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豪雨、北遠の「交通」に爪痕 国道152号10キロ通行止め、JR飯田線一部区間不通

 九州をはじめ日本各地に甚大な被害をもたらした7月の豪雨で、静岡県内でも被災が大きかった浜松市天竜区域。基幹道路の国道152号や「生活の足」のJR飯田線などに土砂災害の影響が残り、復旧に時間を要する箇所も多い。住民は日常生活の不便さに加え、経済活動などへの悪影響に不安を募らせている。

国道152号が全面通行止めとなり、片側交互通行の迂回路の通行待ちをする車の列=22日午後、浜松市天竜区龍山町(写真の一部を加工しています)
国道152号が全面通行止めとなり、片側交互通行の迂回路の通行待ちをする車の列=22日午後、浜松市天竜区龍山町(写真の一部を加工しています)
国道152号の通行止め区間
国道152号の通行止め区間
国道152号が全面通行止めとなり、片側交互通行の迂回路の通行待ちをする車の列=22日午後、浜松市天竜区龍山町(写真の一部を加工しています)
国道152号の通行止め区間

 同区龍山町の天竜川にかかる瀬尻橋では日中、通行待ちの長い車列が続く。先頭車は40分近く停車したまま。国道152号線が約10キロ全面通行止めになり、町内移動には天竜川対岸への迂回(うかい)が必要。ただ、道幅は狭く、全区間が片側交互通行で、待ち時間は予測できない。
 同町では9日に国道で土砂崩れが発生し、付近の斜面で落石の危険があるため通行止めになった。13日には規制区間内の秋葉トンネルで亀裂も見つかり、通行再開時期のめどはまだ立っていない。
 同町では2018年にも崩土で国道が通行止めになり、住民生活や観光に打撃が及んだ。特産品を販売するドラゴンママ加工場の玉本君枝代表(76)は「新型コロナウイルスで客足が遠のいた中での追い打ち。来客は大幅減」と声を落とす。
 JR飯田線は線路脇の斜面崩落で水窪駅(同区水窪町)-平岡駅(長野県)間で不通状態に。不通区間の大嵐駅(同町)から同区佐久間町の浜松湖北高佐久間分校に通っていた鵜飼栞さん(16)は、片道約1時間の車の送迎が必要になった。「車だと親も自分も負担が大きい」と早期復旧を願う。JR東海によると、再開まで約3カ月を要する見込みで、27日からは平日の朝と夕方に1本ずつ水窪駅-大嵐駅間を往復する臨時列車を運行する。
 水窪町内では、生活道路にもなっている林道で土砂崩れが多発。迂回に数時間かかるケースもある。水窪町森林組合の熊谷啓司組合長(69)は「原木搬出も滞っている。至る所に陸の孤島がある状態。今後の雨も心配」と表情を曇らせる。

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