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テーマ : 浜松市

大自在(11月30日)笑いの効能

 「第7世代」の若手芸人が活躍するお笑いブームの中、落語家の数も今や東西に約千人を数える。江戸時代以来最多を誇り、多彩な人材がそろう。ことし5月に67歳で亡くなった立川らく朝さんもかなり異色な経歴の持ち主だった。
 慶応大医学部内科学教室で臨床や研究に従事したドクター。46歳で立川志らく師匠に入門し、医師との二足のわらじを続けながら15年かけて真打に昇進した。キャリアを生かして独自に開拓した「健康落語」で知られた。
 県内各地の催しにも度々招かれたから、だみ声ながらも軽妙な語り口に触れたことのある読者もいるだろう。「ストレスは万病のもと」「笑いは病気を予防できる素晴らしい薬」。会場を沸かせつつ笑いの効能を説く姿には真剣さもにじんだ。
 大手飲料メーカーと芸能プロダクションが浜松市などと共同で行った実証研究の結果、「笑い」が集中力の向上やストレス改善に効果があると確認されたという。市内在住の40代から60代までの男女25人が研究に協力した。
 笑いが生まれる動画と、生まれない動画を見た後の回答の速さや記憶力などを比べた。笑える動画を見た後の方が脳の活性化を示す血流量が増え、集中力が要る問題の回答が速くなった。ストレス反応を抑える効果も見られたという。
 らく朝さんの健康落語ならずとも、笑いが心身に好影響をもたらすとはよく耳にする話だが、科学的な検証は十分ではなかったという。浜松だけに「がっき(楽器)的」、もとい「かっき(画期)的」な成果と言えようか。お後がよろしいようで。

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