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低山で遭難多発 3密回避「気軽にハイキング」要因か 静岡県警が注意呼び掛け【新型コロナ】

 静岡県内で今年、富士山や南アルプスなど高山での山岳遭難事故が減少している一方、レジャーやハイキングを楽しむような低山で遭難事故が相次いでいる。単独登山中や道迷いによる遭難が多いのが特徴。新型コロナウイルスの影響で自粛ムードが広がる中、「3密を避けた自然の中ならば安心」と気軽に山に向かう人が増えていることが要因とみられる。県警は「登山を楽しむ際は安全対策にも留意してほしい」と呼び掛けている。

県警山岳遭難救助隊が低山の救助を想定して実施した訓練=10月、小山町の三国山(県警提供)
県警山岳遭難救助隊が低山の救助を想定して実施した訓練=10月、小山町の三国山(県警提供)

 県警地域課によると、今年の山岳遭難事故(15日現在)は新型コロナの影響で登山道や山小屋などが閉鎖されたこともあり、富士山は前年同期比51件減の2件、前年同期は12件あった南アルプスでは発生は無かった。
 ただ、登山規制などの無い低山では前年同期比3件増の22件と、前年並みで遭難事故が発生している。このうち、単独登山は9件と4割を占め、立て札を見落としたり、脇道に入ったりして道に迷う事故は12件と過半数に上った。8月には川根本町の接岨峡エリアで単独登山中の男性が死亡する事故も起きた。
 同課の担当者は「新型コロナの影響で複数人の登山を控えたり、久しぶりの外出で気持ちが緩み、注意力が散漫になったりしている人もいるのでは」と分析。コロナ対策を前提とし、登山の際は単独を避け、安全な登山計画を立てたり、スマートフォンなど位置情報が分かる機器や防寒具、懐中電灯などの装備を整えたりするよう求めている。

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