ポストの貯金箱でお客を出迎え 函南のスナック 16年の営業に幕
郵便ポストの貯金箱を店内に飾り付けてお客を出迎える函南町のスナック「がらくた」が、11月末で閉店する。多くの常連客に愛されて16年間営業を続けてきたが、店主の西原志津子さん(67)が体調を崩して経営を断念。店に並ぶ160個の大小さまざまな貯金箱に目を向け、「お客にもらった物も多い。いろんな人に支えてもらった」と感謝する。

円柱形の丸っこい郵便ポストに魅せられ、20年前から貯金箱を集め始めた。陶器店で珍しい形を見つければ買い、郵便局でのキャンペーンにもまめに出向いた。お店を始めると持ってきてくれるお客も現れ、郵便ポストが人のつながりを生み出したこともあった。
店内に並ぶ七色や金色、高さ1メートルほどの珍しい貯金箱に興味を示すお客もいたが、譲ったことはないという。閉店後は持病を患う心臓を静養しながら夫と農業を続ける。貯金箱は全て自宅に持ち帰って飾る予定で、「一つ一つに思いがある。これからも大切にしたい」と話した。