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合唱曲「さくらえびの海」 静岡の児童合唱団、20年ぶり披露へ

 幼児から高校生までが所属する「音楽青葉会・静岡児童合唱団」が今夏の舞台で、合唱曲「さくらえびの海」を20年ぶりに披露する。くしくも駿河湾産サクラエビは記録的不漁にあえぐ。曲の生みの親の一人で、同合唱団を主宰する戸崎裕子さん(83)は「合唱が郷土の宝を見直すきっかけになればうれしい」と言葉に熱を込める。

晴れ舞台に向け、歌声に磨きをかける音楽青葉会・静岡児童合唱団の団員=14日、静岡市葵区
晴れ舞台に向け、歌声に磨きをかける音楽青葉会・静岡児童合唱団の団員=14日、静岡市葵区

 「駿河の海はさくらえびの海 まぼろしのように紅さす海 沈んだ桜の花びらが 恥ずかしがり屋のえびになる」-。
  静岡市葵区の青葉会のスタジオで4月中旬、小学4年生から高校3年生までの団員15人が練習に励み、透き通った歌声を響かせた。
  さくらえびの海は合唱組曲「駿河のうた」の一つ。「海外公演にふさわしい静岡ならではの歌をつくりたい」と、戸崎さんが作詞家の故宮沢章二さんと作曲家の湯山昭さんに協力を依頼。同市清水区のサクラエビ漁師で由比港漁協組合長を務めた故原剛三さんらへの取材を経て、1974年に生まれた。合唱曲として全国で歌われるようになったが、近年は本家の同合唱団では歌われていなかった。
  環境異変や人々のせわしなさなど世界のめまぐるしい変化を感じ、郷土の自然や人情の素晴らしさを見つめ直したいと思っていた戸崎さん。昨年から続くサクラエビの不漁の報道を見て、曲づくりの取材時に胸を打った駿河湾の美しさ、漁師の心の温かさ、サクラエビの味わいを思い出し、駿河のうたの継承へ思いが強まった。
  さくらえびの海は8月15日にグランシップ(同市駿河区)で開かれる平和の式典と、9月23日に静岡音楽館AOI(同市葵区)で行う同合唱団定期演奏会で披露する予定。
  晴れ舞台に向けて練習を重ねる小宮山あずささん(9)は「海で泳ぐエビの様子を思い浮かべて感情を表現したい」。柏原伶音さん(14)は「不漁でサクラエビを食べられない人にも迫力ある歌を楽しんでほしい」と意気込む。
  (「サクラエビ異変」取材班)

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