停電予防伐採、静岡県内で本格化 自治体と事業者連携強化

(2020/8/23 10:53)
試行的に実施した予防伐採。暴風雨で電線を断線させる恐れのある樹木を除去した=1月下旬、伊豆市湯ケ島

 台風による倒木などが原因で発生する大規模停電を未然に防止しようと、静岡県は本年度、電線などを断線させる恐れのある樹木を除去する「予防伐採」の推進に向け本格的に動きだしている。台風シーズンを前に、7月下旬には予防伐採を図るため、県東部地域局が東部14市町や電力・通信事業者でつくる連絡会を初開催した。県は東部地区を皮切りに、今後全県で連絡会を開く方針。自治体と事業者が連携した伐採を全県で着手していく。
 予防伐採には時間や予算がかかるため、県東部の市町で予防伐採を実施した事例はまだ少ないという。また、電柱や電線などの配電設備がある場所は、国や県、市町の官公有地より、民有地の方がはるかに多く、民間の理解や協力も欠かせない。県は連絡会を通じてこれまで交流機会が少ない自治体と事業者を結び、円滑な予防伐採につなげていくという。事業者の伐採に当たっても、自治体が土地所有者や自治会などとの調整役を担うよう要請していく。
 2019年9月の台風15号と10月の台風19号は、県内にも甚大な被害をもたらした。中でも県東部は暴風雨による広範囲な停電被害が発生した。東京電力パワーグリッド静岡総支社によると、管内の停電被害はともに約4万5千戸に上り、そのうち約8割は倒木による電線の断線が原因だったという。この教訓から県は今年1月、予防伐採を電力事業者と協働で開始した。
 県は年間降水量が多い伊豆市湯ケ島の国道414号沿いで試行的に予防伐採を実施。同市は昨年度から景観改善を目的とした伐採(修景伐)を独自事業として始めていて、「道路沿いで電線に支障を来す箇所があれば伐採に取り組みたい」と前向きな姿勢を示す。同市は修景伐と、事業者による保安伐採が同時に進むことで、予防伐採としての事業効率の高まりに期待する。
 東部地域では、予防伐採が必要とされる箇所が少なくとも70カ所挙がっているという。停電対策の必要性が高い箇所からの事業化が求められる。県担当者は「各市町の実情に合わせた方法を検討し、継続的な取り組みにしたい」と話す。

 ■風雨災害 家庭も対策を
 台風や大雨のシーズン到来に伴い、停電の可能性も増加する。東京電力パワーグリッドによると、電線などの断線による停電の主な原因に倒木が挙げられる他、飛来物も大きな要因となっているという。同社は家屋のトタンやアンテナ、ビニールなど風で飛ぶ恐れのある物を事前に固定や飛散防止対策を取るよう呼び掛けている。
 災害時に家庭でできる停電対策としては▽リビングや寝室などに懐中電灯を複数用意する▽暗闇で光る蓄光テープを障害物の目印に貼っておく▽情報収集用にラジオを準備する-など。断水に備えて水の入ったペットボトルを用意したり、電力会社に頼らず自家発電装置や蓄電池を設置したりすることも推奨している。

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