コロナ対応の避難所運営指針「症状者は個室」 静岡県素案、3密回避など6項目柱 7月に正式版

(2020/6/10 09:20)
新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた件の避難所運営ガイドライン素案による総合受付レイアウト(例)

 静岡県が策定を進めている新型コロナウイルス感染症対策を盛り込んだ災害時の新しい避難所運営ガイドラインの素案が9日、関係者への取材で分かった。発熱やせきが確認される人について「可能な限り個室にすることが望ましいが、難しい場合はそれぞれ専用スペースを確保する」と明記、濃厚接触者はより優先して個室で管理する方針。国が示している対応指針に沿い、3密の回避など6項目を柱に据える。
 発熱やせきがある避難者について専用スペースの確保が困難でやむを得ず同室とする場合は、間仕切りで区切るなどの工夫を呼び掛ける。ただ、実際の現場では災害の緊急度や規模、避難者の数によって混乱も予想され、弾力的な対応が課題になる。市町の意見も取り入れ、7月上旬に正式版をまとめる。
 健康な人が滞在するスペースは1家族が1区画を使用し、広さは1人当たり約3平方メートルとした。テントを利用する場合は飛沫(ひまつ)感染を防ぐため屋根がある方が良いが、「熱中症対策に十分注意が必要」とした。
 これまで以上に避難所の数が必要と想定されるため、指定避難所だけでなく、公民館や企業、ホテルにも受け入れてもらえるよう市町に交渉を要請する。
 国は訓練ガイドラインを新たに作成し、8日付で都道府県などに通知。課題の洗い出しや必要人員の把握、防災部局と保健所、消防の連携確認を自治体に促す。武田良太防災担当相は「都道府県の担当者と緊密に連携を取り、現在の状況や予想される対策について情報交換していく」と述べ、改善を重ねていく考えを示した。

 ■「避難者どう振り分ければ」市町から問い合わせ
 台風など風水害の危険が高まる時期を前に、静岡県内市町が新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた避難所の運営方法を模索している。県は7月上旬までに、対策を盛り込んだ新たな避難所運営ガイドラインを策定する方針だが、市町からは「どんな基準で避難者を分けるか」など、問い合わせが相次ぐ。
 5月下旬、コロナまん延期に大型台風が接近し、避難所を開設したとの設定で訓練を実施した藤枝市。避難者が同時に押し寄せた場合の対応に課題が浮かび上がった。永田勝巳地域防災課長は「避難者に感染疑いがあるか判別するのに時間がかかった。分かりやすいマニュアルが必要だ」と指摘した。
 県が各市町に示したガイドライン素案によると、総合受付で健康状態チェックシートを提出し、「異常なし」と「体調不良、濃厚接触者」に振り分ける。県の同シート素案では体温やせき、頭痛の有無など9項目を記載。これに対し市町からは「渡航歴や流行地域への往来歴も必要では」との意見があった。
 県は市町から訓練の実施を通し報告があった課題や意見を基にガイドラインをまとめる方針。同シートは市町ごとの加筆や削除は可能。ただ、通常の避難所入所への条件を厳しくすると、体調不良者の専用スペースの確保には限界がある。
 2度の訓練を実施した菊川市の担当者は「限られたスペースで間仕切りをどこに置くか、換気状況や風向きによって検討が必要」とした上で「プライバシー保護のあり方も重要だ」と述べた。

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