を楽しんでほしい」とあいさつ。来賓として訪れた大城伸彦伊豆市長や市議、地元の保育園児らが早速新型車両に乗り込み、さわやかな秋の風を浴びながら園内を一周した。
(表記、内容はすべて当時のまま)
今回導入された新型車両は二両で、客席の周囲を大きく開放したオープン型客車。蒸気機関車に連結して運行する。外装は青色、内装は茶褐色を基調にデザインし、転落防止用の手すりを設置するなど安全面にも配慮している。
式典ではテープカットを行い、同施設を運営する伊豆市振興公社の西島萬徳理事長が「オープン型客車の導入は長年の悲願でした。多くの人に乗車してもらい、園内の花や景色を楽しんでほしい」とあいさつ。来賓として訪れた大城伸彦伊豆市長や市議、地元の保育園児らが早速新型車両に乗り込み、さわやかな秋の風を浴びながら園内を一周した。
(表記、内容はすべて当時のまま)