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地域の防災リーダー育成 J3沼津「全力隊」発足

 サッカーJ3アスルクラロ沼津が、南海トラフ巨大地震などの災害に備えるために「全力防災隊」を発足させ、地域の防災リーダーの育成を始めた。地域住民と選手が講座などを通じて楽しみながら防災を学び、災害時に最前線で活躍できるよう知識、技能の習得に取り組む。

東日本大震災で被災した経験を振り返る菅井選手=沼津市の愛鷹広域公園
東日本大震災で被災した経験を振り返る菅井選手=沼津市の愛鷹広域公園

 東海地区のJリーグ6クラブが、サポーターや地域住民の防災意識の高揚を目的に立ち上げた合同プロジェクト「ソナエル東海」の活動の一環。昨年の台風19号で被災した地域でボランティア活動に取り組んだスタッフの「何をすればよいかわからず、ふがいなかった」という経験が発足のきっかけになった。
 このほど沼津市の愛鷹広域公園で開いた第1回講座。市職員が講師を務め、10~50代の地域住民約30人が、家やビル、屋外などさまざまな場所で地震が発生した時の対応をクイズ形式で学んだ。菅井拓也選手(29)=宮城県出身=も登壇。東日本大震災で被災した当時を振り返り、被災地では「情報を正確に入手して行動に移すことが大事」と訴えた。
 緊急地震速報が流れた時の対応を考える訓練も行った。参加者は机の下に避難したり、扉を開けて出入り口を確保したりする動きを確認した。参加した同市の会社員男性(55)は「知っていたようで知らなかった防災の基礎を楽しく学べた」と話した。
 今後はボランティア経験者の講話やAEDを用いた救命講習などを行う。沼津の事業・営業部長の山崎宏さんは「災害時に率先して動ける人の輪が県東部で広がるよう、全力で活動を続けていく」と意気込む。

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