静岡県地震対策、50年の歩み 県危機情報課・木下さん年表作成

(2020/3/10 17:00)
半世紀超にわたる静岡県の地震対策史を年表にまとめ、分析した木下智章さん=2月上旬、静岡市葵区の県地震防災センター

 静岡県危機情報課参事の木下智章さん(60)がこのほど、半世紀超にわたる本県地震対策史を分析し、年表を作成した。それぞれの地震対策の時代背景や相互関係を分かりやすく一覧にしたほか、東日本大震災など五つの大きな節目を浮き彫りにした。年表と報告書は3月下旬にリニューアルオープン予定の県地震防災センターで閲覧できる。木下さんは「過去の流れを知ることは今の対策を理解し、将来の対策を考える上で非常に重要」と意義を話す。
 「何年にどんな対策が行われたか」という施策の質的変化だけでなく、年度ごとの防災担当職員数や事業費、観測施設数、避難施設数、作成した資料数など量的な推移にも着目し、時代ごとの特徴を客観的に洗い出した。
 分析によると、県の地震対策は(1)基礎調査期間(1961~75年)(2)東海地震対策期間(76~94年)(3)総点検・再構築期間(95~2000年)(4)連携・広域地震対策期間(01~10年)(5)巨大・連続・複合地震対策期間(11年~現在)―の五つの期間に分けられる。
 (1)と(2)は東海地震説の前後、(3)は阪神・淡路大震災、(5)は東日本大震災と節目が分かりやすいが、(4)の背景は何か―。作成に協力した元県防災局長の井野盛夫さんは「予知が技術的に困難で警戒宣言は出せないと国が気付き始めたのがこの頃」と解説する。その上で「東海単独ではなく、連動地震の警戒感も高まり始めた頃。そうした節目を見事に浮き彫りにした」と評価した。
 県政概要や事業概要など資料約800点を精査し、関係者に聞き取り調査もして年表をまとめた。それぞれの地震対策の時代背景や時系列、どう発展・派生していったかなどが一目で分かるように工夫した。
 木下さんは「防災の歴史を知ることは防災の本質を考えるきっかけにもなる。見学や講座で地震防災センターに来る多くの方々に見ていただけたら」と話す。

 ■「全国で活用を」 福和伸夫・名古屋大減災連携研究センター長の話
 静岡県は特に東海地震説以降、国や全国の自治体に常に先んじて防災の課題を作り、解決を重ねるなど、まさに日本の防災を開拓してきた。県の地震対策史は日本の地震対策史そのものと言える。それをこれだけ体系的にまとめた例はなく、素晴らしい財産。県地震防災センターのリニューアルのタイミングでもあり、非常に意義がある。各施策の報告書など全ての関連資料とセットで展示したり、全自治体に配ったりして活用されるべきだ。

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