コロナ禍の避難、何が必要? 児童向け教材、静岡大生が考案

(2020/7/26 12:37)
静岡大生が考えた絵本を見ながらコロナ禍の災害に必要な備えを学ぶ児童=7月中旬、浜松市中区の静大付属浜松小

 新型コロナウイルス感染症流行時に自然災害が起きる場合を想定し、必要な備えを子どもたちに伝えようと、防災教育に力を入れる静岡大教育学部の藤井基貴准教授のゼミの学生らがこのほど、絵本とクロスワードパズルを作成した。小学生対象の教材で、避難生活や感染防止に役立つ道具を児童が学べる内容になっている。
 絵本は、慶応義塾大環境情報学部の大木聖子准教授の研究室が考えた提言「3密の避難所で役立つ 七つの備え」に、静大生がオリジナルのストーリーとイラストを加えた。
 「紙せっけんとマスク」「手袋とポリ袋」「予備のメガネ」など感染症対策に有効な道具を物語に沿って紹介し、非常用の持ち出し袋に入れておくよう促す。児童の主体性を育むため、それぞれの道具が災害時に必要になる場面は、あえて触れない内容に仕上げた。
 クロスワードは「3密」「フェイスガード」などが正答になるよう問題を構成した。感染防止のため、授業中の児童同士の対話が制限される中、子どもが1人で考えながら取り組める教材を作れないかと思案した。防災用語をあまり知らない中低学年向けには、簡単なクロスワードを解くごとにマスクやスリッパといった防災グッズの絵柄のピースを集めるパズルゲームのプログラムを用意し、楽しく学べるよう工夫している。
 学生は7月中旬、浜松市中区の静大付属浜松小で、3年生を対象に教材を使った初の防災授業に臨んだ。静岡市内のキャンパスからオンラインで進行し、「周囲にはたくさんのリスクがある。備えを家族と話し合っておいて」と締めくくった。
 同大大学院教育学研究科2年の鈴木希実さんは九州地方などに甚大な被害をもたらした7月の豪雨を踏まえ、「感染リスクにより、避難の仕方が従来と変わった。備えを考えるきっかけになったら」と狙いを話す。
 藤井准教授は「防災を自分の問題として捉えられれば、受け身になりがちな学校の避難訓練も効果が高まるはずだ。主体性を引き出すには学習の仕掛けが必要」と強調する。今回の教材は改良を重ねながら、特別支援学校や浜松市外の小学校でも活用を図っていく。

 ■オリジナル曲やすごろく 「新しい生活」理解へ工夫
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「新しい生活様式」を子どもたちに理解してもらうため、県内の教育現場では独創的な手法や情報発信もみられる。
 静岡市葵区の市立服織小は、教員有志が作詞作曲したオリジナル曲「大切だから くっつかない!」を休み時間などに校内で流す。ソーシャルディスタンス(社会的距離)確保の大切さを呼び掛ける歌詞で、児童の感染防止意識を高めている。
 静岡文化芸術大デザイン学部(浜松市中区)の伊豆裕一教授の授業では、学生がコロナ対策をテーマにした「すごろく遊び」を考案し、同大ホームページで公開している。
 止まるマスによって「手洗いうがい」「マスク」のカードを使い分けて駒を進めるゲームで、楽しみながら感染症対策を学ぶことができる。

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